転生したら三つ子の次女でした。1
夜中に痴呆の始まった義祖母に起こされることもなく
お弁当と朝ご飯の支度に起きなきゃいけない筈なのにどうしても起きれない程心地よい朝。
柔らかに包み込むようなベッドに両端に感じる温もり。
あともう少し…と寝返りを打つ。
「ありがとうございましゅうううううう!」
あれ?義妹の子達を寝かしつけたまま一緒に寝ちゃったのかしら?って待って?私今義妹の子供潰した?!いやでも今感謝の叫びを聞いたような…そうよね?きっと夢よね?
「あらあらまあまあ!セシリアお嬢様ったら!眠っていてもお転婆さんですわね!」
明らかに義実家では聞けないような穏やかな声にバチっと目を覚ます。そんな優しげな声この家で聞けるはずがない。目の前に広がるのは旅行番組でよくあるヨーロッパの古い教会や古城をリノベした美術館やホテルのスウィートルームの天井で声の主はメイド喫茶のメイドではなく中世ヨーロッパのドラマによく見るタイプのキャピってないメイドで…あれ?私離婚というか籍は入れてなかったから詐欺なのかなんなのかわからないけどとにかく疲労困憊で夢を見ているのかな?
「ソフィアお嬢様もお目覚めでしたのね!まだ3歳だというのに寝起きですら淑女然とされているだなんて!!」
「ポリー!わたしもおきてましゅ!セシリアはもういっかいさっきのしてくだしゃい!!」
「エミリアお嬢様もおはようございます。もう、またそんなことおっしゃって…」
その会話に私がセシリアと呼ばれていること。右隣には銀髪ストレートの3歳児には似つかわしくない落ち着きのある美幼女と左には私の寝惚けて力加減ZEROの膝を入れられ歓喜の雄叫びとおかわりを要求する銀髪フワフワ美幼女。色は同じなのに全く見た目も中身も違う幼女に囲まれ困惑する。自分の手を見れば二人と同じような小さくふっくらした手。でも髪色は二人と正反対な真っ黒。更に理解出来ない。え。待って。私をこき使って裏切ったあいつらに復讐するチャンスは…?