表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

保管庫

Mirrors

作者: 本宮愁

[Prologue - zero -]


『好きだよ』


 幾らでもこの口は嘘を紡いできた。

 けれど鏡のような君の双眸は、真実しか映してくれないように思えて。


 抱いた感情に、名付けたくはなかった。偽りでない、ソレはまるで、――無数に囁いてきた『嘘』そのもの。


 形にすることで、壊したくない。変えたくない。

 だから俺は、その感情オモイの名を未だに知らない。

 知りたくないと、願う。


 嘘で固めた自分。自分に限りなく似た他人。

 まるで、鏡の中の虚像ニセモノ。でもきっと、どちらが現実ホンモノなわけでもない。


 誰かを映して初めて、俺達は生まれる。

 俺達は、存在できる。


 単体では存在しえない『俺』と『君』。誰かを映して形を得る。決して自らの姿を知ることはない。

 ――筈、だったのに。



 あの日、俺達は互いに、鏡に移った自分自身に出会った。



 出会って、しまった。真に限りなく近い虚に。

 ソレは、存在しない筈の自分を確かに捉え、映し、形を与えた唯一の鏡だった。


 思わず差し延べた手の理由は、何?


 君という鏡に依存し、溺れながら、知る事に怯え、感情ココロを封じてまでも繋がり続ける。

 その関係の名を、俺は知らない――知ることは、ない。


 きっと、ずっと、……。




[Prologue - blank -]


『大嫌い』

 口にすれば、感情ココロなんて酷く単純。真実も、嘘も、生み出すのは容易い。

 ……でも、何か違って。


 本心から、君が嫌い。(でも、それは自己嫌悪)

 本心から、君は大切。(でも、それは自愛)


 鏡合わせの迷宮。傷を舐め合うように、私達は過ごす。癒しも、救いも、求めない。


 君がいれば、生きてゆける。君がいるから、存在出来る。


 依存の海。溺れる二人は、互いを知らない。


 私達の世界。私達の唯一。

 失えば壊れてしまいそうな、脆い精神ココロを抱いて。

 創り上げた楽園エデンを壊すモノは、自分自身であろうと赦さない。


 だから、何も知らない。知ろうとしない。


 やっと見つけた、この居場所セカイ。紛い物でも構わない。正しさなんて求めない。


 始まりの感情オモイ。差し延べられた手に縋った、その理由。

 芽生えたモノなんて知らない。知りたくなんて、ない。



 ――だってそれは、私達の世界アンソクを揺らがすモノ。



 理解すれば、総てが変わる。崩れる。なら、知らない。消えてしまえばいい。

 私達の関係の、その理由なんて。




[ep.1*blank_1]


あの日、東京は雨だった。


――――― "BLANK"Side ―――――


 久方振りの本降りに見舞われた首都は、多くの人で溢れかえっていた。

 渋滞で足止めされた車の列。それを縫うように走るバイク。……流石に、今日ばかりは自転車を見かけることはない。

 そして、歩道を埋め尽くす程の人、人、人、――普段であったなら、まず間違いなく憂鬱になるような光景。

 しかし、幸か不幸か今現在、精神状態は正常には程遠かった。


 行き交う人の波を逃れ、路肩に座り込んでどれだけ経ったか定かでない。

 どこかの店の軒先を借りるでもなく、氷のようなアスファルトに直接腰を下ろしていたせいで、既に全身の感覚が遠い。

 勢いよく落下した雨粒が、地面に溶け込む前の最後の抵抗とばかりに跳ね上がっては、通行人の足元を濡らしてゆく。

 そんな様を眺めていると、すぐ目の前を通り過ぎた靴が水溜まりを踏んだ。――濁った水が顔にかかる。

 濡れた感触が、頬を伝って落ちた。人に興味なんてないから、わざわざ顔を見るなんて無駄なことはしない。宙空を漂う視点を動かす気すら起きない。

 ……当たり前だ。

 だって、その靴も一瞬の乱れすら感じさせない足取りで去って行った。きっと、持ち主は水溜まりを踏んだことなど知らない。ましてや、視界の片隅にずぶ濡れで座り込む存在なんて。


