増える魔物
中枢
ここ三ヶ月で魔物の繁殖も進んだ。
そして進んだ結果知らない魔物が出てくるという驚きの事態に。
lv2 フュートウルフ 550
lv2 フュートフォックス 130
「どういうことだ!」
「バーロー!」
「第五の力!」
いや、うん。
グノーシャはともかくルティナはそんなキャラだっけ?
ちなみにこの場には他にレフィル、命尾、リースがいる。
「まあ世界初?のダンジョンマスターの眷属です。そういうこともあるでしょう!」
お、おう。
何にせよフュートの二種はハウンドより二回り程小さい子どもだ。
戦闘力はハウンド以下なのだがレベルは2。
育つと強くなる予感がする、前線には出さずに大事に育てよう。
魔物は育つのも速い、と言うか人間が特別遅い感あるが。
「半年もあれば十分戦力になるだろ」
と、レフィルがいうのだからそうなのだろう。
「レフィルの子どももいるのか?」
「ああ。ただ、オレ達は群れ全体で子を育てる。だからオレの子だからと言って特別な訳じゃないぞ」
「ふぅーん。フォックスもそうなの?」
「そうですけど…普通はここほど大規模にはなりませんので、そう考えると何かあるかも知れませんね!」
すでに別種が生まれてるしな。
「そういや命尾の子どもは」
「いるわけないじゃないですか!怒りますよ!」
「あ、はい、ごめんなさい」
え、俺今何で怒られたの?
「今のはシラキ君が悪いよ」
リースまで。
おかしい、女心がどうとかとは別次元の領域よりもたらされる理不尽。
「うはっっっ怒られてやんのっっ」
「黙れ」
「あ、はい」
グノーシャのすさまじい煽りが一瞬にして沈静化。
命尾さん怖いからいつもの状態に戻って!
そうだ、話題を戻そう。
「そうだ、ビーとアントは期待通りの増え方したよな」
ビーが+3000、アントが+6000。
結果としてニードルビーが3500、イートアントが6300に。
すごい数だ、クイーンが20体もいるだけのことはある。
「昆虫系魔物の面目躍如ですねー」
「特攻要員くらいにしかならないけどな」
「まあ、多産の魔物はダンジョンシステム上コスパいいよ」
なにせ召喚コスト0、死亡マナ回収だからな。
……バランス大丈夫か?
言うて一戦一戦の規模とマナの動きがどんどんインフレしてるからアレだけど。
「その昆虫系を遙かに上回る増え方してるヤツ、いるでしょ」
「?というと…」
グノーシャの言葉に、リースが考える。
俺は分かるけど、リースの魔術師部隊とはそれほど接点ないし、知らないのも無理はない。
多分航空部隊とかも知らないんじゃないかな。
「マッシュ」
マッシュは、ね。
あれはもう別格というかなんというかね。
もはや意味不明なレベル。
「いつだかエリアに増えすぎて、その後滅亡の大地戦で大量に減ったけど、一瞬で元の数まで戻り、そして遙かに上回る数値に」
割合増加の本気を見たよ、本当に。
ぶっちゃけビーやアントなんてメじゃない。
「今どれくらいの数なの?」
「……二十五万」
「えっ」
「二十五万」
リースが信じられないという顔をする。
実際、どう見てもこいつだけ桁が違うんだよなぁ。
「そんなに!?」
「ああ。すでに第二階層に収まりきらない分を十一階層の森と十二階層の地底湖に分譲させてるし、それも後一月もすればいっぱいになって打ち止めになると思う」
「ダンジョンという環境とマッシュという魔物の特殊性が浮き彫りになってますね。びっくりです」
命尾が驚きを通り越して呆れている。
気持ちは分かる。
マッシュの性能最初に見たときからヤバいヤバいとは思っていたが、やっぱりヤバかった。
「そこんとこ、ダンジョンの参謀兼大将代理殿としては、どう思うわけ?」
グノーシャは調子を取り戻したらしい。
ちなみに命尾のことだ。
「なんですかそれ」
「何かあったとき、全軍の指揮をするのは君だろう?」
「それはそうですけど…マッシュの使い道ってアントと同じですよ?精々毒胞子がある分アントより使える程度で」
アンデット相手じゃ意味ないしね。
亡者の奴らはまともな肉体を持たない敵が多い。
ちゃんと肉体があって生物してるのはヘルドック系、術士系。
あいつらは魔物みたいな状態であると言うだけで、実際は生物かそれに近しい存在だ。
一方完全に無生物なのがスケルトン系、黒煙系。
毒や麻痺の類いが効かないばかりか、精神攻撃も効かないのだが、いわゆる神聖属性攻撃に弱い。
このダンジョンで使えるヤツなんていないけど。
あのタイプの術はシャンタルとかが専門だな、聖女だし。
「まあ、みんな真面目で、ちゃんと指示を聞いてくれるので、特に求めることはないですね」
「あはは。そこで戦力的な話じゃなくて指示の話が出てくる辺り、命尾だね」
指示がちゃんと通るのは大事だよね。
独断専行は何かと問題だ、場合によっては必要な所も含めて。
「命尾がいないとまともに全体指揮できる人いないからな」
ダンジョンマスターにあるまじき怠慢。
ダンジョンマスターに求められるのは指揮能力じゃなくて計画性だってそれ一番言われて。
「いいえ、人徳です」
