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第二話

新学期早々、山登りをする羽目になった俺、津田唯斗とギャル、花田夢華は、なんとか諸々の目的を達成し、下山に成功した。

山を降りる頃にはすっかり日も暮れていて、俺だけ帰るのも気が引けたので、夢華を駅まで送り届けてから帰宅した。


その後、何日かの平日をやり過ごし、ようやく休日を迎える。

この間、ゴミ仲間グループLINEでも会話を交わし、文面上では福森さんとも打ち解けているように見える。

そして今日は日曜日。毎週やっていることではあるが、今日のゴミ拾いには少しだけ緊張していた。

夢華もいるし、福森さんともチャットではうまく話せているはずだ。

それでも落ち着かないのは、普段人に見せない“ゴミ拾いしている自分”というプライベートな姿を見られることに、妙な気恥ずかしさを感じているからだと思う。


準備を終えると、約束の時間まで少し余った。

特にすることもなく、そわそわと時間を潰し、ようやく出発する。

ひとまず夢華と合流だ。俺は自転車を駅まで走らせる。

高松駅前の親切な青鬼くん像で待ち合わせをしていると——


「お待たせ〜」


派手な格好をしたギャルが一人、こちらに向かってくるのが見えた。

休日仕様だからか、普段よりさらに華やかな見た目で、服も私服なせいか一瞬誰だかわからなかったほどだ。


「夢華……その格好で山登るの?」


「いやいや、これはギャルにとっての戦闘服だから! 休日に人と会うのにオシャレしないわけないじゃん!」


「山を舐めてると蜂に刺されるぞ。めっちゃ肌露出してるし」


「ちょっと、どこ見てんの? エッチ!」


「見てねぇよ!」


童貞をからかうのもほどほどにしてほしい。

見た目こそ派手で一瞬戸惑ったが、中身はいつも通りだ。

こうして無事合流した俺たちは、地下駐輪場に停めてある自転車にまたがり、峰山へと向かった。



「なあ、この前めっちゃしんどそうだったけど、大丈夫なのか?」


「別に大丈夫! 前は久しぶりだったけど今回は二回目だし、余裕余裕!」


「ゴミ拾いの場所は頂上じゃないし、途中まででもいいんだぞ?」


「あっ、それハブるつもりでしょ! この前、私ほったらかしてフックーちゃんと喋ってたの、まだ根に持ってるんだからね!」


「喋ってたっていうか、ちゃんと話があったからだよ。夢華が邪魔だっただけ」


「はい今、邪魔って言った! 怒った! もう置いてくからね〜! 今度は唯斗がハブられる番だよ〜ん!」


そう言って坂道を駆け足で登っていく。

だが、この勢いはすぐにしぼんだ。


夢華のテンションは、登山口を越えたあたりから目に見えて落ちてきていた。

それまでは「余裕〜!」と笑っていたのに、気づけば息が少し荒い。

俺の方を見て強がったように笑うけど、その額にはじんわり汗がにじんでいる。

さっきまでの勢いはどこへやら、歩幅も少しずつ小さくなっていた。

それでも意地を張って前を歩き続けるあたり、らしいといえばらしい。


頂上に着く頃には、夢華はすっかり動かなくなっていた。

仕方なく俺がインターホンを押す。


『は、はい。福森です』


「あ、福森さん? 津田だけど、今から行ける?」


『りょ、了解です。少々お待ちください』


前回と違い、福森さん本人が応答してくれた。

彼女も、変わろうと頑張っているのかもしれない。

ドア越しに深呼吸する音がして、ガチャリと扉が開いた——

あれ、このドア外開き?


