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転生したら三つ子の次女でした。4



「さあ、パーティーも終わったことだし早速話し合いをしようか!」


「まずは楽なドレスに着替えるのが先です。お身体は3歳なりたての子供にドレスは酷です。」


残念な過ぎて顔面が霞んできたお父様とナイスミドルの掛け合いに本当こんな服装子供の成長の為にもよくないわ。と冷静に内心突っ込む。子供服は子供がのびのび動けて且つ着替えやすさが大事なのに見る分にはいいけど着るのはもう勘弁だわ。着てるだけで体力が奪われそう。あれ?それってなかなかいいかも?無限の体力を消費させるため一緒に走り回った日々を思い出し少ししんみりする。あの子達大丈夫かしら?


まだ許容範囲のワンピースに着替えるとやっと呼吸が楽になった気がした。3歳の時の七五三を覚えてないけどきっとあの時もこんな気持ちだったんだろうな…


「あぁなんて愛らしいんだ!さあこれでようやく話せるね!!!いいよね?ロバート!!!」


「はぁ、お茶の準備も出来ておりますしよろしいでしょう。」


あ、このナイスミドルってロバートって言うんだ。主従関係が可笑しいのはあるあるだよねー!これはコアなファンがカップリングしちゃう奴かもしれない。


「まずは君たち3人が転生者だということはもう話したね?」


「あの…おとうさま?転生者というのはこの世界ではそんなによくあることなんでしゅの?」


「あぁお父様!なんていい響きだ!!パパでもパピィでもダディで父様でも親父でも好きな呼び方で構わないよ!」


残念通り過ぎてちょっとヤバい人だ。頑張れソフィアちゃん。負けるなー!このヤバい人は任せた。


「旦那様、それはソフィア様の質問の返答になっておりません。ソフィア様、この世界では多くは在りませんが稀に現れる存在として転生者は存在します。正し平民の場合は貴族や王族などに保護されます。転生者の持つ知識は我々には持ちえない技術や国の発展などにも関わります故悪しき存在や他国に引き抜かれる前に保護と称して囲い込むのが通常です。奥方様も元は平民でしたが一緒に暮らしていたお母様が亡くなると同時に父と名乗るメイフェル男爵に引き取られております。」


「え?お母様も転生者だったの?」


稀なはずが稀になれてないけど?三つ子で転生だけでも聞いたことないのに転生者から生まれた三つ子が転生者なんてどういうこと?!


「えぇセシリア様。奥様はある日突然前世の記憶が戻ったとかで我々には想像もつかない技術や制度や料理を広め、またそのお心の美しさから神々に愛され祝福を受け聖女となり旦那様と大恋愛の末に結ばれました。喜劇や小説の題材にもなりお二人の恋模様はとても有名になりまして現実を知る我々は本当こそばゆいというか当人じゃないのに恥ずかしくていい迷惑をしております。」


「じゃあ私のお母様ならきっと中世ヨーロッパの拷問方法を再現させたりしたはずだわ!あぁ楽しみぐふふ」


「エミリア様、そのブレない精神本当尊敬しますが、誠に残念ながらそれだけはありえません。」


「ねーロバートばっかりずるい!」


つまり料理系チートはもう終わってると…朝起きた時から思ってたけどエミリアちゃんってぶっ飛んでるなーでも可愛い。ロバートは慇懃無礼系ナイスミドルな紳士だしこの家族面白いかも!うふふもうなんだかよくわからないし現実逃避と妄想は私の前世からの必殺技だもん。今こそ発揮するときでしょ!じゃなきゃやってられないし!いやぁこれだけキャラが立ってる人たちがいるのにみんないい人って素敵だなぁ…ってボーっとしているとお父様は話し辛そうな顔で言葉を続ける。


「とにかくね、メグは元居た世界ではメグが亡くなる直前に3件の連続殺人が起きたんだ。3人の若い女性が突然エキ?で背中を押されデンシャ?に引かれて亡くなったんだ。それが君たち3人だ。元々元居た世界でもその世界の創造神様から愛されるほど魂の美しいメグは大層その事件に心を痛めた。しかも君たちの唯一の関係者である彼女は勝手な憶測による誹謗中傷も受け心に深い傷を負った。神々はそんな彼女をずっと見守ることしか出来なかった。最後の審判の日彼女は唯一つ無意味に散らされた君たちの命を憐み君たちの幸せを祈ったんだ。そこでこちらの世界の創造神様とその娘であられる3人の女神様達が彼女に彼女の娘として君たちに新しい命を与えることを提案したんだ。」


そっか…あの日私は誰かに背中を押されたんだ。それで死んだんだ。悔しいなぁあともう少しであいつらに復讐出来たのに。メグってそっかめぐみか…中学の時よく一緒に遊んだな…そっか…優しいあの子がこんな最悪な偶然のせいで謂れのないこと言われたのか…私達は全く悪くなくて被害者だけどそのせいで傷ついたのにそれでも私達の幸せを祈ってくれたのね。本当はあの日一番にめぐみに連絡しようと思ってたのにな。他人のことでも自分のことみたいに怒ったり悲しんだり喜ぶあの子ならきっと今の自分の状況を知ったら傷つくだろうって連絡しなかったのがバカみたい。お互いこんな早く死んじゃうならもっと連絡すればよかった。犯人だけは絶対に許さない。私を。私達を殺した犯人を。私の憧れのグリーンペーパー召喚前に殺した犯人を。そして、私の大事なあの子を傷つける原因になった犯人を。


『私達を殺したのは誰』


示し合わせた訳ではないし今朝会ったばかりの姉妹だけど何故かわかる。この二人はきっと今同じことを思ってる。あの犯人がこの世界にいるのならこの手で復讐を。私達の命の代償を。めぐみの心の代償を。そしてあのテンプレ屑一家に復讐出来なかった私の欲求不満の為に。


「なんだか騒がしいわねえ」






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