象徴詩『白黒死体』
掲載日:2015/11/03
白い亡霊の息 埋葬の泣き声 残響は樹々に泊まり
黒い墓地の岸 小舟に既往の陰は堕ちる
白く薫るユキカケの花
黒く拍を打つ臓と血
白眼の受容体 迫害の在処
黒衣でくるんだ醜い肉 家畜を棄てる窖
白亜の霊廟を侵し
黒檀の柩を暴く
白磁のようなクチクラ 無数の縫い痕
黒変した天鵞絨の薔薇 魂喰蟲の眠る花芯
白状しないことが頭を犯している
黒色の感情が頭を犯している
白墨が書いた誰かが決めつけようとした
黒煙が表した誰かが消そうとした
白斑に更新される表面
黒体を押し込まれる深層
白痴の薄笑い 血の気は失せ 熱に伝染する
黒鉛の瞳は見開き 闇を凝視し 熱に寄生する