「うぉ、痛っ」


ドアの目の前に立っていた俺と、開いたドアがもろにぶつかる。

そうだった。普通、玄関ドアって外開きだ。福森さんを待ち侘びるあまり、近づきすぎていたらしい。


「あっ、ご、ごめんなさい! ほんとに大丈夫?」


「ちょ、唯斗何やってんの……っ、あははは、やめて……しんどい……笑わせないで……死ぬ……」


心配して駆け寄る福森さんと、笑いすぎて息切れを起こす夢華。

申し訳なさと恥ずかしさと、少しの怒りが一度に押し寄せる。

やっぱり俺、緊張するとロクなことにならない。


「いや、大丈夫。まさか外開きだと思わなくて、近づきすぎてたわ。」


「普通、玄関の扉って外開きでしょ〜! プププッ、もしかして人の家に行ったことないの〜?」


煽る夢華。

こんなことなら山に置いて帰ればよかった。


「テメェ、後で覚えておけよ。」


「わ、私が悪いんです…。ごめんなさい。」


「フックー、別に唯斗がアホなだけだから謝らなくても良いよ。」


「福森さんは悪くない。ただ夢華、お前は煽りすぎだ。許さん。」


「だって目の前であんなドジやられたら…あっ、ちょっと…またツボっちゃいそう。」


腹を抱えて笑い出す夢華。


「福森さん、もうコイツは放っておいてゴミ拾いに行こう。」


「え、えっと…わ、分かりました。」


「ちょっと、置いてかないでよ! 私もゴミ拾いした〜い!」


このまま夢華のイジリを受け続けるのも面倒だし、さっさとゴミ拾いを始めることにした。

慌ててついてくる夢華と福森さんを連れ、下山して川のふもとへ向かう。


「うわ、こんなぬかるみみたいなところ掃除するの? まあ、結構ゴミは落ちてそうだけど。」


「た、確かに…ここはいつもゴミが溜まってる印象でした。でも、前と比べると綺麗になってます。」


「福森さんはこの山に住んでるから、この川を見る機会も多いか。まあ、最近は俺がちょくちょく掃除してるから、前よりは綺麗だと思うけどな。」


この山の川は道の脇を通っていて、レールを跨いで少し降りないと近づけない。

だからゴミを拾いづらく、溜まりやすいのだ。


「でもさ、ここ結構危なくない? 地面が濡れてて滑っちゃいそう。」


「まあな。この川は人が入ることを想定してないから、安全対策は全く整ってない。確かに、二人を連れてここを掃除するのは適切じゃなかったかもな。」


「で、でも…ここ、いつもゴミが落ちてて、少し残念だと思ってたから、私は掃除したいかも…。」


「まあフックーがそう言うならいいか! 唯斗、貴様を許してしんぜよう。」


「あーはいはい、ありがたき幸せ。じゃあこれがビニール袋で、トングと手袋もあるから、好きに使って。」


掃除道具を配り、各自で落ちているゴミを拾い始める。

サーチ・アンド・デストロイ。この場にゴミの生存は許さない。


「ちょっと唯斗! この缶、めっちゃ泥ついてるけど、そのまま捨てちゃっていいの?」


「どうせ後で洗うから、適当にゴミ袋に詰め込んどけ!」


「え〜、わざわざ洗うの? めんどくさいよぉ!」


「別にそのくらい俺一人でやる! とりあえず何も考えずに袋に放り込んどけ!」


離れて作業しているから、話すときは声を張り上げる必要がある。

普段は黙々と一人でやっているので、大声を出すのは慣れない。


そんなやり取りをしていると、福森さんがトコトコと近づいてきた。

何故か手にはクマのぬいぐるみ。不自然な歩き方も相まって、とても可愛らしい。


「あの、すいません。ぬいぐるみが落ちてたんですけど、どうしましょうか?」


「あれ、そのぬいぐるみ落ちてたやつなの? めっちゃ綺麗だけど。」


外に出るのが寂しくて、家から持ってきたのかと思ったほどだ。

それくらい彼女とぬいぐるみの姿が自然に見えた。


「この子、向こうの道に置かれてて…もしかしたら誰かの忘れ物かもしれません。」


「オッケー、じゃあ後で交番に届けよう。一旦荷物のところに置いておくわ。」


受け取ろうとした瞬間、福森さんが足を滑らせた。


「きゃっ!」


「あぶない!」


咄嗟に腕を掴み、引き寄せる。

どうにか転ばずに済んだようだ。仰け反るような体勢になった福森さんと、初めて目が合う。

……結構可愛い。


俺がまじまじと見ていると、彼女の顔は徐々に赤くなっていき――あ、やべ。

ずっと手を握ったままだったことに気づき、慌てて離れる。


「あっ、ごめん。ジロジロ見ちゃって。怪我はない?」


「あ、た、助けてくれてありがとうございます。す、すいません…迷惑かけちゃって。」


「いや、こんな滑る場所で掃除させようとした俺が悪いよ。…そんなことよりさ、福森さんって、何で前髪伸ばしてるの?」


前髪がなければかなり可愛い。

学校に行けば人気も出て、暗いイメージも払拭できるかもしれない。


「その…あんまり外に出なくなって、髪を切らなくなったっていうのもあるんですけど…。あまり周りが見えすぎると、人の目線が怖くなっちゃって…。目を合わせなくてもいいように、前髪を伸ばしてるんです。」


