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苦いだけの初恋

作者: 芦田メガネ

どうもこんにちは。芦田メガネと申します。私は現在、この小説家になろうにて「ネオス・パンゲア怪異ファイル」というSF作品を投稿しております、しがない大学生でございます。


私は現在20歳なのですが、先日成人式の後に同窓会があったので参加してきました。私は典型的なコミュ障なので、女子とは全く話せずに終わりました。男子とはめちゃくちゃ楽しく近況報告して騒いでこれたんですけどね。


同窓会自体はめちゃくちゃ楽しかったのですが、1つだけ心残りがあります。それは、初恋の女子と全く話せなかったことです。もしかしたら、同窓会パワーでワンチャン・・・なーんて思っていたのですが、それは幻想にすぎませんでした。ワンチャンなくても少しでも話せたらいいなぁと思ってましたが、勇気が出ませんでした。


情けない話です。本当に。だから先を越されたわけですが。というわけで、そんな暗い過去と同窓会での悔恨を断ち切るために私の初恋の記録をぶちまけたいと思います。



仮に初恋の相手をKさんとしましょう。私とKさんが出会ったのは小学校1年のときでした。入学したとき、同じクラスにKさんがいて、そのあまりの美貌に一目惚れしてしまいました。本当に小顔で目がぱっちりしてて、言葉では言い表せないほど整ったお顔をしていました。


しばらくして、Kさんとも友達になり仲良くしていたのですが、性格もめちゃくちゃ良かったんですよ。本当に明るくて優しい方でした。より一層好きになってしまいましたね。


やばい、書いていて涙が出てきた。ともかく続けます。それからも本当に仲良くさせて貰ってました。掃除の班も確か同じになってたはず。6年生が卒業する時にプレゼントのペンケースを牛乳パックで作ったのはいい思い出です。一緒に笑いながら作っていました。あの頃が人生の絶頂だったのかもしれません。




最初の転機が訪れたのは小学校2年の3月でした。この時、私は新潟から静岡への転校が決まっていました。仲のいい友達、そしてKさんとの別れです。私は本当に強く絶望していました。そして、学校の最終日、私は泣きながら教室を出て、新潟を去りました。


静岡に移ってからも、友達のことはもちろんKさんのことは片時も頭から離れませんでした。寝る時、暗い天井を眺めてKさんのことを思い出し、涙することもありました。


しかし、人生とは何が起こるかわからないものです。私は父の仕事の影響で静岡に転校したのですが、また父の転勤が決まったのです。行先は新潟ではなかったのですが、今後もまぁまぁな頻度で転勤する可能性があるから、私と母は新潟に帰ることになったのです!それは、転校してから3ヶ月、7月の中頃の出来事でした。


そんな訳で、その年の夏休みに私は新潟に帰ってきました。懐かしい友達、そしてKさんに会える!これが本当に嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。


そして、夏休みが終わって登校したとき、友達にめちゃくちゃ驚かれました。「なんでお前がいるの!?」みたいな感じで笑いながら出迎えてくれました。もちろん、その中にKさんはいました。本当に嬉しかったですね。


もう一度、Kさんとの楽しい学校生活が始まりました。もちろん、よく遊ぶのは男子出したがKさんとも時々喋ったりしてました。幸いにも同じクラスでしたし。私の小学校は2年おきにクラス替えがあったのですが、偶然にもまた同じクラスだったのです。


そして、4年生でもいつも通り楽しく過ごし、5年生になりました。私はまだまだKさんのことが好きでした。一途ですね。そして、最後のクラス替えでもKさんは同じクラスでした。これはもう運命じゃないかと思いました。


しかし、そんなある日、私は信じ難い話を耳にしました。


「KさんがRくんと付き合っている」と。


Rくんというのは5年生で同じクラスになった男子でした。私のようなぽっちゃりではなく、すらっとした陸上男子でした。小学生は足の速い男子がモテる、というジンクスもあり、妙に信ぴょう性の高い話でした。だが、まだ飽くまで噂、実際にこの目で見るまで信じないと焦っていました。


まぁ、その後、KさんとRくんが一緒に歩いているのを見て、「あぁ、本当(マジ)なんだ・・・」と絶望しました。まさかのBSSで初恋は破れたのでした。



話はここで終わりません。私が中学1年のときです。その時はKさんとは別のクラスだったのですが、同じ部活にKさんと同じクラスのSくんがいました。そのSくんが私のことをKさんに話したようで、ある衝撃的な情報を私に伝えて来ました。


「Kさん、芦田のことが昔好きだったんだって」


それが本当なのか、確かめる手段は私にはありませんでした。でも、もしそれが本当なら、私がもっと早くKさんに告白していたら・・・そう思ったら頭が真っ白になりました。家に帰って、寝る前にめちゃくちゃ泣きました。もっと早く行動に移していればこんな事にははならなかったのに。ものすごく後悔しました。今、後悔しても遅いのに。



そんな訳で、私は次はさっさと告白しようと決意し、次に好きになった人に告白したのですが、あっさり振られたので「もう恋なんてしない。少なくとも自分から告白するのはやめよう」と決意して、今に至ります。かなりショックを受けたので、もう傷つきたくなかったんです。



未だに私はKさんに対して未練タラタラなんです。叶わぬ恋だとはわかっていても、私は今もKさんが好きなのかもしれません。


同窓会では中学3年のクラスで集合写真を撮ったのですが、Kさんは3年の時は同じクラスだったので、同じ写真に映りました。写真撮影の前後、そしてその写真に映るKさんを見て思いました。いまも変わらずKさんはめちゃくちゃ美人だと。そして、こんな美人なら男はほっとかないだろうな、と。Rくんとはいつの間にか別れていたそうですが、Kさんなら別の彼氏がいるでしょう。私はもう一生、その土俵には上がれないはずです。


かなりボロボロに泣きながら書いております。叶わぬ恋だとはわかっていても、辛いものですね。私は一生独り身で生きていく覚悟はもうできています。まだ20歳なのに早くないか、とは友人にも言われましたが、良いんです。先を越されてチャンスを逃し、そして別の人にはあっさり振られる、そんな男に恋愛する才能や権利はないのでしょう。そういう運命だと受け入れて生きていこうと思います。


中学卒業のタイミングでスマホを買い、そしてKさんとはLINEを交換したのですが、未だにメッセージを送っていません。送ったのは「よろしく!」という文言とスタンプだけです。私はもう傷つきたくないし、迷惑はかけたくないので、これから送るつもりはないです。でも、送りたい、話したいという気持ちはちょっとだけあります。でも、それも捨てなければなりませんね。


私にできるのは今後のKさんの幸せを祈る、ただそれだけです。幸せにどこかで生きてさえいてくれれば、それで十分です。

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