12話 チャイルドフッド
「はぁ…はぁ…やったな…」
「そうだね…よかった…」
ブレイズマンのサポートによってヒマリは"影武者"を倒すことに成功した。
「あとは雑魚だけ…」
ブレイズマンが何かに気づく。
「危ねぇ!!!」
「え!?」
ブレイズマンはヒマリを庇い、左肩に攻撃を喰らってしまった。
その攻撃の正体は…
「そうだよな…武者だもんな…。そーゆーのもありだよな…!」
「ゆ、弓矢!?」
攻撃元の方を見ると、本館バルコニーで"影武者"が弓を構えていた。
現在地からバルコニーまではさほど距離はない。
しかし高低差がある。
(バルコニーは4F…ここからじゃ…)
「お前…あそこまで行けるか?」
背中合わせのブレイズマンが語りかける。
「バリアじゃちょっと…空は飛べないかも…」
「わかった。じゃあ俺が行く。」
「怪我してるのに!ここは逃げたほうがいいんじゃ…」
「大丈夫。いける。俺はもう…ヒーローだから」
肩を押さえながらブレイズマンは立ち上がった。
(この子…すごい…)
「こいつら頼んでもいいか」
周りにはまだ無数の"影法師"が存在している。
「うん…大丈夫任せて…!私だって…今からヒーローなんだから!」
「頼んだ!」
炎を噴射し飛び上がる。
その間も"影武者"は弓を放ち続けている。
(この矢…まさか!)
「うおおおおおっ!!!」
ブレイズマンは突然弓矢の射線状に入り込み、腕で矢を受ける。
『カケル!?何やってんだ!?』
「この矢…俺じゃねぇ…あっちを狙ってやがる!」
『だからってお前よぉ…!!!』
プロメテウスが情けない声を発している。
その後2、3本の矢を受けてしまったがブレイズマンはバルコニーへとたどり着く。
「お前…フルオートで動いててそーゆー性格してんだよな…?」
ブレイズマンが静かに震える。
(このまま"我王砲ぶっ放したら建物まで壊れちまう…)
やっと自分へと向けられた矢を空中で避け、目の前へ距離を詰めた。
膝を折り、"影武者"を見上げる体制だ。
「だから!"ちょっとだけ我王砲"!!!」
小爆発のようなその攻撃は"影武者"を空中へ吹き飛ばした。
「これで遠慮なく打てるんだぜ!」
ブレイズマンは再び構える。
「"我王…!」
その時、ブレイズマンは感じた。
完全なる死角からの殺意に。
反射で振り返ると、そこにはもう一体の"影武者"。
こちらに向けて弓を構えている。
「1人1体じゃねぇのかよ…!」
思わず笑みがこぼれてしまう。
"我王砲"は既に発射体制にあり、持って数秒だ。
("我王砲"撃ったら反動でかわせねぇ………!こっからじゃあ"ちょっとだけ"への移行もできねぇ…!)
無論、新たな"影武者"を撃つこともできない。
奴の背中には本館が広がっているからだ。
(どうする!?俺!!)
「"防御壁→足場"!」
そこに現れたのは片野ヒマリ。
『バリアを足場にしてここまで来たのか!!!』
「そして〜!"防御壁→槌"!」
バリアを樽のような形に変形させ、"影武者"を吹っ飛ばす。
行き先は空中。2体の"影武者"が射線上に並んだ。
「これでいける!?」
「あぁ…ばっちりだ」
"我王砲"!!!
2体の"影武者"は跡形もなく消し飛ばされた。




