7話 討伐達成の報告
【この世界における通貨】
この世界では「M」という通貨が
全世界共通して使われている
1Mは日本円にして1円である
「――これで最後だ!」
最後の一角ラビットをアビスの剣が切り裂いた
「よし、これで依頼達成だな」
――三角ラビット討伐の次の日
改めて一角ラビットの討伐に来た俺たち
アビス達は特に緊張する様子もなく依頼を達成した
「よくやったな
ほら、傷を見せてみろ」
「あ、はい
……もしかして、回復魔法も使えるんですか?」
「自然治癒力を高めるだけで
回復魔法とは別物だがな
【治癒力強化】」
「ありがとうございます
へえ、これって回復魔法じゃないんですね……
どういった定義で決められてるんだろう」
「まあ、魔法には根本となる核が存在してだな
それが『+』か『-』かという違いで……
フカミは魔法学校で習ったよな」
「あ、いえ
私は、その、独学でして……
実のところ、どういう原理で炎が出てるとかわからないんですよね」
「独学?
師匠とかいなかったのか?」
「はい、
魔法の勉強もちょっと本を読んだだけでして」
「なるほどな……
まあ感覚で魔法を使ってる冒険者も割といるしな
だが、もっと強くなりたいなら
魔法のことをもっと理解したほうが良いだろう
――良かったら俺が教えるけど」
「え?
良いんですか!?」
「ああ、時間があればな
ほんとはフカミと同じ攻撃魔法を使うやつに
教えてもらった方が良いんだが……
俺の師匠も攻撃魔法を使う人だったし多分大丈夫だろう」
「ありがとうございます!
クレイオさんの師匠ってどんな人だったんですか?」
「……まあ、その話はまた今度な」
「クレイオさん、俺にもいろいろ教えてください」
「ああ、いいぞシンエン
と言っても教えられることは少ないけど」
「クレイオさん!俺も!」
「……ええい!いいだろう!
お前ら全員まとめて面倒見てやる!」
そんなわけで教え子が3人増えた
――冒険者協会
「あ、お帰りなさいクレイオさん!
それに皆さん!」
冒険者協会に戻ると受付のメアリーが迎えてくれた
「ただいま、メアリー
ほら、お前ら」
「あの、依頼達成の報告を……」
「一角ラビットの素材5つですね
えーと、はい!協会の素材受取り口より納品の確認できました!
追加で素材を5つ納品したということで追加報酬もあります!
お疲れさまでした!こちらが報酬になります!」
カウンターには20,000Mが置かれた
「おお、これが俺たちだけで依頼を達成した報酬……」
「でも、前回の三角ラビットの時と比べると……」
「当たり前だ、あいつは討伐ランク6
本来、Bランク冒険者の仕事なんだから」
そうだ、前回は基本達成金15,000Mだったのだが
三角兎を納品したところ
報酬が215,0000Mまで膨れ上がったのだ
「メアリー、そういえば三角ラビットの件、上に伝えてくれたか?」
「はい、主任に話してたころ
偵察部の強化を検討すると言ってました」
「ありがとう
これで新人冒険者の事故が減ると良いんだが」
「そうですね……」
正直、偵察部の強化と言っいるが
検討するといっている時点であまり期待できそうにないな
「……フーン、
ギルド抜けても楽しそうにやってるんだね」
振り返ると後ろのテーブルにアウローラが居た
「なんだよ、含みのある言い方して」
「別に、ただそう思っただけ」
「……そういえば、協会専属の申請通ったんだよ
祝ってくれよアウローラ」
「……嘘、そんな行動が制限されるような契約
クレイオが結ぶはずないから。バレバレ」
……チッ
前は結構動揺していたんだがな
リュウ辺りの入れ知恵か?
「なんだよ、前と反応がずいぶんと違うな」
「あの、クレイオさん
アウローラさん、実はクレイオさんがギルドから抜けた後
ほとんど毎日、冒険者協会に顔を出しているんですよ
それで協会専属の申請をしていないの知ってるんじゃないですか……?」
メアリーがこっそり俺に教えてくれた
「……ほう
お前、最近ずっと冒険者協会に来ているらしいな
俺がギルドを抜けた後
なんだ?そんなに俺に会いたいのか?」
「……勘違いすんな
私がここに用事があっただけ
それとクレイオが何かギルドの悪評を流さないか
見張ってろってリュウから言われたの」
「…へぇ、まあ用事はわかるとして
見張りは本当か?
わざわざ俺の知ってるやつを見張りとして出すか?
それにギルドは最高戦力をこんなとこに送り出すほど
見張りに重きを置いているのか?
ほんとはお前が単独で動いてるんじゃないか?」
バン!
「……ウザ」
思いっきり机をたたいてアウローラは冒険者協会を出ていった
全く、なんなんだよあいつは
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