1話 学園祭
「それじゃあ頼んだよ」
「任せとけ…あいつらみたいなヘマはしねぇ…」
男が扉を開けて外に出る。
「誰にも負ける気がしねぇよ…!」
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今日は待ちに待った学園祭。
私はぜんっぜん待ってないけどね!
「はぁ〜あ!ひまだ!!」
私の名前は"片野ヒマリ"。
化学研究サークルに所属する大学3年生だ。
私が在籍している"将陽大学"は国内トップクラスの偏差値を誇るマンモス校であることで知られている。
どの学科も偏りなく偏差値が高く、研究室などの設備も最新のものを取り揃えているので人気が高く、毎年の倍率は130倍を前後するほどだ。
そんな将陽大学の学園祭。
生徒の人数も多いことや敷地も広いことから、そこらへんのちょっと大きなお祭りよりも出店が多く、"日本最大の学園祭"とも言われている。
私は人混みや賑わっているところがあまり好きではない。
い、陰キャじゃないよ…!?
ただそーゆーところが好きじゃないだけ!
化学研究サークルも出し物はしていて、私は準備だけ手伝った。
だからいつもの仲間たちはみんなお店の方にいるんだ。だからひとりぼっち。
今私がいるのは研究館という研究室や作業室が集まっている棟。学園祭は主に本館で行われている。
ざわざわとした声が微かに聞こえてくるが、まぁまだマシだ。
もうすぐ時刻は午前11時。
お店が混む前にお昼だけでも出店で買っておこうかなぁ。
「よしったこ焼きにしよっ」
研究室のイスから立ち上がった瞬間。
どっかあああああああん!!!!!
「へ?」
どこかの研究室から大きな音がした。
(研究館には私しかいないもんだと思ってたけど誰かいるのかな……)
好奇心で音のしたフロアへ行ってみた。
ある部屋から少しだけ煙が出ている。
「へぁぁぁぁぁ…!」
中から女の人が出てきた。
「また失敗かぁ…」
「あの…大丈夫ですか……?」
「ん??あ、大丈夫です大丈夫です!」
眼鏡をかけていてポニーテール。私より背の高い女の人だった。
「ってあれ!?燃えてる!ちょ、ちょっと消火器取ってください!」
「え?あ、はい!」
2人でなんとか消火する。
ここからだった。
私の人生が大きく変わったのは。