 そのまま、拭いもせず緩慢にくすんだ重い空を見上げれば、すぐに新たな雨水がそれを洗い流していった。

 同時に、目に入った雫が流れ出す。

 涙なんてモノはとっくの昔に枯れ果てた筈だから、きっと雨粒だろう。

 凍り付いたような無表情のまま、思わず口元だけが微かに自嘲じみた笑いを浮かべた。


 寒い日だった。大都会を吹き抜ける風は冷たい。雨も、冷たい。

 容赦なく体温を奪っていくそれらから逃れる為に、人々は一心に足を動かす。

 彼らには、きっとその帰りを待つ暖かい家と、家庭があるのだろう。それぞれの荷物を抱えながら自宅に思いを馳せて、一秒でも早く温もりを感じようと足早に通り過ぎていく。


 私に目を止める人間など、いない。いる筈もない。誰ひとりとして。


 存在すら認知されない。それでいい。下手に救いの手を差し延べられるよりかは、余程ましだ。

 温もりなんて要らない。この寒さが心地良い。

 そのうち、身を裂くようなこの風が、私の命を掻っ攫ってゆくだろう。身を凍らせるようなこの雨だけが、その密かな死を悼むだろうか。


 嗚呼――、なんて相応しい最期。

 それだけを待ち望む。


 私には、行き交う人々のような帰るべき家はない。私を待つ家庭も、自らの持つべき荷物さえも。

 どうせ、何もかも必要のないモノ。

 あとは唯、このくだらない人生の終幕を待つだけだから。




[ep.1*zero_1]


あの日の衝動、その名を俺は知らない。


――――― "ZERO"Side ―――――


 アスファルトを穿つ雨粒。狂ったように啼く風。

 大都会で人間を自然が翻弄する様を見るのは、愉しい。歪んだ自分自身を肯定された気分になる。


 世間一般の『普通』の枠には入れない事を知っているから、それを破壊するような自然現象はお気に入り。

 だって、俺みたいなのにも、いっそ冷酷な程平等に接してくれる。俺が俺でも、他の誰であっても。――それが、いい。

 敵じゃないけど味方じゃない。十分だ。


 味方面なんてされたって、邪魔なだけ。いつ裏切るかも分からないし、第一面倒臭い。

 かといって敵になられたって困る。しなくていい苦労をする羽目になるなんて、真っ平御免。

 だから、敵でも味方でもない中途半端。それがベスト。


 遠くに知り合いの影を見た。

 叫ぶなんて真似はしない。程々の距離に入れば、適当に声を掛けて、当たり障りのない会話をして、それで終わり。

 確か、ドライな関係を好む奴だったと思うし、そんな感じでいいだろう。向こうから話を振られれば、また別だけど。尤も、最初からそんな面倒臭そうなのと関わろうとは思わないから、余程のことが無ければそのパターン。


