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異世界で小柄な女神様とダンジョン運営  作者: バージ
続くものと新しい者 ~取り残したものを拾い上げ~
21/96

元王女と天使と聖女

前回までのあらすじ!

第二階層整備、魔物召喚。

そしてシラキはフェデラに会うため、リーベックへ向かったのであった。

54日目

フェデラの宿


「つまり、フェデラの気は変わらず、と」


俺は手元の羊皮紙を見る。

それは契約に使う特殊な物だ。

値段も決して安くはなく、奴隷というものを手に入れるには何かと金がかかる。

そもそも養えなければ天使が頷いてくれないが。

天使というのは脅しも袖の下も効かないから最高に機能的だ。

人間じゃ万年掛けても絶対できないことだろう。

できたらもう人間じゃないだろうし。


羊皮紙の内容を要約すると、

1.フェデラの黒結晶を除去

2.最低限生活の保障

3.所有権の売買の禁止


こんな所だろう。

彼女達二人がしっかりと話し合って出した結果なら、俺が口を挟むことじゃない。


「分かった、そうするか」

「ありがとうございます」


ルティナは相変わらず部屋の中でもフードを被ったまま、フェデラとリゼリオは無表情。

俺も真顔だ、こういう時どんな顔すれば良いのか分からない。

事前に決めていただけに、今日の結果に戸惑うこともないが、慣れていないというのが実際の所なのだろう。


話が終わると、リゼリオが俺に向かって手招きする。

何だろうと思ってついて行くと、リゼリオは隣の部屋へと移った。

フェデラとルティナをさっきの部屋に残したまま、二人で向き合う。


「シラキ殿、フェデラ様のことだが」


今日の初めからだったが、リゼリオの様子からは敵対的な雰囲気は無くなり、一定の敬意をもっして接している様に感じる。

リゼリオが俺を疑うことを止めた理由は分かる。

おそらく、フェデラの目を信頼しているのだろう。

フェデラのユニークスキル「魔力の色別」は読心能力とは違うが、敵味方の判別は容易だ。

だが、フェデラが分かることを周りが信じるかは別の話。

俺に敵意が無いことを見抜いたフェデラを、リゼリオは信じた。

フェデラとどう話したのか分からないが、リゼリオが俺に険悪な目を向けてこないだけでもほっとする。


「フェデラ様が自暴自棄にならないように気をつけてくれ」


さすがにこの言葉には俺も驚いた。


「それは…」

「フェデラ様はすでに自らが生きることに何の意味も感じていない。生きる意志があれば助かるような時でも、今のフェデラ様では助からないかもしれん」


気付いていないのかと思っていたが、リゼリオはちゃんとフェデラを見ていたらしい。

確かに、フェデラにはそういった所があると思う。


「俺に何ができるかは分からないが、少なくともフェデラを簡単に捨てる気は無い」


生きる意志のない人間など、俺は出会ったことがなかった。

カウンセラーでもない俺にはどれほどのことができるかは分からない。


「そうか。……私ができなかったことを、押しつけてしまってすまない」


そんなことを言われるとは思っていなかった。

案外責任感があるのかもしれない。

いや、騎士としてはその方が正しいが。


「俺は好きで助けただけだからな」


俺が言ったのは事実だろうが、リゼリオは暗い顔をした。


「フェデラ様を守る騎士であるはずの私は、フェデラ様を助けられなかった」

「…人間一人でできることなんてそう多くない。リゼリオがいなかったら、とっくにフェデラは死んでただろうよ」


そう言って、元の部屋に戻る。

リゼリオの表情は暗いままだったが、仕方あるまい。

俺も苦しむ親友に何もしてやれなければ、似たような思いをするだろうから。









四人、宿を出て教会へ向かう。

教会はリーベック中心の広場、その一角にある。

この位置にあると言うことは、すなわち町の中でも重要な立ち位置にある施設であると言うことだ。

広い敷地の中心には大きめの建物があり、周りにはしっかりと手入れされているであろう庭がある。

俺も実物に詳しいわけではないが、西洋の教会と大きく変わるところは見受けられない。

