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東方全星院  作者: 古明地マサトリ
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第2話 〜外来人異変 中編〜

「紫様。今回の異変の件ですが━━━。」やはりか…。オールスターズ。外の世界で地球を守っている勢力。少し前に紅魔館の連中を外の世界へ送り、様子を伺っていたが…。あの時彼奴が言っていたことを本当に実行するとは…。私も彼奴の力を甘く見すぎていたようだ。「ご苦労さま、藍。」「やはりあの時に始末しておくべきだったでしょうか?」「いいえ。彼らは外の世界の均衡を保つ役割がある。消すには勿体ない存在だわ。」「しかし幻想郷にここまで負担をかけるとは…。」「彼らの中には幻想郷を破壊する程度の能力を持つ者もいる…。一応勢力トップの者たちには話をしといた方がいいわね。」私は藍に幻想郷の各地を管理している者たちを集めるように言った。幻想郷は警戒態勢に出る。地球さえも壊しかねないあなたたちの能力を…見過ごす訳にはいかないわ。


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はぁ。本当に面倒くさいことをしてくれる。さっさと解決してお茶でも飲もう。謎の建物に向かって飛んでいたが、妙に荒れている。既に戦闘が起きた後のような。よく見たら建物の裏側も大きなレーザーで焼き切られたような跡がある。まぁ何となく予想はつく。「ん。」下を見ると門の前に人がたっている。まぁ門番だろう。とりあえず蹴散らすか。私は急降下して門前に着地した。「おっ。ようやく博麗の巫女がお出ましか。」「既にボロボロに見えるんだけどどうしたのかしら?」「あぁ。なんか白黒の魔女みたいなやつが先に来て荒らして行ったよ。」「そ。」やっぱり魔理沙が先に来てたか。どーせなら門番も倒してくれれば良かったのに。どーせ裏の窓とかから侵入したんだろう。「ところであんた誰?」「俺はレン。門番を任されてるけどそこまでしっかりやってないよ。」「館を守る門番ってポンコツばっかりなのかしら?」「ここは館じゃなくて院だがな。」「どーでもいいわ。そこを通しなさい。」「そりゃ行けねぇ。門番として一応止めないといけないからね。」「面倒くさい奴ね。」シュ!ポンコツ門番は素手で戦闘態勢に入り、かかってこいと指を動かした。邪魔だ。「宝具『陰陽飛鳥井』」「え?」ドゴォォォxン!私は巨大な陰陽玉を飛ばし、門ごと破壊した。雑魚と戯れている暇はないんだ。スタスタスタ。入口まで歩き、ゆっくりと扉を開けた。ガチャ。「!」おかしい。空間が歪んでいるのか。「本当に面倒くさいことばかりしてくれるわね。」仕方ない。ゆっくりと敵の本拠地を探索するとしよう。


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ドゴォォォン!ズガガガガン!ピューン!「クソっ!」「おいおいつまらないだろ?さっきの減らず口はどうしたんだか。」タクヤという奴は言うだけあって実力は本物だった。闇属性の魔法と光属性の魔法がメインか。しかし近づいても剣術で対抗してくる。近接も間接も対応できるとは…。それにカイが邪魔してきて近づくことも難しい状況だ。「ほらほらー。よそ見してちゃダメだよー?」ガシャンガシャン。今度は両腕を変形させて力強く地面を殴る。ボァァァ!直後に炎が吹き出た。「ちっ!隙がないな。」どうにかして大技を叩き込む隙を作れないか?「光撃!シュート・ザ・ムーン!」ピューン。シュパパパパン!「綺麗な弾幕だねー。」カイは綺麗に弾幕を避けつつ攻撃を仕掛けてきた。彼奴は弾幕戦が慣れているのか…。そういえば萃香や天子が起こした異変の時の決闘法があった。タクヤを見習って近接攻撃でもやってみるか。私は力強く箒をカイに振り下ろした。「おわっ!」ガシッ!「はぁ!」ドガ!「くっ!」やっぱりか。カイは近接があまり得意ではないらしい。「ここからが本番だぜ!」「魔法使いが近接攻撃だなんて…聞いたことがないよ!」ガシッ!ドン!「狙いが定まらない…カイ!もうちょっと距離をとってくれ!」「んなこと言われても!」これは偶然の好都合だ。私とカイの距離が近いせいでタクヤが魔法を上手く撃てないでいる。「モードチェンジ!」ガシャンガシャン!おっ。今度は両腕が月形の刃物に変形した。シュシュシュシュ!やけくそか。ならこれで終わりにしてやる。私はミニ八卦炉を箒の後ろに取り付けて、思いっきり力を込めた。「ブレイジングスター!」スゴォォォォォォォォン!「なっ!特攻技!?」ドゴン!カイを巻き込んでタクヤに直行する。「防御魔法が間に合わ…」スガァァァァァァン!流石に捨て身の技は痛いぜ…。