 ああ、目が合った。片手を上げて愛想笑い。後は予定通り。軽く言葉を交わして別れる。

 あっさりした奴は、嫌いじゃない。好きとは言わないけど、楽でいい。


 自分が歪んだ価値観の持ち主だと、知っている。自覚しているからこそ、周りに歪んだ存在として見られたくない。

 だから今も、周りに溶け込むように、他者の望む自分を作る。


 ――そうだな、少し物鬱げに、この天候を欝陶しいと思いながら、でも無表情。足早に進むくらいでどうだろう。

 本当は、別に早く帰りたいとも思わないし、雨は嫌いじゃないけれど。


 でも、「帰りたくない」わけでも、「雨は好き」なわけでもなくて――尋ねられたところで、俺は好みなんてきっと何一つ答えられはしないだろう。

 だって、俺に意思なんて存在しないから。

 演じることに慣れすぎて、いつの間にかそれが自然体になった。見てくれだけ繕った、空っぽの存在。忠実に、他者の理想を現実に映す。そこに自分自身は存在しない。


 まるで鏡。

 無。それこそが、俺。


 アスファルト上の水溜まりを器用に避けて、道行く人々に埋もれるように歩く。欠片も『異常』を感じさせない。

 だって、そうだろう? 普通を映した俺が、普通以外の何だって言うの。


 嗚呼、なんてくだらない。そして酷く愚かしい。幾つもの仮面を被り続けた結果、素顔を失うだなんて。

 それでいて、仮面は仮面だって自覚しているんだから性質が悪い。


 溜め息を一つ零して、天を仰いだ。

 安っぽいビニール傘越しに見た空は、暗く、くすんだ雲に一面を覆われている。

 世間一般の人とやらはこの空を見て、『悲しそう』だとか、感じたりするんだろうか。確かに、その時の空は泣いていたように思う。でも、どちらかと言えば俺には――。


「! うわっ……」


 不意の突風に煽られ、慌ててつぼめた傘の骨は随分曲がっていた。

 早々に修復を諦めて、近くのコンビニ前に放置する。所詮、安物だし。細かくマナーを気にするような聖人はなかなかいないものだ。


 どうせ、もう随分濡れてしまった。今更深く気にすることもないだろうと、そのまま歩き出した。

 今日の雨は突然だったから、雨具を持たない人も多いし、さほど奇妙な目では見られないだろう。


 一人でいると落ち着かないけど、特定の誰かといても休まらない。そういう性だからしょうがないけれど、たまに意味も無くこうして出歩く。

 今回もそのつもりだった。手ぶらで不審がられない程度に近所をうろついていたら、この様だ。

 いい加減帰ろうと、自宅の方向へ踵を返す。


 一人で過ごす時、映すべきものを見出せない俺は、わかりもしない癖に本来の自分に戻ろうとする。『素』とでも言うのだろうか。

 結局、見つからないから、無表情で無感情な人形みたいな存在になる、――らしい。

 一人で鏡を覗いたって、そんな自分を見ることはないから、本当のところは知らない。


 でも、その様を見た奴は、揃って俺をこう呼び出した。

 ZERO(無)、と。


 他者のいる場所で現れることはない。その存在を意識した段階で、また『俺』という仮面が作り上げられてしまうから。

 だから俺は、ZEROを知らない。そんな自分を知らない。

 きっと、言うなればそれは俺の中の鏡そのもの。本質であり、無。存在しないからこその、存在。……だったのに。


 ――見つけた。

 ZEROを、他者の中に。