せいぜい十字架がないというくらいだろうか。


この世界は、他の世界の宗教とは一線を画していると言えるだろう。

なんと言っても天使が実際に顕現し、目に見える形で現れる。

対立する宗教という物も無く、他の世界の宗教とは完全に別物だ。

いわばこの世界全体が手入れされた神の庭なのかもしれない。

そんな風に感じてしまうほど、この世界の一般常識がこの宗教を受け入れている。


フェデラと話し合ったときの微妙な気持ちも忘れて、少しだけワクワクしながら教会に入る。

フェデラに先導され、両開きの扉の片側を開けて中に入ると、中は思っていたよりも簡素な作りになっていた。

長椅子が列をなし、まちまちに人が座っている。

祭壇の横には、服装を見るに神父とシスターが二人。

シスターと思わしき女性二人は端の方で会話している。

俺が興味深げに見回していると、フェデラが先に神父に向かって歩き出す。

俺とルティナは、付き従うリゼリオの更に後をついて行った。


「神父様、契約を行いたいのですが」

「良いでしょう、こちらへどうぞ」


神父はこういったことはよくあるのか、慣れた様子で俺達を案内する。

シスター二人に好奇の視線を向けられるが、努めて無視。

背が高く体つきも良い中年の神父に、奥の客室の様な場所に通される。


「どうぞ、おかけになって下さい」

(そうですね、ですがその前に)


突然聞こえる声。

それはこの部屋の誰が発した物でも無い声だ。

俺からすれば慣れた念話だが、フェデラとリゼリオはかなり驚いている。


「まさか、レプス様!?」


神父が声を上げると同時、部屋の奥に天使が現れる。

真っ白な翼を持つ……兎。

人間と同じように二足歩行で、服を着て翼の生えた兎だ。

背が高くほっそりとしており、背筋はピンと伸びている。

神父と似た黒い服を着ていて、その身のこなしも合わせてなかなかスタイリッシュだ。

現れた天使に、神父だけでなく、フェデラとリゼリオまで膝を付く。


「ああ、皆様どうか楽にして下さい。そのようにかしこまれては落ち着いて話すこともできません」


レプスと呼ばれた天使は悠長に、演劇でもしているかのように話す。

三人は言われて立ち上がる。

俺はその流れをポカンとしながら見ていた。

もちろん棒立ちだ。

ちなみにルティナはと言うと、いつも通り自分からアクションを起こそうとはしない。

やっぱり俺の斜め後ろだ。

レプスはこちらに向き直り、深々とお辞儀した。


「さて、お久しぶりですルティナ様。そして、初めまして、シラキ様。私は天使の一人、名前はレプス。以後、よろしくお願いいたします」


なんて言ったら良いか分からないが、これだけは言わせてくれ。

天使って何だよ。

まさか兎が出てくるとは思っていなかった。


「っと、シラキです、こちらこそよろしくお願いします…ええと、何故俺の名前を?」


少々場の流れに圧倒されていた。

それにしても何で俺を知っているのだろう?


「あなた様の魂の輝き、一目見て分かりました。子細は存じませんが、ルティナ様と共に歩むにふさわしいお方であると」


レプスの大仰な物言いに、少々圧倒される。


「それは、どうも」


レプスの言動のせいで、演劇のキャラクターになったみたいだ。

そして何故俺の名前を知っているかは分からなかった。

とはいえ、ルティナの方のつながりから俺のことを知っていてもおかしくはない。

なんと言っても相手は天使だ。


「シラキさん、彼らは教会に持ち込まれた契約書は全て把握できるので…」


ルティナが俺の袖を引っ張り、教えてくれる。

書類にはフェデラ、シラキの名前は入っている。

多分ルティナは天使の目から見て一発。

そうでなくても、消去法で男である俺がシラキな訳だ。

まあ実際にそのような理由で俺の名前を知った、と決まったわけではないが。


(ルティナ様の仰る通り、我々天使はその役割を完遂するための能力を有しています。また、神々を見間違えることもありません)


レプスが念話で教えてくれる。

今まで聞いたこの世界の話では、天使はほとんど教会にしか現界しない。

また契約や加護と言った、言ってしまえば"決まった仕事"以外の行動は取らない。

つまり、必要以上に地上に干渉しないようにしている?


