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剣戟の付与術師  作者: 八映たすく
第二章
158/287

百五十八話 絶望の咆哮


——時は遡り、コウタが気を失った数分後



 リューキュウの国の町から、はるか離れた見晴らしの良い高台では、魔王軍の軍勢がリューキュウの国を視認できる位置に拠点を構えていた。


 そして拠点を背にするようにリューキュウの国に目を向けていたのは、魔王軍元帥ルシウスと、四天王ゼバルの二人であった。



「⋯⋯来たか。」



 はるか離れた位置からでも視認できるほどの巨体を持ち、王国の中心に鎮座する幻獣に目を向けていると、ふとゼバルは短くそんな言葉を呟く。



「⋯⋯ミューリン、帰還しました。」



 その直後に二人の背後に、ツインテールの女性が舞い降りる。



「⋯⋯やっぱりお前が一番か。」



「そのようですね。」



 ゼバルがそう言って振り返ると、ミューリンはほんの少しだけ誇らしげにそう答える。



「怪我は無かったか?」


 どう見ても健在なミューリンの姿を見ながら、それでも確認の為に質問を投げかける。



「⋯⋯特にはありませんが⋯⋯ブロンズ・シルバとの戦闘時に片腕を⋯⋯。」



 それを聞いてミューリンはしおらしい態度で左腕を抑えてそう答える。


 その変化は決して乙女として気にかけて欲しいなどという感情からではなく、純粋に自らの弱さを疎ましく思うが故のものだった。



「⋯⋯折られたか?」



「いえ、内出血程度の軽傷です。」



「⋯⋯一応今のうちに治療を受けとけ。多分すぐに重傷者が帰ってくる。」



 ある程度状況の確認を終えると、ゼバルは溜息混じりにミューリンにそう指示を出す。



「⋯⋯重傷者?⋯⋯⋯⋯っ!」


 ミューリンがその言葉の意図を聞こうと首を傾げた瞬間、彼女の背後から強烈な光が迸る。



「ベルザーク、キエラ、リーズル、帰還した。」


 それに反応して振り返ると、予め魔王城から持ち出してきていた〝帰晶石〟を中心にして光が溢れ、そこから彼女の見知った男が気を失った二人を担いで現れる。



「あら、これはまた随分と派手にやられたわね。相手は?」


 衰えながらも未だ雄々しい迫力を持つ顔を見るなり、ミューリンはそれまでゼバルに向けていたしおらしい態度を改めていつも通りの調子でそう尋ねる。



「勇者候補、ロフトじゃ。⋯⋯治療班!悪いがコイツらを頼む。両方重症なんでな。」



「了解しました。」



「特にキエラの方は腕ぶった斬られとる。斬られた方の腕も回収してきとるからそっちの接合を優先してくれ。」


 ベルザークはミューリンの問いに片手間で答えながら、慣れた様子で周囲に指示を出していき、二人の怪我人を治療班に預ける。



「⋯⋯ベルザーク。」



「⋯⋯はっ、なんでしょう。」



 ある程度ベルザークが落ち着いたのを見計らうと、それまで静かに黙り込んでいたルシウスは、視線を幻獣に向けたまま、彼の名を呼ぶ。



「どうだった、奴の力は?」



「⋯⋯そうですな。」



 ルシウスの言う〝奴〟というのはベルザークが先程まで戦闘を行っていたロフトのことであり、ベルザークは彼との戦闘を思い返しながら天を仰ぐようにして考え込む。



「経験や技の練度はまだまだ未熟ではありますが、センスに限って言えばアーサーを遥かに凌ぐ、と言ったところでしょう。」



「⋯⋯そうか、大儀であった。まだ動けるか?」



 ベルザークの評価を聞くと、ルシウスは一層低い声で返事をし、そしてもう一度別の質問を投げかける。



「問題ありません。」



「よし、ならば準備をしていてくれ。」



「了解。と、どうやら残りの二人も帰ってきたようですな。」



 ベルザークがそう答えると、直後に何かに気が付き背後に視線を送る。



「⋯⋯⋯⋯っ!」



「⋯⋯ルキ、ファルナス、二名帰還しました。」



 すると先程ベルザーク達が使用した〝帰晶石〟から再び強烈な光が広がり、その中から二人の幹部が姿を現わす。



「任務達成ご苦労。よくやったルキ、貴様に任せて正解だったな。」



 帰還の報告を聞くと、ルシウスは小さく笑みを浮かべながら労いの言葉をルキに送る。



「有難きお言葉。それより彼女を治療したい、治療班に余裕はありますか?」



