12話 2度目の。
俺たちのいたフロアが水で溢れる。
「ぼがが………」
『カケル!!!』
身体中が痛い。多分折れてる。
そして水中というのがまずかった。
"我王砲"の為に組み込んだルールの中に「水中で泳げない」「水中で能力を使えない」というものを作っていた。
肺の中の空気が次第になくなり、下へ下へと沈んで行く。
(苦しい…痛い…死ぬんだ俺は…)
意識が遠のく。
(ごめん…プロメテウス…)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
気がつくと俺は水の外で倒れ込んでいた。
目の前にはヒカルさんが俺に装着していたガントレット。
(ど、どーゆーことだ…?)
『起きたかカケル!』
プロメテウスの声がする。
変身は解けていない。
まだ時間はさほど立っていないようだ。
『まだ数分しかたってねぇ。ガントレットが急に現れたんだ。沈んで行く俺らの目の前に。』
プロメテウスが続ける。
『それでそのまま陸に引きずり出してくれたんだ』
「もしかしてパトラ……?」
付けていた無線は波に流されてしまったようだ。
「いや…それよりポセイドンは…!?」
『あそこだ…』
数十メートル先、タコ足を使い身体を持ち上げるポセイドンが見えた。
立ちあがろうと力を込める。
『おい!まだ動ける状態じゃ…』
(数分しか経ってないってことはまだ逃げ切れてないかもしれない…)
「全力で止めるって言ったからな…」
技の連発により本来ならぶっ倒れているほどの熱が体内に存在している。
しかし今は水に冷やされ頭や意識ははっきりとしている。
「まだバレてない。今がチャンスだ…」
少しでも時間を稼ぐ。
身体は思うように動かない。
深呼吸をした後、ポセイドンがいる方向とは逆向きに、必殺技を放った。
「いくぞ…"我王砲"!」
2度目の我王砲が撃たれ、
俺の身体は一直線にポセイドンに向かって行く。
「おらぁぁぁっ!!!!」
「何!?!?」
ポセイドンが振り向く。
防御されるよりも速く、渾身の体当たりが炸裂した。
「ぐっ…なんてしぶといやつだ…!!!」
(これが限界………みんな逃げきれたかな…)
俺の落下しながらそれだけを願った。
「今度はしっかりトドメをさしてやろう…」
"波打三叉槍"
ポセイドンが水で槍を創り出す。
「さらばだ、火炎のヒーローよ」
(俺も少しはヒーローっぽくなれたかな)
『あぁ!立派なヒーローだよ!!』
プロメテウスが泣いている。
ゆっくりと目を閉じる。
俺はポセイドンの槍に貫かれ、物語は終わりを迎えた。
かに思えた。
「ごめんなヒーロー。遅くなった。」
『大丈夫?ボロボロじゃん…』
『無茶をするやつだ。』
目を開けると目の前には見たことのある顔があった。
テレビで観た、夢を思い出した原因。
「あ、あんたは…………」
「後は任せろ。」
そこには最強のヒーローにお姫様抱っこされてる俺がいた。