…何というか。

天使が自らで積極的に動くことなく、見守る立場にいる。

また、十分な能力を有している。

もし、子を見る様に見守り、ここぞと言うときにのみ手を貸してくれる。

そんな存在だとするなら、何とも安心感のある"保護者"だ。


なお、全て根拠のない希望的観測の模様。


「よくできている…?」


俺のつぶやいた言葉に、レプスは言った。


「お褒めにあずかり、光栄です」


俺の一言からどれほどの情報を読み取ったのだろうか。

アンジャッシュだったりして。


「さて、手間は取らせません。すぐに契約を結びましょう」


契約の準備には、ほとんど時間がかからなかった。

本当は書類を神父に見せ、問題なければ天使を呼び、天使が受け入れて初めて契約になるのだが。

ルティナがいたおかげでその三手間が一瞬で終わった。

神父も、フェデラもリゼリオも、俺達が天使に様付けで呼ばれることに驚いていた。


(王族でも天使に様付けで呼ばれたりはしません。ほとんど身元がバレてしまいましたね)

(え、それって大丈夫なのか?)


ルティナの念話に、俺が慌てて聞く。


(大丈夫ですよ、軽く口止めしておけば。よほどのことがなければ、天使やそれに様付けで呼ばれるような相手を敵に回したりはしませんし)


さいですか。

個人的には、偉いのは俺じゃなくてルティナであり、様付けされたくなかったのだがレプスは聞いてくれなかった。

契約自体もすぐにこの部屋で始まり、あっという間に終わった。

やったことと言ったら、お互いにレプスの前で契約を守ると明言しただけ。

まあ、それが誓い(ボウ)なんだろうけど。


「これからよろしくお願いします、ご主人様」

「…頼むから名前で呼んでください」

「分かりました、シラキ様」


うっ。

彼女に様付けで呼ばれると目眩が…。

とはいえ、自分でもフェデラにどう呼んで欲しいのか良く分からないが。


契約が終わるとレプスが羊皮紙を二枚持っていて、その片方が渡された。

渡された物とレプスが持っている物はどちらも同じ代物に見える。

いつの間にか羊皮紙をコピーしたのかも知れない。


「では、私はこれで失礼します。また会いましょう」


その言葉を残し、レプスは来たときと同じく唐突に去って行った。

目の前で体が薄くなっていき、最終的には跡形もなく消え去ったのだ。

天使の行動に驚きつつ、俺達も神父にあいさつし、教会を出る。


「リゼリオは確か国に戻るんだったよな?」

「ああ。恩人に事情を説明しておかなくては」


リゼリオは彼女達に手を貸していた宮廷魔術師に報告に戻るとのこと。

天使に恭しく扱われてしまったが、ルティナの言葉に従い口止めしておいたので、それで良かろう。

俺達のことは詳しいことは話していないし、特に問題はない。


リゼリオは俺達に別れを告げると、フォルクロアへと向かった。

方向的には、俺のダンジョンとは逆方向だ。

リゼリオと別れ、見納めに一度振り返ると、教会からさっき隅で話していたシスターの一人が出てきた。


「すみません!」


と言うかそのまま話しかけられた。


「ん?」


見てみれば、かなり年が若い。


「頼みたいことがあるんですけど、話を聞いてくれませんか!?」

「ああ、良いけど、俺達に?」


当然だが俺に彼女とは面識がない。

見た感じ、フェデラも特に知り合いというわけではなさそうだ。


「はい、あの、神父様が信用できると言っていたので」


おーい神父。

いや、別に良いけど。


「そうか、それで頼みって?」

「実は、人を探して欲しいんです」


教会の庭にある椅子に座り、シスターの話を聞いた。

聞いてみたところ、この町では結構大きな問題が起こっている様だ。

と言うのも、有名な聖女が依頼で出たまま帰ってこないらしい。


その聖女とは"槍葬そうそうの聖女"という異名を持つ、シャンタル=シューリッヒ。

若く美しい聖女で、冒険者ランクはA-。

金色の光を放つコルセスカを持ち、その対アンデット能力は人類でも最高クラス。

今リーベックに住んでいる亜人族の中で最も冒険者ランクが高い人物らしい。


シャンタルが受けていた依頼というのは、町が主導するダンジョンの調査だ。

最近魔物が異常な動きを見せているため、騎士数名に同行し付近のダンジョンへと調査へ向かったとのこと。

しかし本来五日で帰ってくるはずが、予定を丸一日すぎても帰ってこない。

町の上層部はこの事態に結構緊張しているらしく、事態の調査の依頼を追加で出すらしい。

数日経っても帰ってこなければ、冒険者と騎士合同の、それなりに大規模な調査団を派遣するとのこと。

そしてその前に身軽な冒険者に先行してもらいたい、と。

それを俺達に頼みたいというのだ。

そんな相手を勝手に決めて良いのかという話だが、教会は町の中でも大きな力を持つ上、聖女は教会の所属だ。

教会にも結構な決定権があるのだろう。

天使の態度から俺達の信用はかなりある感じだが、それにしたって話が軽い。


……何か巨大な組織の膿の一端、もといいい加減な部分を見たような気がした。

しかし人々全体のモラルの最低ラインが高ければ、そのような組織構造でも問題は起こらないのだ。

某国みたいに下水から食用油を作ったり、危険な化学物質が放置されてたりしない訳だな!