 もう一つの鏡。それ以外に何と言い表そう。単純に言えば惹かれた。でも、それは彼女という存在ではなく、その瞳に。

 その中に、無表情で固まる自分を、見つけたから。


 路肩にあった、強く、空虚な瞳。すぐ側にいたのに、視線がかちあうまでその存在を全く感じなかった。

 けれどその瞬間、悟った。

 嗚呼やはり、今日の空は泣いていた。心の底からの歓喜に。

 空は泣き、風は啼いた。この存在を、この出会いを、予見して。


 目が合った。それだけだった。けれどそれこそが、呼吸を忘れるほどの衝撃をもたらした。


 見つけた。同時に、見つけられた。

 存在しないはずの自分。何もない空間にぽつりと浮かぶ、無数の仮面の集合体のような。彼女の双眸を捉えた瞬間、その自分が存在することに気付いた。……気付かされた。

 そしてそれが、酷く虚無なものだということにも。


 音が消える。忙しない往来の生み出す騒音も、アスファルトを跳ね回る滴の足音も、激しく唸る風の音さえも。

 静寂に溶けて、遠ざかる。何もない世界に取り残されたような錯覚を覚えるほどの、無音。


 この世界には俺と、目の前の彼女しかいない。今まで出会った誰も彼も、自分自身でさえ見つけ出せなかった存在を、容易く捉えられた鏡の持ち主。

 気がつかぬ間に、違う世界に足を踏み込んだような。いいや、そうじゃなくて。一歩も進んでなんかいない。立ち止まった、だけ。

 互いの存在に戸惑って、誰もが時間の流れに任せて無意識に踏み出すはずの足を止めた。そして、世界ごと進む他の人々との間に果てしない距離が開いてしまった。


 取り残された二人に残されたものなど何もなくて。果てしない無。ぽっかりと浮かぶ空白。

 けれどその中で、未だ『俺』は存在していた。仮面を剥ぎ取られた衝撃から立ち直れぬまま、呆然と立ちすくんでいた。


 それは一つの世界だった。2つの眼差しが交錯したその間だけに生まれた世界。俺と彼女、二人だけの、唯一、全ての仮面を剥ぎ取った自分が存在することを許された場所。


 路肩に座り込んだ少女と、その傍らに佇む青年。無言のままただ只管に視線を交え続ける。それは、傍から見れば異様な光景だったことだろう。

 けれど、行き交う人々の誰一人として、俺達に目を留めることは無かった。精一杯今を追う彼らの視界に、立ち止まったちっぽけな二つの存在が認識されることは、ない。


 ようやく意識が覚醒したのは随分経ってからで、ましてやこの口が言葉を紡ぐことを思い出した頃には、全身余す所無く雨水に侵され、すっかり濡れ鼠になっていた。

 ちょうど、目の前の彼女と同じように。


 震える唇がやっとのことで思いを形にする。


「はじめまして、――」


 『俺』。囁くように発した言の葉、その宛先は『目の前の自分』。




[ep.1*blank_2]


強いて理由を上げるならば、冷たい手。


――――― "BLANK"Side ―――――


 遠退きつつある意識と、雨風が身体から熱を掠め取っていく感覚に、人生の終幕が近づきつつあることを悟った。

 そっと胸の内に歓喜を抱く。身動き一つしないように努めて、僅かな体温の上昇をも防ごうとしてきたのは、少しでも早くその時を迎える為。


 オワリの足音が、迫る。

 人波に潜みながら、一定のペースで刻まれるカウントダウン。

 もっと、もっと早く……。ほら、もう一歩。あと一歩を、頂戴。

 私を連れ去る死神は、誰?



