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ルイ16世
ハンス・アクセル・フォン・フェルセン伯爵様がヴェルサイユ宮殿から出られた頃、国王陛下はお一人でございました。
⦅これで良かったのだ。
愛するマリーが望むことなのだから……。
貴女は……よく今まで私を支えてくれた。
貴女の心を……気持ちを……大切にしたい。
マリー、私は…私は……貴女を愛している。
一度も口にしたことは無いけれども、愛している。⦆
⦅初めて会ったあの結婚式から……
私は……私の目には…貴女しか映らないのだ。⦆
⦅あの日、フェルセンに初めて会ったあの日……。
二人が恋に落ちたと分かったよ。
私には貴女しか見えないのだから……
直ぐに気付いてしまった。
気付いてしまったのだ。
私は……貴女から愛されることは一生無いと……
はっきり分かったのだ。
あの瞬間を見てしまったから……。⦆
⦅貴女の幸せを想うと、このままではいけないことは……
分かっている。分かっているのだ。
しかし、国家間の婚姻故に……離婚できない……。
クリスチャンとしても……離婚は許されない……。
マリー、許してくれ。
幸せを……貴女の幸せの邪魔をして……。⦆
陛下が見つめている蠟燭の炎がゆっくり揺れていました。
この頃のフランスでは離婚は認められていませんでした。
当時のカトリックは離婚出来なかったからです。