「心を読んだ!?」
さ、さすがルティナ。
「有事に指揮するのと平時に纏まっている事は別なんですよぉ!!!」
「あ、ああ」
命尾が何か半分キレて、半分泣きそうになりながら勢いよく言った。
どうした命尾。
「このダンジョン協調性あるヤツばっかだもんねぇ」
「それも元を正せばマスターのシラキ君のせいだもん、やっぱりシラキ君はすごい!」
突然謎の賞賛を受けた件について。
リースのこのギャップの激しさよ。
「やっぱりマスターはすごい!」
「やっぱりシラキさんはすごい!」
「やシ凄」
「やめろぉ!お前ら俺で遊んでんだろ!!!」
この場にフェデラがいたら言うかも知れないし、まあリースもいいだろう。
だがグノーシャ、テメーはダメだ。
「えー本気で言ってるのにー」
「そうだな、本気で煽ってるんだな」
ちなみにそんなことを言っている横で、レフィルがあくびしていた。
300日目終了
シラキ・ヒュノージェ(愛原白木)
総合A- 攻撃B- 防御C+ 魔力量A 魔法攻撃A- 魔法防御B+ すばやさA- スタミナB スキルA-
スキル
ユニークスキル「結晶支配」
シラキ本人が結晶と認識している物を創造・変形・支配する能力。
その支配力は神が世界に対して行うソレに似ている。
ユニークスキル「共鳴」
"運命の欠片" No008,060,066,095
"運命の欠片"No008 スキル「滅亡の大地」
質量を持ち、空間と空間を繋げる闇を操る。
自身を中心に半径百メートルをダンジョンと同じ扱いにする。
自身が殺害した相手のマナを回収する。
"運命の欠片"No066 スキル「旅する小さな融合賢者」
ユニゾンを補佐する。
自身と相手がユニゾン技術を持たない場合でもユニゾンを可能にする。
また二人以上のユニゾンを可能にする。
保有マナ:1,107,860 (+3770/日)
ダンジョンの全魔物(有効数字二桁)
ボス:ソリフィス(lv10)
迷宮植物:
ヒカリゴケ9000、ヒカリダケ1300、魔草900、幻樹5000、枯果実の木70、魔物の木43、願望桜5
グループ:
大樹のケントロ(lv10)、グノーシャ(lv8)、ノーム10(lv6)、ノーム29(lv5)、ノーム30(lv4)、ノーム30(lv3)
レフィル(lv9)、アッシュウルフ112(lv5)、シルバーウルフ122(lv5)、グレーウルフ330(lv3)、
命尾(lv9)、フォックスシャーマン(二尾)32(lv5) (一尾)100(lv4)、ハウンドフォックス(二尾)30(lv4)(一尾)100(lv3)
リース(lv9)、魔術師30(lv6)、魔術師200(lv5)、見習い魔術師60(lv4)、見習い魔術師300(lv3)
ハースティ(lv9)、ソードホーク50(lv6)、ソードスワロー77(lv4)、100(lv3)
ライカ(lv9)、サンダーバード50(lv6)
カミドリ2(lv9)、氷孔雀40(lv6)、ブレイズバード40(lv6)、ランドアウル40(lv6)、アクアペリー40(lv6)
ビッグスノーマン(lv8)、ビッグスノーマン20(lv7)、イエティ80(lv5)、スノースクワラル300(lv4)
アルラウネ(lv8)、コカトリス10(lv7)、プランケティ10(lv7)、ギガバウム10(lv7)
ゴブリンヒーロー(lv7) 8(lv6)、ゴブリンシャーマン26(lv4)、ホブゴブリン46(lv4)、ゴブリン0(lv2)
コボルトヒーロー(lv8)、キマイラ4(lv6)、トロル10(lv5)
ヒポグリフ6(lv7)、グリフォン10(lv6)、グリフォン10(lv5)
ワイバーン2(lv8)
クイーンビー20(lv5)、ニードルビー3500(lv2)
クイーンアント20(lv5)、イートアント6300(lv1)
ドリアード5(lv6)、ドリアード100(lv5)
マッシュ250000(lv2)
フュートウルフ550(lv2)、フュートフォックス130(lv2)
人:
ルテイエンクゥルヌ
フェデラフロウ=ブロシア=フォルクロア
情熱竜ディレット=ヴィニョル
ダンジョンコア(lv4)
・ダンジョン内の存在からマナを回収
・ダンジョン内で倒れた存在からマナを回収
・ダンジョン内の眷属の強化
・魔物の召喚が可能
・ダンジョンの整備が可能
・複数の魔物をひとまとめに扱うことが可能
・補正の追加が可能
・動物族の眷属を追加で小強化
一階層
洞窟
迷宮
二階層
吹雪の山
三階層
幻樹の森
四階層
大樹の層
五階層
雲中庭園
六階層
中枢部 「コア」
個室 「シラキの部屋」「ルティナの部屋」「リースの部屋」「フェデラの部屋」
ダイニングキッチン
大浴場
保存庫
畑 「ドリアード本体」*105
七階層:罠満載墓地ダンジョン
八階層:迷宮型洞窟ダンジョン
九階層:迷宮型城塞ダンジョン
十階層:ゴーレム遺跡ダンジョン
十一階層:フールド型森ダンジョン
十二階層:巨大地底湖型洞窟ダンジョン
前回をおまけ扱いして、今回は早めに投稿。次回から、しばらく事件が連続します。