4話 その名も。
僕の家は学校から何個か駅を超えたところにある。
家に帰ると、母が泣きながら抱きついてきた。
どうやら地震があったのはあの街付近だけで、母はテレビを見て知ったらしい。
帰りが遅い、電話も出ない。当然のように心配をかけていた。
帰りが遅かったのは家の近くの公園で遊んでいたからだったことにして謝った。
『おいおい、随分冷たいな〜』
「お母さんには申し訳ないけど、今は早く話を聞きたい。」
家に着いたらすぐミヤトの家に集まることにしていた。
ミヤトの家は僕の家の向かい側だ。
「「ミヤド〜〜〜〜ッ!!!」」
ミヤトの家でも僕と同じことが起きていたらしく、ミヤトは両親にもみくちゃにされていた。
「チョ、チョーショ、部屋で待っててくれ」
2階のミヤトの部屋で待っていると、髪がぐちゃぐちゃのミヤトが来た。
「相変わらずだね…」
「まぁ…悪いことじゃないんだけどなぁ…」
『じゃ、始めちゃってよいかい?』
インドラが話し始める。
『まずボク達の説明からね。ボク達は創造神。
この世界を作った神々である、【クリエイターズ】のメンバーなんだ。』
(今更だけどほんとに神なんだな)
『上にはたくさんの神がいる。そのほとんどが
クリエイターズに所属している。』
『所属してない神はもれなく破壊神。そいつらは【デストラクチャーズ】って呼ばれてるよ。』
「クリエイターズとデストラクチャーズ…」
『破壊神の目的はこの創造されし世界の破壊だとされている。』
「でも…神が力なんて使ったら簡単に破壊できちゃいそうだけど…。」
『そこがポイントなんだ。』
『ボク達はこの創造されし世界に直接関与することができないんだよね。だからこの世界の主な種である人間に力を与えて間接的に破壊してしまおうってことなんだ〜。まぁ与えられた側は神ほどの力は出せないんだけどね。』
『当然、俺達創造神も直接関わることはできない。だからお前達に力を授けた。』
「で、でもなんで僕達が…!」
『あの大災害、人々が逃げ惑う中、
唯一人を助けるため動いていたのがお前らだ。』
『まぁ今更どうこう言ったところで力は回収出来ないんだよね。だからキミ達に戦ってもらうしかないんだ。ごめんね。』
(ごめんねて…)
『でもさ、ボク達はキミ達を選んだんだよね。
神に選ばれるなんてさ、すっごいことじゃない?』
「たしかに」
ミヤトはうんうんとうなずいていた。
本気でそう思っていそうだ。
『話を戻すが、お前達のように力を授かった者の名称も存在する。』
『神に創造され、そしてこれからを創造する者。
その名も【創造者】。
ボク達はそう呼んでいるんだ!』
「クリエーションズ…!!!」
壮大な雰囲気から出されたその名前。
僕とミヤトは同時に呟いた。
「ダセェ…」
「カッケェ…」
僕はめちゃくちゃ怒られた。