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あぁ。俺は何でこんなことをしてるんだろうか。ただ剣を磨いて強い奴と戦う。だが相手は剣士じゃない。はっきりいって俺は剣士以外に興味はない。変な魔法や弾幕なんて甘えだ。「どうしたんだい?ガイ。そんな顔して。」「あ?退屈なだけだ。」本当に目障りなやつだな。ゼロは剣士だが、はっきりいって嫌いだ。変なオーラがある。普通の女はこういう男に惹かれるのだろうが…。何がいいのかまるでわからん。「つーか博麗の巫女はまだか!?遅すぎる!まさかレオたちに負けたわけじゃねーだろーなぁ?」「まぁまぁ。お茶でも飲んで気長に待とうじゃないか。」「相変わらず呑気なやつだな。」こういうところが嫌いだ。腹立たしい。ドゴォォォォォン!「ん?」急に静かになった。タクヤとカイがあの小娘と戦ってたはずだが…。決着が着いたようだ。砂煙から歩いてくる人影は一つだけ。まさか…。スタスタ。そこに現れたのは大きな黒い帽子を被った女だった。「あいつらを倒したのか?」「まぁな。ちょっと手こずっちまったが…この魔理沙様が負ける程ではないぜ。」ここに乗り込むだけあって実力はあるようだ。興味はないが。「さっ、次はお前らが相手か?まだ体力は残ってるぜ?」「いや、十分だよ。カイとタクヤを倒した君は先へ進む権利がある。左に行けばいいよ。」「そうか。なら右に行くぜ!」「おい!」ゼロは別に嘘はついていないが、ズカズカと右へ進んでしまった。あっちに行くとめんどくさくなるというのに…。


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あぁ。全く道が分からない。さっきから同じところをぐるぐると回っているような気がする。「全くイライラするわね!さっさと進ませなさいよ!」私は壁を思いっきり蹴り飛ばした。「そんな怒らないでよ。空間直すからさ。」直接脳内に誰かが訴えかけてきた。なんだこれは、気持ちが悪い。その声と同時に空間が元に戻る。どうやら地下室のようだ。薄暗くて気味が悪い。さっさと進もう。正面に扉が見える。やっと主犯がいるところにつけたかな?バン!「邪魔するわよー!」私は力強く扉を吹っ飛ばした。「あ?おい。扉はもっと丁寧に扱え。」「知らないわよそんなの。で?あんたら誰よ。」「俺はガイだ。博麗の巫女。お前を待っていた。」「僕はゼロ。よく来たね。紅白のレディ。」「なんか既に2人ダウンしてるようだけど?」「あぁ。ついさっき黒白の女が荒らして行った。」「そうなの。あんたたちも倒されれば良かったのに。」「ごめんだよ。お前と戦うことだけが目的だからな。」「!」グサッ!危ない。急に来るもんだ。「流石に避けるか。」「危ないじゃない。服が切れたらどうするのよ!」「そんなん知るかぁ!」カキンカキン!咄嗟にお祓い棒で受け流す。乱暴なやつだ。でも倒しがいがある。「全くガイの奴…。」どうやら後ろにいた鬱陶しいオーラの剣士も動き出したようだ。「オラァ!避けてばかりか?博麗の巫女!」大型の剣をブンブン振り回してくる。隙がありすぎだ。シュシュシュシュ!封魔針を大量に投げつけた。キンキンキン!「!」ゼロとかいう奴が守ったか。こっちは逆に隙が見えない。力強さはないが厄介だ。「マーベラスコンビネーション! 俊紋!」スパーン!早い。剣が青色に光った。これが彼奴の能力か。「邪魔すんなゼロ!」ブゥン!喧嘩でもしているのか?お互いが争いながら戦っているように見える。「霊符『夢想封印 散』」陰陽玉を拡散させる。「夢符『夢想亜空穴』」「夢符『退魔符乱舞』」シュパパパパーン!上空に瞬間移動して御札を投げつける。「甘い!」ブォン!チリチリチリ…。「火?」どうやらあの雑な剣士は炎を纏わせることができるらしい。「そんな紙切れじゃ俺の剣を止めることは出来ねぇよ。」「クッ…」右腕を切ったか。「マーベラスコンビネーション!純紋!」スパーン!「!」今度は緑色に光った。奇妙な軌道で動いてくる。カキンカキン!私はお祓い棒で対抗し距離をとった。「はぁ!」私は勢いよく妖怪バスターを放った。ビシーン!「グァッ!」「体が痺れ…。」「霊符『夢想封印 集』」動けなくなっているところに陰陽玉を叩き込む。ドゴォン!「て、テメェ…。」とりあえず1人。まだあの雑な剣士は動けるようだ。「大天空!」咄嗟に結界を張ろうとしたが間に合わなかった。ドゴン!私は上に打上げられ連続攻撃をあびた。「オラァァァァ!」これを喰らったら流石にまずいか、正面に防御結界を張る。カキン!ギギギギ…。このままじゃ割れる。なら結界ごと!「神技『八方鬼縛陣』」ビシーン!!ガイはそのまま壁に思いっきり叩きつけられて動かなくなった。「はぁ…はぁ…。手こずらせてくれたわね。」さっさと主犯を退治しに行かなければ。左に行けばいいかな?私の勘がそう言っている。ガチャ。「おい…」まだ意識があったのか。「気をつけろよ。その先にいるやつは…強いからな…。」ガイが認めるのならそうなのだろう。私は背中でガイの忠告を受け取って先へ進んだ。