 短く言葉を区切り頭を下げると、ルキは肩を貸しながら真横でぐったりと意識を失うファルナスの治療を要求する。



「無いわよ、たった今重傷者が二人帰ってきたからね。」



 その言葉に対して、ルシウスの代わりにミューリンが治療を受ける二人を指差して返事をする。



「そうか、なら僕の部下を使おうか。おーい、ベレッタ!」



「——ここに。」



 ルキが声を上げると、直後に背後で構えていた後衛の部隊の中から一人の若い白髪の魔族の女が姿を現してルキの目の前で膝をついて返事をする。



「お、いたいた。」



「⋯⋯お疲れ様ですルキ様。」



 透き通った白い肌、キラキラと輝く髪を揺らしながら、ベレッタと呼ばれた女性は仰々しくそう呟く。



「早速で悪いんだけど、ファルナスちゃん治療してあげて。」



「⋯⋯ファルナス、ですか?」



 そんな女性にルキはそう言うと、彼が抱えるボロボロの女性を見て、ベレッタは表情を強張らせて問いを返す。



「うん、腹部の傷が一番ひどいみたいだ。そこを中心によろしく。」



「⋯⋯しかしルキ様、この女は⋯⋯。」



 傷の様子を伝え、話を進めていくルキに対して、ベレッタは戸惑いを見せたまま言いづらそうに抗議の意を示す。



「分かってる、けど彼女が仲間なのは変わりないよ。」



 その様子を見てルキは悲しそうな顔でそんな正論を吐き出す。



「⋯⋯⋯⋯。」



「出来ない?」



 それでもなお黙り込むベレッタに対して、ルキは困ったような表情を浮かべて首を傾げる。



「⋯⋯出来ます。」



 するとベレッタが先に折れ、納得のいかない様子を見せながらもはっきりとそう答える。



「ならよろしくね。」



「了解、しました。」



 ベレッタはそう言って頭を下げると、ファルナスを抱えて部隊の奥へと下がっていく。



「⋯⋯治療用に連れてきた奴らは全員手が埋まっちまったな。」



 ベレッタが視界からいなくなると、ゼバルは片腕を抑えながら自らの真横に立つミューリンに対して、そんな言葉を言い放つ。



「私なら問題ありませんが⋯⋯。」



 もとより軽傷なミューリンとしては、重傷者を押し退けてまで治療を受ける必要も、そのつもりもなかった。



「まあ軽傷だしな。」



 それを見てそんな言葉を吐き出すと、ゼバルはミューリンの抑えている腕を乱暴に掴み自らの元へと引き寄せる。



「⋯⋯っ、ゼバル様?」



「⋯⋯ヒール。」



 突然の行動にミューリンが首を傾げていると、ゼバルはその傷に向かって回復魔法を発動させる。



「⋯⋯⋯⋯っ!ダメです!ゼバル様の貴重なMPを私などに⋯⋯!」



 それに気がつくと、ミューリンは真剣な表情で治療を止めるよう促す。



「⋯⋯終わった。」



 が、彼女の怪我は軽傷故、そんな抗議をしている合間にゼバルの治療は終了する。



「⋯⋯まあ仕事をこなした褒美とでも思っとけ。良くやったよ、お前は。」



「んんっ⋯⋯勿体無きお言葉っ⋯⋯。」



 申し訳無さそうにするミューリンに対して、ゼバルは最後にそう言って軽く頭を撫でる。



「あとは休んでろ。こっから先は、俺たちの仕事だ。」



 最後にそう言って背を向けると、部隊の先頭に立つルシウスとベルザークの真横まで歩み寄っていく。



「アレがリューキュウを滅ぼし次第、俺たちが出る。」








——そして時は少し進み、幻獣リヴァイアサンの覚醒の十数分前


 この時リューキュウのギルドにおいて唯一、空き部屋であった執務室には、コウタやメアリアを中心とした十二名の人間が集まっていた。


 メンバーはコウタ達四人に加えて、冒険者のロフト、マオの二人。


 ギルドからはギルドマスターのシルバと、その補佐役であるデクの二人。


 王室からは国王であるメアリア、宰相であるガーランド、そして騎士団長であるアマンドの三人。


 そして、怪我人の治療の為にギルドへと来ていた、教会の代表として司教のマルタが参加していた。




「——はっきり言って打てる手はほとんどない。」



 そんな少人数の会議の中で、真っ先にそう言ったのはギルドマスターであるシルバだった。



「⋯⋯だろーな。」



 あまりにどうしようもない現状に周囲が静まり返っていると、その中でロフトだけが静かに返事をする。




「け、けどそれじゃこの国は⋯⋯。」



「落ち着け、ほとんど無いとは言ったが、ゼロではない。」



