9話 こいつはやばい。
「インドラッどこに出たの!!」
『そのまま真っ直ぐ。こないだと同じらへんだね。』
「電車待つより自転車漕いだ方がはやいか…」
ミヤトはもう行っているのだろう。
先に戦っているにちがいない。
「ミヤトの位置は!」
『いや…それがルドラの反応がないんだよね…』
「何してんだミヤト…!」
僕は全力で漕いだ。
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街は同じ状況になっていた。
今度は道路のど真ん中にガイアが立っている。
「現れたな……ガイア…!」
「待ってたよチョーショくん」
「えっ…もしかして…大川くん…!?」
「そうだよ!ひさしぶり!」
「何でガイアが…いや、何でこんなこと…!!!」
「この話2回目するのは疲れるからまた今度ね!」
大川リオ…ミヤトと同じサッカー部の副キャプテン。
ミヤトがいつも言っていた。
「リオがいるから俺が好き勝手できるんだ。
あいつがいないチームなんてありえねー」
そんな大川くんがどうして…
「チョーショくんとはあんまり喋ったことないもんね。ミヤトはもっと驚いてたよ」
「えっ…ミヤト…!?」
「うん。さっきまで一緒だったんだ。まだ生きてるかわかんないけど。」
大川リオはけたけたと笑っている。
その言葉を聞いた瞬間、沢山のことが頭をよぎった。
『チョ、チョーショ、こいつは…!』
「あぁ、やばい…!」
「インドラーーーーッ!!!!!!」
声と共に雷が落ちた。
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『ミヤト!起きろ!』
頭の中で声がする。
お腹が熱い。鉄の味と塩の味が舌を撫でる。
遠くの方で雷が落ちた。
チョーショが戦っている。
このままではまた同じことの繰り返しだ。
もう考える時間は終わりにしよう。
「最後の力を貸してくれ…」
「ルドラ」
雷が落ちたのとほぼ同時刻、竜巻が巻き起こる。