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悪臥【あくが（ぐわ）】
目覚めると、夢の中に入る前、ベッドの上にあったはずの布団は全て床に落ちてしまっていた。どうやら、悪夢にうなされて寝返りを繰り返す内に、自然と落ちてしまったようだ。
私は床に落ちた布団を見ると、やれやれと頭を掻いた。
「私は決して、悪臥な人間ではない。それは自分が一番よく知っている。だからこれは悪夢のせいだ」
自分にそう言い聞かせ続けてきて、もう、何年になるのだろう。二年は軽く超えてしまったのではないのだろうか……。
思いながら、私は朦朧とした意識の中、二年以上見続けてきた悪夢を――あの日の惨劇を、思い出してみた。
悪臥【あくが（ぐわ）】
寝ぞうが悪い
例「彼は悪臥だ」
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