第1話 転生
※本作は「小説家になろう」「カクヨム」にも同時投稿しています。
俺は……死ぬのか?
テレビの音が遠くに霞む。
「本日午後、千葉県の日本工科学大学の実験室で爆発が発生し、学生1名が行方不明となっております。現在、警察と消防が現場で捜索を続けています。現場は立ち入り禁止となっており、付近の建物にも被害が出ている模様です。続報が入り次第お伝えします。」
「続報です。現場では、実験室内に保管されていた化学物質の爆発により、ガスが発生して引火した可能性があるとみられています。現在、警察と消防が——須藤悟を探しています」
……それは、まさしく俺自身のニュースだった。
実験台の向こうで、試験管が破裂した。隣のガスボンベが唸り声を上げ、炎が跳ね上がる。
俺が握っていたバーナーの火が、一瞬で青白く膨らみ、視界を焼き尽くした。
逃げる暇もなかった。
熱が、皮膚を、肉を、思考までも溶かしていく。
身体が崩れる感覚だけが現実で、それ以外はもう音も匂いも消えていく。
(俺は……死ぬのか?
まだ、化学でやりたいことが山ほどあったのにな……)
光がすべてを包み込む。
炎の色が、ゆっくりと金色に変わっていった。
目が覚めた……!?
目が覚めた!?
「はぁっ!?」
肺が悲鳴を上げるように空気を吸い込む。
焦げ臭さも、煙もない。
熱も痛みも消えて、頬を撫でるのは柔らかな風。
見上げれば、空。
澄み切った青の中に、見たこともない巨大な月が浮かんでいる。
「……え、外?いや、ここどこだよ……」
立ち上がると、足元の草が音を立てた。
それだけで現実味が増して、逆に怖くなる。
爆発も、炎も、ニュースの声も――全部、夢だったのか?
いや、違う。
俺は確かに死んだ。
焼ける痛みも、光の感覚も、鮮明に覚えてる。
その時、頭の中に声が響いた。
【転生ボーナススキル:魔力量9999を取得しました】
「……は?」
理解が追いつかない。
けど、科学の人間はまず観察からだ。
見知らぬ空、見知らぬ草原、そして……頭の中で勝手に喋るシステムボイス。
どうやら本当に、俺は死んで――別の世界に来たらしい。
どうも皆さんklamです
第一話 転生 どうでしたか?
ここから物語が始まっていきますね
現代技術チートをお楽しみにあれ