 二人の言葉を聞いてデクが慌てて問いただそうとすると、シルバは呆れたようにそれを制止させる。



「かの邪神に対抗し得る可能性があるとすればそれは一つ。」



 そしてそれに続くようにして一神教の司教であるマルタが真剣な表情でそう切り出す。



「——この国の国宝ですね。」



「⋯⋯っ。」



 コウタがはっきりとした口調で呟くと、部屋の奥で黙り込んでいたメアリアは小さく反応して肩を震わせる。



「封神の弓、楔の矢⋯⋯だよね?」



「あんな化け物倒せるとは思えねえし、やっぱ再封印が妥当だよな⋯⋯。」



 コウタやの意見を聞いて、ギルド職員であるデクと冒険者のマオが概ね同調する意思を示す。



「⋯⋯しかしあれは⋯⋯⋯⋯。」



「選ばれし者にしか使えぬ、私や王に使いこなせるかどうか⋯⋯。」



 が、そこで否定的な言葉を呟いたのが王族側であるメアリアとガーランドの二人であった。



「しかもチャンスは一回だけ、果たして上手くいくか⋯⋯。」



 もしも国宝である弓と矢を使いこなせる人間がいるとすれば、その可能性があるのは間違い無く彼等二人のみであったが、その二人がどうにも自信のない様子であった。



「しかし現状、アレをどうにかするにはその国宝とやらに頼らざるを得ないのでしょう?」



 そんな二人に対して、アデルは真っ直ぐな視線でそう尋ねる。


 そしてその横ではマルタが小さく首を縦に振ってその言葉を肯定する。



「なら試してみるしか無いじゃないですか。」



「ええ、我々も出来る限りサポートしますわ。」



 それに続くようにマリー、セリアの二人も賛成の意見を述べる。



「なら決まりですね。神器の回収はアマンドさんにお願いしましょう。」



 神器の保管場所とその開錠の方法を知るコウタは、王族である二人の安全を考慮した上でアマンドの方に目を向ける。



「それは⋯⋯。」



「いや、それは私が行こう。」



 コウタの言葉を聞いて、アマンドが渋った表情で口を開くと、ほぼ同時にガーランドが一歩前に出てそう提案する。



「⋯⋯ガーランド様が?」



「宝物庫自体は私も入れますが、神器の封印まで解けるのはお二人だけなのです。」



 その意図が理解できずコウタ首を傾げていると、アマンドは悔しそうな表情でその理由を答える。



「なるほど、じゃあ護衛が必要ですね。」



「それは私がやります。王国騎士として、役目を果たしましょう。」



 すぐさま思考を切り替えてそう呟くコウタに対して、アマンドは殆ど間を開ける事なく食い付く。



「ならば私も手伝います。護衛は多いに越したことはないでしょう。」



 そしてそれに続くようにして、同じ騎士であるアデルが護衛の立候補をする。



「⋯⋯⋯⋯ならサポートは私が付きます。近接系二人じゃ色々不便だろうし。」



そして最後に、二人の騎士のバランスを取ろうと補佐役としてメイが少し遅れて手を挙げる。



「助かります。では⋯⋯。」



「⋯⋯ま、待って下さい!」



 自らの意思に反して、淡々と進んでいく話を強引に断ち切ってメアリアは声を上げる。



「⋯⋯っ、なんですか?」



「やはりこの作戦は無理があるような気がします。」


 コウタが話を止めてそう尋ねると、メアリアは一瞬にして自身に集まる視線にたじろぎながら、自信なさげに答えていく。



「⋯⋯不確定要素が多過ぎます。アレがいつまでも沈黙を貫いているとは限りませんし、たとえ弓を手にしたとしても⋯⋯⋯⋯。」



 引けるかも分からない弓一本に大国の命運がかかっており、しかもそれが自分の手に渡るかもしれないと言うプレッシャーは、十八歳の少女にはいささか重荷であることは明白であった。



「何より、これはリューキュウの問題、あなた方を危険な目に合わせる訳にはいきません。」



 そして何よりも、そんな可能性の低い賭けの為にこれだけの人間の命を同時に天秤に掛けなくてはならないという事実が、彼女にとって恐怖でしかなかった。



「陛下⋯⋯大丈夫です。」



「コウタさん?」



 そんな彼女の心話の変化を察知したのか、コウタはニッコリと笑みを浮かべて彼女の肩に手を置く。



「理由や動機はどうであれ、僕達は全員、自分の意思でここにいるんです。みんな自分の為にここにいるんですから、貴女は貴女の守るべきものの為に僕達を利用すればいいんです。」