「なるほどねぇ。あんまりそういうこと考えたことなかったな。」


「そ、そうですよね。すいません、意味わからないこと言って…。」


「事情があるなら無理強いはしないけどさ…目が見えてた方が似合ってるっていうか、ぶっちゃけ可愛い…かもしれないよ?」


…なんか口説いてるみたいになってしまった。

でも、自信がつけば学校に行けるようになるかもしれない。俺は間違ってない――

あれ、背後から妙に恨めしい視線が…。


「ちょっと! なんで二人サボって会話してんの! ってか唯斗、今フックーちゃんのこと口説いてなかった? 私だけ掃除させといてナンパとか、お仕置きが必要ですねぇ…」


…夢華の存在を完全に忘れていた。


「あー…これはあれだ、そう。このぬいぐるみをどうするかを話し合ってただけだ。断じてナンパではない。分かった。喋っていたことは謝る。掃除します。」


俺の長所は素直なところだ。

「やる気がないなら帰れ!」と言われたら帰るし、「絶対に押すなよ?」と言われたら押さない。


「…雪見だいふく。」


「え?」


「雪見だいふく、後で分けてくれたら許す。」


「あ、はい。わかりました。後でシェアしましょう。」


どうやら夢華は許してくれたらしい。

まあ、あいつが本気で怒ったのなんて一度しか見たことがないしな。

元々、手伝ってくれたお礼に何か奢ろうと思ってたから、雪見だいふくくらい痛くもない。


「あ、あのっ。」


「どうしたの? フックー。てか大丈夫だった? 唯斗になんか変なことされてない?」


「何もしてないわ。」


「べ、別に何もされてません。…助けてもらっちゃいました。その…二人のことで気になってたことがあるんですけど…」


「二人って、付き合ってるんですか?」


一瞬の静寂。

この質問を受けるのは何度目だろうか。

男女でいつも一緒にいれば、そう思われても仕方ない。

しかも俺たちは下の名前で呼び合っている。ギャル流の挨拶みたいなものだが、外から見ればカップルだ。


ただ、俺たちは決して付き合ってはいない。

まず、付き合うにはどちらかが告白する必要があるが、俺はしたこともないし、今後もその予定はない。


俺が彼女を恋愛対象として見ているかは、自分でもよくわからない。

だが、この関係が一番居心地いいのだから、壊す理由はない。


「ご、ごめんなさい! 別に言いたくないならいいんです!」


「いや、全然問題ないよ。気になるよね。俺と夢華はただの友達だよ。なぁ?」


「うん! だから気を使う必要なんて、ぜんっぜんないからね!」


そう言うと、福森さんは胸を撫で下ろし、「良かった…」と小さく呟く。


「もし二人の大事な時間を邪魔してたらどうしようかと思って…。すいません、変なこと聞いちゃって。」


「そんな気を使わなくていいから! さぁ、ゴミ掃除再開! えいえいおー!」


彼女の掛け声で、それぞれ持ち場に戻った。

その後、掃除が終わるまで、俺たちは一言も喋らなかった。


ーーーーーーーーー


開始から一時間半。途中から黙々と作業をしていたおかげで、付近にゴミはほとんど残っていない。

まだゴミに付いた泥を落とす作業は残っているが、その前にまず下山しなければならない。体力は温存しておきたいところだ。


「おーい! 二人とも! そろそろ時間だから、ゴミをまとめよう!」


大声で呼びかけると、二人ともこちらに気づき、拾ったゴミをまとめ始めた。

