11話 どいつもこいつも天才だらけ
「おら!おらぁっ!」
『おらぁだにゃ!』
ストレイキャットは"影法師"の大群をどんどんと倒していく。
彼が今身につけている黒と緑のスーツ。
これはジーニアスこと西前ヒカルが考案、開発したものだ。ストレイキャットの戦闘スタイルに合わせ、伸縮性に富んでいながらも銃弾程度であれば傷を負わない耐久性まで持ち合わせている。(しかしちょっと痛い。)
「"猫空の鉤爪"!」
宙をかける斬撃は"影法師"を薙ぎ倒していく。
しかし"影武者"には通らない。
「あいつ…かてぇな…」
キャットは"影武者"に狙いを定めるとパンチや蹴り、"猫の鉤爪"など多数の攻撃を叩き込んでいく。
多少は効いているようだが、倒れる気配はない。
刀での攻撃を腕で防いでいる。
「いてぇ〜…」
切れはしないがちょっとだけ痛いようだ。
「お前…猫の武器って爪だけだと思ってんだろ…」
キャットが"影武者"の懐へ潜り込み、掌を向ける。
ストレイキャット、木村カイトの能力"猫の恩返し"は自分自身に「猫の身体能力」を与えるというものだ。
この能力は「猫にどれほど愛されているか」によって効果の大きさが変わる。
これはバステトが勝手につけたルールであり、本人には教えていない。
そして余談だが、彼はヒーローであると同時に「猫愛好家」としても多くの人に認知されている。日本の保護猫団体も殆どが彼によって設営されたという。
「"蹠球掌撃"!!!」
ズッドンッ!!!
"蹠球掌撃"は肉球に溜め込んだ「衝撃」を打ち出す技だ。
その肉球から放たれた衝撃は"影武者"の硬い胴体を軽々と破壊した。
「肉球ってのはなぁ…かわいいだけじゃあないんだぜ」
『…だにゃ』
「ふっ…決まった…」
『かっこよかったにゃ!!』
「だよなぁさすが猫ちゃん!わかってるぜ!」
"猫の恩返し"がこれほどにも強化されているのは木村カイト自身に理由があるということに、本人はまだ気づいていない。
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場面は変わり、手負いのブレイズマン、そして片野ヒマリが戦っている。
「"1㎡の防御壁"!」
バリアが"影武者"の刀を弾いた。
「バリアの能力……?めちゃくちゃ強いじゃねぇか…」
『見るだけでわかる…あいつ…すげぇスペックだ…』
プロメテウスが驚いている。
「どいつもこいつも…天才だらけかよ…!」
手のひらから炎を放ち、"影法師"を薙ぎ倒しながら愚痴っている。
「このっ…!」
ガギィンッ
ヒマリは攻撃を防ぎ続けている。
(広範囲に放った"防御壁→阻塞"じゃ"影武者"には通らなかった…!やるなら近距離からの"防御壁→槍"!でも…)
ガギンッ!
(バリアを解く隙がない!)
ズガガッ
ヒマリは既に"影武者"と"影法師"に囲まれていた。
影達の攻撃は無慈悲にも止まらない。
今まで間一髪で防ぎ続けてきたが、絶え間なく攻撃が与えられることによって綻びが生まれる。
真後ろで"影法師"が腕を振り上げる。
(しまった…間に合わな……)
その瞬間、空を切ったのは烈火の拳。
「背中は」
そう、ブレイズマンだ。
「任せろ」
ドゴォンッッッ!!!
さらに上空から“影武者"に対して"鬼火連弾"が降り注ぐ。
ドドドドドドドドッ
「これで少しは隙もできるだろ…!」
「うん…!ばっちり!!!」
"防御壁→槍"!!!
青く半透明なその槍は、"影武者"の頭部を貫いた。




