5話 しゃがみ込み
近所にミヤトの祖父が所有している山がある。
僕達はそこで能力の練習をすることにした。
ミヤトはやはりセンスがいいらしくインドラもほめていた。
一方僕はコントロールが上手くいかない。
どうやらあの時の電撃はラッキーパンチだったようだ。
『うーん…まずは出力を絞ってしっかりと的に当てられるようになろっか。』
「頑張ります…」
特訓が始まった。
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それから毎日、死んだように眠る夜が続いた。
同時に筋トレやマラソンなども行なっている。
ご飯がこんなに美味しく感じるのは初めてだった。
ミヤトはもうすでに巧みに能力を使いこなしている。
そこでSTEP2としてミヤトは街に出た。
アメコミが好きなミヤトはヒーローをやってみたかったらしい。インドラ達も無意識に力を使えるようになるためにはちょうどいいと言っていた。
「新井ミヤト」という人間であることは隠しながら沢山の人を助けに回っている。
技を作って名前なんかも付けていた。
何日かだった後、学校から連絡が来た。
どうやら夏休みに前倒しで入るようだった。
今は6月。少し早いがこれで力の特訓をする時間も増えた。
ミヤトは少しだけ悲しそうだった。
ミヤトはサッカー部に所属している。
キャプテンで10番。ストライカーだ。
みんなからの信頼も厚いし結構モテる。
3年生として最後の夏だったが部活も当面の間中止となってしまった。
実質引退のような状態だったがミヤトは
「これで特訓に集中できるから」
と言っていた。
大学受験のことは完全に頭にないようだった。
そして2週間、時間が飛ぶ。
ここから僕達の物語も大きく動き出した。