夢華は早くも片付けを終えたらしく、満足げな顔でこちらにやってくる。


「ふぅ〜、捗ったねぇ。見てよこれ、めっちゃたくさんゴミ集めたよ。愛着湧いちゃったし、このまま持って帰ろうかな。」


「いいじゃないか。部屋に飾ればいいインテリアになるんじゃないか?」


「もうすでにあたしの部屋、インテリアで床埋まっちゃってるから無理だわ〜。勿体ないし唯斗にあげるね!」


「いらねーよ。ちゃんと捨てとくわ。」


夢華のゴミをまとめていると、少し遅れて福森さんもやってきた。

両手いっぱいにゴミを抱え、ふらふらと歩いてくる姿は見ていて危なっかしい。あの感じ…また転びそうだな。

さすがに重そうなので、手伝うことにした。


「めっちゃ拾ってるじゃん。すごいな。あとは俺が持っていくよ。」


「あ、ありがとうございます……。」


両手いっぱいのゴミを受け取り、夢華の分と合わせて一箇所にまとめる。

福森さんも意外とたくさん拾ってくれていたようだ。


「ひとまず、これで全部かな。二人ともお疲れさん。」


「お、お疲れさまでした。」


「いっぱい集まったね〜。で、これからどうするの?」


「一旦解散だな。俺は下ってからゴミの泥を川で流して持って帰る。それからゴミの日に捨てる。あと落とし物も交番に届ける。」


今いる川は流れが強すぎて危険なので、いつもは下流の流れが緩やかな場所で泥を落としている。


「えぇ!? 川で洗うの? なんか汚そうじゃない? 水道で洗えばいいのに。」


「土を流すわけにはいかんだろ。」


「あ〜そっか。まあ、桃太郎でも川で洗濯してたし、大丈夫か!」


こいつの想像する“綺麗な川”とは多分だいぶ違うんだが…。

正直、川で洗うのは好きじゃない。でも他に方法がないから仕方なくやっている。


「あの、そのことなんですけど……私の家の庭なら、きれいな水、使えると思います。」


「え、マジ? 泥とか流して大丈夫そう?」


「多分、平気です。庭の排水溝、川に繋がってるので。」


「それは助かる! じゃあ、ありがたく使わせてもらうよ。」


これでもう川で虫まみれになりながら洗わずに済む。本当にありがたい。

泥落としの工程は、ゴミ拾いの中で一番嫌いな作業だったからな。

これだけで福森さんを誘った価値があったと言える。


「じゃあ、もう一度福森さんの家まで登るか。」


「あっ、そっか。フックーの家って山の頂上だった……」


「再び登山、開始だな。」


「い、いやぁぁぁぁぁ!!」


「なんかすみません……。」


こうして、もう一度山を登る羽目になった。

案の定、夢華は頂上に着く頃にはヘトヘトで、ほとんどの洗浄作業は俺と福森さんでやることになった。


「ごめんねぇ。マジで疲れちゃって、全然手伝えなかったよ。」


「い、いえ。大丈夫です。」


「お前、体力ないからなぁ。二回も登ったら無理もない。」


それに、今回は洗浄が三十分ほどで終わったから、夢華がとちゅうさんかするころには途中参加する頃にはほとんど終わっていた。

普段は一時間くらいかかるが、福森さんの手際が良く、かなり時短できた。


「じゃあ、今度こそ解散だな。福森さん、本当に庭を貸してくれてありがとう。」


「い、いえ。全然大丈夫です。」


「これ、二人とも手伝ってくれたお礼だ。」


用意していた飲み物を二人に渡す。夢華には、いつも愛飲しているミルクティーだ。


「えっ、そんな……申し訳ないです。別にお礼なんて……」