広い空間に出た。中央ホールだろうか?「やぁ。よく来たね。霊夢。」ギャラリーから男が不気味な笑顔で声をかけてきた。「あんた…人間?なんで私の名前を知ってるのよ。」「あぁ。外の世界ではね、幻想郷のことが伝えられてる場所があるんだ。色々知ってるよ?」ゆっくりとギャラリーを往復しながら語り始めた。「博麗大結界に穴を開けちゃったことは謝るよ。今僕の従者が応急処置をしてるところさ。でも紫が許してくれなかったんだろう。ね?」「ッ!?」一瞬だけ背後に回られたような気がする。でも今はさっきの場所に立っている。謎だ。気味が悪い。「どっかの覚妖怪より不気味よ?思ってもないことをペラペラと。」「僕は心が読めるわけじゃないからね。」シュ!「全て…知っているだけさ…。」「!?」反応できなかった。気がついたら私のなりに来ていたのだ。私は咄嗟にお祓い棒を振り回す。「ははは。そう焦るなよ。楽しもうじゃないか。弾幕ごっこ。」「妖怪だろうと人間だろうと、幻想郷を荒らす奴は退治するまでよ!」「俺は小原聖尊。この家の主である。大丈夫。退屈はさせないよ。」何かがおかしい。こいつ…。本当に人間か?「魔力…5%解放!」突然青いオーラが聖尊を包む。「圧縮!」ピーン。目が少し青くなったか?異常な魔力のオーラだ。私の勘が言っている。危険だ。ピューーーン!「!」細い青色のレーザーが光速で飛んでくる。咄嗟に御札で対抗する。シュパパ!「無駄だよ。」一瞬のうちに聖尊は背後へ瞬間移動した。長い戦いになりそうだ。


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なんだか異様な雰囲気の場所だな。河童の工場がこんな感じだったような気がしたが、これが未来の世界と言うやつなのか。物珍しいものばかりだ。「ん?」誰かが椅子に座って作業をしている。主犯か?ぶっ倒すぜ。「誰?」気づかれないようにそーっと歩いていたのに気づかれた。なんでだよ。キィー。と椅子を回転させて私の方に姿を見せた。これも珍しい椅子だな。「泥棒かしら?」「それは副業だぜ!私は霧雨魔理沙。異変解決のプロさ!」「へー。そうなの。」「こういう時はもっと過激な反応をするもんだぜ。」「あらすごい!プロに出会えるなんて!」「だろ?観念して地獄に出頭するんだな。」「悪いけど、今回の件に私は関わってないわよー。」「そうなのか?」「えぇ。家の主と従者が勝手にやってるだけよ。」「じゃあお前はなんなんだよ。」「私は心嬢リン。一応リーダーやってるわ。」「リーダーってことは潰すせばいんだな。」「なんでそうなるのよ。」「行くぜ!」私はリンめがけで弾幕を放った。なんだかこいつは強い気がする。全力で楽しんでやろう。

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