ありがとう神様天使様。

……ハハハ。


で、依頼というのはその調査隊の安否の確認、及び情報収集である。

安否の確認ができれば良し、できなくても情報を後続の調査団に報告すること。

報酬はそれなりに出る。


俺は内容を確認し、シスターから離れて相談する。


「で、二人はどう思う?」


聞いてみたら、フェデラは悩むそぶりすら見せずに即答した。


「私はどうであれシラキ様に従います」


フェデラよ。人、それを丸投げという。

フェデラをジト目で責めるように見つめる。


「………私としては、受けても問題ないと思います。"普通の"冒険者としては、教会に接点を持てる訳ですし」


答えてくれた。

フェデラの判断は、冒険者という判断基準においてそれなりに信頼できる。

折角冒険者として何年もやってきた人がいるのだから、その人の意見を聞かない手はない。


「なるほど。ルティナは?」

「シャンタル=シューリッヒが死亡した場合、人類としては結構な痛手ですねぇ」


ルティナは微妙な表情をして言った。

これは多分終末において、勝敗に大きな影響を与えるほどではないが、局地的には影響があると言うことだろう。

先に起こる終末を見据えれば、実力者の死は避けるべきだ。


「それじゃあ、受けることにするか」

「リゼリオを呼び戻しますか?」

「いや、大丈夫」


シスター個人なのか教会組織なのか、どっちからなのか良く分からない依頼を正式に受け、情報収集に移る。

向かう先は冒険者ギルドだ。

ダンジョンの情報は、大抵冒険者ギルドで買える。

ダンジョンの正確な位置や出てくる魔物など、知っておくべきことは多い。


ちょいちょいと調べたところ、向かう先はリーベックから歩いて二日ほどの距離だ。

俺のダンジョンからも方向が近いので、そちらに寄ってから向かうことにする。

人捜しにはちょうど良いので、命尾を連れて行きたい。

人型だしリースも連れて行ってみたい。

しかし、懸念事項はある。


フェデラとリースは純後衛。

命尾も後衛。

俺は後衛メイン。

前衛不在の恐怖。


移動にソリフィスとグリフォン達を連れて行くので、前衛はグリフォンに丸投げすることにしよう。

…しかし、そもそも戦力は足りるのだろうか?

シャンタルの冒険者ランクはA-、騎士達はC+程だと言う。

戦力としてはそれなりだ。

それが帰ってこないとなると、それ以上の戦力が待ち構えているという可能性もある。

ソリフィスとグリフォン達がいればそうそう負けることは無いと思うが…。

それに移動の問題もある。

ソリフィスには二人乗れるから後ろにフェデラを乗せるとして、リースと命尾はどうしよう。

果たしてグリフォンに乗れるのだろうか?

俺の時はソリフィスに乗れるようになるまで結構時間がかかった。

……いや、普通に考えて無理じゃね?

