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深い森  作者: yukko
フランス
30/39

ルイ16世

ハンス・アクセル・フォン・フェルセン伯爵様がヴェルサイユ宮殿から出られた頃、国王陛下はお一人でございました。


⦅これで良かったのだ。

 愛するマリーが望むことなのだから……。

 貴女は……よく今まで私を支えてくれた。

 貴女の心を……気持ちを……大切にしたい。

 マリー、私は…私は……貴女を愛している。

 一度も口にしたことは無いけれども、愛している。⦆


⦅初めて会ったあの結婚式から……

 私は……私の目には…貴女しか映らないのだ。⦆


⦅あの日、フェルセンに初めて会ったあの日……。

 二人が恋に落ちたと分かったよ。

 私には貴女しか見えないのだから……

 直ぐに気付いてしまった。

 気付いてしまったのだ。

 私は……貴女から愛されることは一生無いと……

 はっきり分かったのだ。

 あの瞬間を見てしまったから……。⦆


⦅貴女の幸せを想うと、このままではいけないことは……

 分かっている。分かっているのだ。

 しかし、国家間の婚姻故に……離婚できない……。

 クリスチャンとしても……離婚は許されない……。

 マリー、許してくれ。

 幸せを……貴女の幸せの邪魔をして……。⦆


陛下が見つめている蠟燭の炎がゆっくり揺れていました。

この頃のフランスでは離婚は認められていませんでした。

当時のカトリックは離婚出来なかったからです。

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