13話 神業
各地で戦闘が繰り広げられている。
中でも1番激しいのはここだった。
「ふんっ!」
ドゴゴォン……!
トリニティが"落雷"を使用し、"影法師"達を薙ぎ倒す。
(くそ!あいつの強さは想像以上だ…!!!)
スカアハは建物の影から"影法師"を生み出し続けている。
(どうにかして隙を…)
「"雷撃"」
ズガンッ
スカアハは雷の矢を間一髪で避けた。
「バ、バレてんのかよ…!」
「ほら、出てこい。」
「こうなったらやけくそだ……!!!」
"影分身"
スカアハは影で自身の分身を作り出す。
「「くらえ!」」
2人のスカアハが構える。
「「"火影"!!!」」
2倍の炎がトリニティに向かって放たれた。
「"風神の斬撃"」
突風と共に生み出された風の斬撃は、炎を押し返しスカアハを切り裂いた。
「ぐああぁ…!」
"影分身"が消滅していく。
「俺の分身でも一撃かよ…!バケモンが…!」
(あいつの…あいつの力の弱点を探すんだ…!)
能力を作る際、誰もが決めているルール。
それは基本的に弱点となり得る。
そこからスカアハは徹した。
攻撃をかわし、受け流し、相手を見極めることに全てを捧げた。
"迅雷""雷撃""落雷"…
スカアハはしばらくの間、隙なく放たれる技を交わし続けていた。電撃も斬撃も、"影分身"や"影縫い"で上手に受け切る。
(なんだこいつ…わからねぇ…!戦闘面じゃないルールを仕込んでんのか…?)
「もしかしてだけど…僕の弱点探してる?」
「!?」
「もしくは能力のルールとか。」
「それもお見通しかよ…!」
「やっぱりそうだったんだね。じゃあ特別に教えてあげるよ。僕の能力について…」
「はぁ?そんなことしてなんになるってんだ…」
「教えてもお前には負けないから」
「んだと……!!!」
スカアハは一瞬激昂しかけたが、すぐに切り替えた。このままでは勝てない。なのであればこのまま喋らせた方がいいだろうと。
「僕の能力は"風神雷神"。さっきから見ている通り、風と雷を創造する能力だ。生み出した風と雷は好きなように操ることができる。」
(ライジングて…風関係なさそうな名前だな…)
「そしてお前が1番知りたいであろうこの能力を強化するルールについてだけど……そんなものは存在しない。」
「…………は?」
先程は自分を抑え込んだスカアハだったが、今度こそは驚きを隠せなかった。
「そんなの……ありえ……」
『残念だけど本当なんだよなぁ。』
そう。トリニティが扱う能力、"風神雷神"に弱点という弱点は存在しない。少なくとも自分からデメリットとなり得るルールは設定していない。
もしルールを設定していたら、それこそ世界ごと破壊するほどの威力を放てる力になっていただろう。
「とんでもねぇ高スペック野郎じゃねぇかよ……」
「あんまり人にスペックなんて言葉使うなよ」
(チョーショは…奴の言う通り完全に化物だな…。お前はチョーショの潜在能力に気づいていたのか?)
(いや…能力作ってる時にルールの説明忘れちゃってたんだよね。それなのに当然のように強い能力使ってるからびっくりしちゃった⭐︎)
(お前………)
ルドラとインドラが頭の中で会話している。
「もうわかっただろ。時間稼ぎしてたって僕には勝てないよ。」
「わかった…じゃあ真っ向勝負と行こうじゃねぇか…」
ズズズズ…
「ん?」
「何も弱点探しのためだけに時間稼ぎしてたわけじゃあねぇんだよ……」
スカアハの後ろからもう1人、スカアハが現れる。
「これは……」
『こいつの能力…!』
『第二段階に…!?』
「あぁ…行くぜ…!」
神業 "無限抱影伏魔殿"
技が放たれた瞬間、その場一帯は巨大な影に包まれた。