「あたしも最後サボっちゃったし、少し悪い気するなぁ。」


「どうせ俺は飲まないし、気持ちだから受け取ってくれ。」


「じ、じゃあ……ありがとうございます。」


「まあ、どうせ押し付けられると思ってたけどね。来週からは要らないよ? やりたくてやってるんだから。……でも、ありがと。」


少し遠慮しながらも、なんとか受け取ってもらえた。

もしかすると、こういう気遣いは必要なかったかもしれない。


「じゃあ、福森さんとはここでお別れだ。落とし物はこっちで預けておく。」


「フックーちゃん、またね! バイバイ!」


「き、今日は楽しかったです。ありがとうございました。」


お別れを済ませ、福森さんの家を後にする。

この前会った時より、福森さんは少し明るくなった気がする。

今回の作戦は成功と言っていいだろう。いずれ、また学校にも来られるようになるといいな。


「じゃあ、山を下りるか。」


「また、山かぁ……」


さすがの夢華も、もう余裕はなさそうだ。

休憩を挟みながらゆっくり下山することにしよう。


――――――――――


「はぁ……はぁ……やっと着いた……」


「お疲れ。夢華はそこで休憩してろ。交番すぐそこだから、行ってくる。」


「ま、待って! あたしも行く!」


「別に無理しなくてもいいんだぞ。手続きすぐ終わるし。」


「だって落とし物拾った功績を独り占めされたくないし〜。」


「元は拾ったの、福森さんだけどな。」


結局、二人で交番に入ることになった。

山を下ったすぐ先に神社があり、その横に交番がある。

俺はいつも、山掃除のあとで拾った落とし物をここに届けている。


「すいませーん、落とし物拾ったんですけど。」


「あぁ、また君か。……おや、今日は一人じゃないんだね。」


「どうも! あれ、警察の人と唯斗って知り合いなの?」


「落とし物、いつもここに届けてるからな。」


「そうそう、この前君が拾ってきた鍵の持ち主、見つかったよ。ありがとうってさ。」


「それは良かったです。」


「すごいじゃん。そんなにしょっちゅう拾ってるなんて、この交番の常連さんだね!」


「その言い方だと、取り締まられてるみたいだからやめろ。」


「じゃあ今回も落とし物だね。はい、これ記入して。」


差し出された用紙に必要事項を書き込み、ぬいぐるみと一緒に渡す。


「どうも。じゃあ、持ち主が来たら渡しておくよ。」


「お願いします。」


「でも良かったよ。いつも君、一人で掃除してるみたいだったから、友達いないんじゃないかって心配してたんだ。」


「唯斗のことは任せてください! 次からは毎回あたしが面倒見ますから!」


「はぁ……。」


「じゃあ、二人とも気をつけて帰るんだよ。」


挨拶をして交番を出る。あとは帰るだけだ。


「よし、夢華、駅まで送るぞ。」


「ちょっと! まだ忘れてることあるよ!」


「何言ってるんだ。もうお互い疲れただろ。」


「まだ雪見だいふく食べてないじゃん。」


……こいつ、まだ覚えてたのか。

まあ、今日は散々山を登らせたし、俺もアイスが食いたい。


「じゃあ、近くのローソン行くか。」


「うん!」


こうして二人で雪見だいふくを分け、駅で夢華と別れた。

次の日、山登りの疲れで夢華は学校を休んでしまった。

今度からは、あまり登らせすぎないようにしよう。

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