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episode27〜シンクの想い〜

「……ここは?」


「ようやく目覚めたわね、この馬鹿」


 視界がクリアになる。

 ロウソクの明かりだけに照らされる部屋で俺は横になっている。

 ベッドで眠る俺の傍にシンクが涙目で腰掛けていた。


「ユキノから聞いたわ! デイダラの感覚リンクを利用して、自分を貫いたって! どういうつもり、自殺願望でもあるの‼︎ ユキノがすぐに傷口を凍結させてくれたから助かったものの、下手したら死んでいたのよ‼︎」


 近くでキャーキャーうるさいな……。

 そういえば俺、そんなことしていたっけ。

 俺、なんのためにあいつと戦っていたんだっけ?

 そうか、このキーキーうるさい女を助けるために戦っていたんだ。

 結果的にはユキノに全部活躍持っていかれたけど……。


「悪いな……助ける前に力尽きて」


 ポン、と喚くシンクの頭に手を乗せる。


「なっ!」


 驚き、頬を真っ赤にされる。

 だけどすぐにバツが悪そうに目線を逸らされてしまう。


「……ごめん、謝らないといけないのむしろあたしの方だわ。無茶して、捕まって、みんなに迷惑をかけて……本当にごめんなさい」


「あぁ、ほんと余計な世話を焼きやがって」


「なっ⁉︎ あたしはあんたのことが心配でーー」


「ユキノから粗方聞いた……宏人や紫苑を助けられなかったことを後悔しているって」


「そ、それはーー」


 図星なのか、またしてもシンクの視線が揺れる。


「俺もそうだ。ずっと後悔している。なんであのとき俺じゃなくて宏人や紫苑が死んだんだろうって……どうして棒立ちのままクラスメイトが殺される姿を見ていることしかできなかったんだろうって」


「あんた……」


「俺は復讐者だ。白き死神(ホワイト・ハーデス)を殺す、それが俺の戦う理由なんだと思っていたけど、少し違った」


 シンクが捕まり、ラゴウに弄ばれていると知らされたときに気づいた。


「俺は……おまえと同じで2度と大切なものを失いたくないから戦っているんだって」


「ごめん、なさい」


 ポツリ、と暖かいものが俺の頬に落ちた。

 涙だ。

 シンクの流した涙が俺の頬に落ちてきた。


「あたしがもう少し早く到着していたらあんたの大切な人たちを助けられたかもしれないのに……あんたをこんな危険な目に遭わせなくて済んだのに……ほんと、ごめんなさい」


 俺の被る布団に顔を伏せて泣きじゃくるシンク。

 重みが腹部を圧迫し、ズキズキと傷口が痛むがあえてそれは口にせずにシンクが泣き止むまで俺は黙っていた。


 ◆


 アジトの会議室。

 シンクが連理の元で泣いている頃に、ウェストはシドを呼び出していた。


「こんな夜遅くに呼び出してどうしたんだ?」


「おまえに確認しておきたいことがある」


「おぉ、随分といきなりだな。そんな怖い目しなくても知っている情報は教えるから」


「シンクを倒した七影剣とは何者だ? なぜ滅びたはずの神明流の技を使っていた?」


 和ませようとするシドの意を無視して、より一層目線を鋭くしたウェストが詰め寄る。


「おっけー、んじゃまずは七影剣から説明するぞ。奴らは皇帝の騎士(ラウンズ)No.5が組織した特殊部隊だ」


「No.5だと⁉︎ まさかそいつが!」


「ご明察。そいつの狙いは神明流の再建にあるらしいぜ」

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