いくらグリフォン側が気を遣ってくれると言っても、初めてで動物に乗れるとは思えない。

しかも飛ぶし。

なら、陸路ならどうだろう。

…どうせ聞いてみないと分からないし、ダンジョンに付いてから決めよう。










シラキのダンジョン南東

"大樹"のダンジョン上層


ダンジョン、大樹。

巨大な大樹はそれ自体がダンジョンであり、内部や枝葉の上に魔物が住み着いている。

幹の中、あるいは枝と葉によって構成された迷宮であり、世界的にもポピュラーなダンジョンだ。

出現する魔物は昆虫族、動物族、幻獣族などが中心。

その構造上トラップの類いは少なく、丸太や落とし穴などが少量存在している程度である。

大抵は森に存在し、周囲の魔物の発生源にもなっている。


そんな大樹の中のある広場で、飛び回る黄色い鳥。

その鳥の背中から、槍が飛び出した。

装飾されたコルセスカが、黄色い鳥の胴体を貫通したのだ。


「キェャアアアアアアアアッ!!!」


甲高い叫び声を上げ、その体からバチバチと電撃が走る。

しかし、その電撃が貫いた者を傷付けることはない。

最後の反撃も効果を成さず、サンダーバードは崩れ落ちた。

周囲には、同じように複数のグリフォンの死体が転がっている。


「ふうっ…まさか、こんな所にまでサンダーバードが……どうも、本当に何か起こってそうね」


コルセスカを引き抜き、横薙ぎにして血を払ったのは、今はリーベックに住む聖女。

"槍葬の聖女"シャンタル=シューリッヒ。

その体は返り血を浴び、その顔にはわずかな疲労が浮かんでいる。


「しかし、もう死神が…いったい何故……アレはまだ弱い方とはいえ……」


シャンタルは周囲を警戒しつつも考えを巡らせる。


「戦ったら……ダメ、殺されて終わる。今は、何とかここから脱出しないと」


上を見上げると、先ほど自分が落ちてきた穴は、すでに閉じてしまっている。

数少ない罠であるはずの落とし穴にはまったのは、果たして幸か不幸か。

広場を見わたせば、別の場所へ続いているだろう道が三つ。


「脱出が早いか……私が殺されるのが早いか」


シャンタルはほんの少しの間だけ、どの道を進むか考える。

そしてすぐに一つの道に進み出す。


「リーベックの実力者を全て動員すれば、あの死神も殺せるはず。……教会のみんな、クロウズのみんな、義の神。私をお守り下さい」


聖女は気の向く道を進む。

それはタダの勘か、あるいは偉大なる者の加護か。

そしてシャンタルの立ち去ったしばらく後。

全身を黒い鎧に包んだ何物かが訪れる。

黒い鎧は広場の中心でしばらくの間立ち止まり、そしてシャンタルが進んだ道へ歩き出す。

黒い鎧、魔物レベル11、"滅亡の大地"は、鎧の音を鳴らすこともなく進んだ。












54日目終了

シラキ・ヒュノージェ(愛原白木)

20歳 身長170cm 体重62kg

総合B 攻撃C- 防御C- 魔力量B+ 魔法攻撃B 魔法防御B- すばやさC+ スタミナC+ スキルB-



スキル

   ユニークスキル「結晶支配」

     シラキ本人が結晶と認識している物を創造・変形・支配する能力。

     その支配力は神が世界に対して行うソレに似ている。


   ユニークスキル「共鳴」




フェデラフロウ=ブロシア=フォルクロア

17歳 身長159cm 体重40kg

総合C 攻撃E 防御E 魔力量B 魔法攻撃C+ 魔法防御C+ すばやさE スタミナD スキルB

(スキルがB- → B)


 

人間族・フォルクロア

   「呪いの縁者」

     周囲のランクB+以下の呪いの発動を無効化する。

     すでに発動している呪いには干渉できない。


スキル

   ユニークスキル「魔力の色別」

     魔力の流れから対象の精神状態や感情を読み取る。

     また、魔力量、魔法力、魔法の習熟度など、魔力に関する様々な情報を読み取る。

     人間以外には効果が減衰する。

     またフェデラ自身のスキルレベルを超える実力を持つ者には通用しない。




保有マナ

3,108


ダンジョンの全魔物

ボス:ソリフィス(ヒポグリフ)

迷宮植物:

    ヒカリゴケ4400、ヒカリダケ550、魔草440、幻樹5000、魔物の木1、願望桜4

グループ:

    レフィル、ウルフソーサラー10、グレーウルフ18、ハウンドウルフ15

    命尾、フォックスシャーマン12、ハウンドフォックス10

    リース、見習い魔術師15

    グリフォン4

    ゴブリンヒーロー1、ホブゴブリン4、ゴブリンシャーマン13、ゴブリン49

    ドリアード5

    バウム20

    クイーンビー1、ニードルビー20

    マッシュ40

    リザードマン4

    クイーンビー1、ニードルビー10

単体・その他(能力順);

    コボルトヒーロー1


野良・その他:

    ゴブリン13、ホブゴブリン1、コボルト5、コボルトロード1、ハウンドウルフ19、インプ5、グリズリー1




一階層

洞窟・迷宮


二階層

幻樹の森


三階層

更地


四階層

更地


五階層

コア、個室2、ダイニングキッチン、大浴場、保存庫


次回予告

シラキがシャンタルを見つけるのが先か。

シャンタルが死ぬのが先か。

あるいは、シラキもシャンタルと共に殺されるか。

そんな話の前半。

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