「守りましょう、みんなで。」



「⋯⋯っ!」



 全てを受け入れ、全てを許すような、そんな安心感を与えてくれるコウタの笑顔を見て、メアリアは思わず息を飲む。



「そもそも、あんなの相手にする時点で無茶なんて百も承知だろ。」



「今更ビビってたって始まんねぇ。覚悟決めろよ、王女サマ。」



 煮え切らないその態度にロフトは痺れを切らすと、ボリボリと頭を掻きながらそう言ってコウタとは反対側の肩に背後から手を乗せる。



「⋯⋯⋯⋯コウタさん、ロフトさん⋯⋯⋯⋯ありがとうございます。」



 二人の少年に背中を押され、少女はようやく王としての務めを果たす為の覚悟を決める。







 そして時は現在に至る。



「——んで、他の奴らは狙撃ポイントの確保、俺らは準備が出来るまでの時間稼ぎか。」



 瞼を開き覚醒段階に入った幻獣を目の前に、ロフトは気の抜けた声で確認作業を行う。



「⋯⋯ええ、そうなります。」



「一番面倒な役回りじゃねえか、クソが。」



 短くシンプルなその返事を聞くと、ロフトは完全に八つ当たりのような勢いでコウタに毒を吐き出す。



「仕方ないでしょう、今この国にいる人間の中で、多分僕達二人が最大戦力です。」



 自分とは対照的に、かなり気の抜けた様子を見せるロフトに若干呆れながら、コウタは冷静にそう答える。



「文句言ってても仕方ねえか⋯⋯。」



(⋯⋯背中を押した手前、今更逃げる訳にもいかねぇしな。)



「⋯⋯⋯⋯だったら存分に暴れさせてもらうとするか。」



 そう言って気持ちを切り替えると、ロフトはニヤリと頬を釣り上げて臨戦態勢へと突入する。



「⋯⋯来ます!!」


 その瞬間、幻獣が大きく息を吸い込むような動作を見せると、コウタは咄嗟に声を上げる。




「⋯⋯ルルルルルルァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」




 直後、幻獣はその巨大な体躯に似合わぬ甲高い声を上げると、耳を塞いでいても聞こえてくる轟音と、雷光が迸るような衝撃波が容赦無く国中に広がる。



「⋯⋯うぐっ!?うるさっ⋯⋯⋯⋯っ!?」



「調子乗んな!!」



「⋯⋯ダークネス・レイ!!」



 思わずコウタは両耳を塞いでその咆哮に耐えようとすると、横にいたロフトは逆に、その咆哮を止める為、速攻で攻撃を仕掛ける。



「⋯⋯っ、硬え!?」



 真っ直ぐに延びる紫色の光は、その巨大な胴体に直撃するが、巨大で強靭な鱗に包まれたその肉体は、傷一つついてはいなかった。



「⋯⋯だったら⋯⋯⋯⋯召喚!!」



 一部始終を見たコウタもそれに倣って手元に一本の剣を召喚する。



「ドラゴンスレイヤー、行くぞ!」



「加速!!」



 敵が龍であるのならば、特攻性能を持つこの剣が有効だと咄嗟に思いついたコウタは、その剣をしっかりと握り込み、〝加速〟のスキルでブーストをかけながら投擲する。


 が、真っ直ぐに進んでいく剣は、先程のロフトの攻撃と同様に、傷一つ付けることすら出来ずに弾かれる。



「⋯⋯ちっ。」



(これも効かないか⋯⋯。)



 その様子を見て、コウタは忌々しそうに舌打ちをする。


 決定打にならないのは予想出来ていたが、コウタとしても無傷で弾かれるのは少しばかり予想外であった。



「⋯⋯っ?」



 次の瞬間、幻獣は先程と同じようなモーションで大きく息を吸い込む。


 が、コウタは先程と全く同じようなモーションの中で、ほんの少しの違和感を覚える。



(⋯⋯溜めが長い⋯⋯⋯⋯なんか、来る!?)



 その考えが頭をよぎった頃には既に手遅れであった。



「⋯⋯アアアアアアアアアアアア!!」



 先程と同じ咆哮と共に、龍の巨大な顎から、ビーム状に放たれる白色の衝撃波が迸る。



「⋯⋯んなっ!」



「⋯⋯ちぃ⋯⋯。」



 先程と同じように、巨大な咆哮が来ると身構えていた二人は、突然のその攻撃に一瞬、対応が遅れてしまう。



「「⋯⋯っ!?」」



 二人の姿は、反応すら出来ないほどの速度で奔るその衝撃波に容赦無く飲み込まれる。


 少し遅れて広がる衝撃の余波は国中の建物の屋根を吹き飛ばし、水路を走る水を巻き上げる。



「直撃⋯⋯!?」



「嘘でしょ⋯⋯?」



 そしてその光景を最も近くて見ていたアデルやマオは、想像を絶する破壊力と目の前で無慈悲に消えていく二人の少年の姿に言葉を失う。



「⋯⋯っ、コウタさん!?」



 マリーは大きく目を見開きながら、白線が両断する真っ青な空を見つめる。


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