 虚ろに彷徨っていた視線が一点を捉えた時、目前で足音は消え去った。私を看取る筈だった風の声や雨音さえも、道連れにして。


 残されたのは、二人だけ。

 びしょ濡れのまま、目前に佇んだ青年。時間すらも忘れて、霞みだした視界に映るその瞳に魅入った。

 何て無機質で、虚ろ。人好きのする笑みとのアンバランスさが相俟って――微かに、同族の匂いを漂わせる。


 やがて口を開いた彼は言う。


「はじめまして、――」


 その先に続くであろう言葉を、知っていた。宛て先は私で、私でない。初めから『相手』なんて見てはいない。『自分』に宛てた、届かぬ言の葉。

 だって、私も同じだから。


 ――はじめまして、『私』。でも、

 サヨウナラ。


 無言で別れを告げた直後、私達の世界は崩れ落ちた。音が舞い戻る。

 でも、そこに終の足音は存在しなかった。


 じわりと沸き上がるのは、絶望。どうして。私に安らぎを届ける死神は、どこへ消えたというの。


「何してるの?」


 目の前に存在するのは、標準的な表情と声音を装備し、あの瞳の虚ろさすらも仮面の向こうへ追いやった、『普通』の青年のみ。


「君、生きてる?」


 彼は最早、私を揺さぶる存在ではない。先程感じた微かな匂いなど断ち消えた。

 問い掛けを全て遮断し、失望のままに瞼を下ろす。

 今度は万が一にも誰かと視線の交わることの無いように俯いて、もう一度、終の訪れを待つ。



「――嗚呼、死にたいの?」



 小さく響いたその声音に、弾かれたように顔を上げる。――全身に、戦慄が走った。

 別人のような無表情。怒りも悲しみも同情も、いかなる感情も含まない声。あの、酷く虚ろな瞳。


 消えていた匂いが、突如濃密に薫る。


「どうして?」


 そう言って彼はまた、笑う。

 無害な好青年のように。異質さの欠片もない、どこにでもいる人間のように。

 その事実こそが、何よりも異質だった。


 これは、誰。くるくると色を変える、この存在は何。

 怖い。何よりも、彼の瞳の中に違和感なく収まる自分自身が。歪みきった何かを前にして、微塵も嫌悪感を抱かないどころか親近感さえも覚えた、『私』という存在が。


 死にたい。死んでしまいたい。今すぐ消えてしまいたい。

 こんな異質さはいらない。この世界に、この社会に、イラナイ。


「答えてよ。……あ、声出ないとか? ひょっとして聞こえてない?」


 本気で、私を案じるような声色で、表情で、彼は何を思うのだろう。

 『私』など見てはいないくせに。『私』という存在に欠片の興味も持たないくせに。


 真っ直ぐに向けられる、その瞳が本当に捉えているのは、私の探し求めたモノ?

 見えているの、貴方には。存在しているの? 本当に、ソレは、――いや、わかっている。

 ソレは、かつて私の求めたモノは、存在しながらも空虚だった。掴めなどしない、空っぽのナニカ。不確かな形で浮遊し質量を持たない。


 その空白を、埋める術を知らなかった。欲した。手に入らないことを悟った。今では存在の有無すらも、知りえない。……知りえなかった・・・

 視線の交わる瞬間、あの時悟らされた。

 『未だソレは存在する』。

 存在する。存在しながら、存在しない。なんて矛盾。なんて異質。


 だから。誰かと関わる気などない。異質さを思い知らされたくなど、ない。

 願わくは、この正常な世界からの離脱。

 それだけを、ただ一心に求む。求めて、来たのに。



 気がつけば、彼の言葉に応えていた。


 どうして、他の何より正常からかけ離れたその存在を、自らの望みの成就を妨げる存在を、拒絶できなかったのだろう。



 無言のまま、静かに首を左右に振った私に、その異質な青年が何を思ったかは知らない。


「このままここにいれば、死ねるだろうね」


 にこやかにそう告げた後、彼は動いた。

 そっと、野良猫にでも差し出すかのように、伸ばされた腕。

 あまりにアンバランスな言葉と表情は、初めて表面に押し出された、稀有なまでに紛れもない異質さ。

 そして、私に伸ばされる腕は、今までのどんな言葉より、表情より、自然で、正常なもの。


 私の最も拒絶するものと、唯一求めるものを、併せ持つ青年。

 どこまでも似通った、けれど僅かながら確かな差異を持つ鏡の中の自分。


 目の前に浮かぶ彼の手に、やがて釣られるようにして体が動く。

 緩慢な仕草で持ち上げた腕を、彼は表情一つ変えずに見下ろしていた。



 どうして、その手を取ろうと思ったのか、分からない。

 ただ、恐る恐る触れた指先から伝わったゾッとするような冷たさが、しっかりと手を握る決心を固めさせたのは、確かだったように思う。



(温もりなど、求めない。癒しも、救いも――……終を投げ出してまで求めるものがあるとすれば、それは)


(共に堕ち、腐り、果ててゆく運命共同体……だったのかも、しれない)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 本宮愁さま   感想を読んだことがあります。その心地よさに魅かれ、いったいどんな作品を書く人なのだろう。そう思い、いくつか気に入った作品を見つけた中から『Mirrors』に感想を書かせてもら…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