6話 AIのパトラ
ずいぶん飛んだ。
「ユーザー佐川カケルを認証。ハローカケル。
ワタシは"コマチ"。ボスによって製作されたAIです。残り3分ほどで基地へ到着いたします。」
3分後、あるご飯屋さんの前に立っていた。
「き、基地…?」
「えぇ。基地です。入ってください。」
看板には「吾妻庵」と書いてある。
「いや普通にご飯屋さんだけど…」
「入ってください。」
『まぁこう言ってるんだしいいんじゃないか?』
「んん…」
コマチとプロメテウスがそう言うので仕方なく入った。
「ごめんくださーい」
「あい!いらっしゃい!」
「ハロータクミ。ワタシ達は下へ参ります。」
「なんだ、コマチちゃんがついてんのかい!」
「カケル。そこのドアの前に立ってください。」
「ここ?」
なんとなくトイレの入り口っぽいドアの前に立った。
"AI、コマチを確認。地下への立ち入りを許可します。"
スライド式のドアが開くとエレベーターが待っていた。
「うわ…すげ…」
『すごいな…』
「やっぱ神でもそう思う?」
俺たちは地下へ向かった。
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エレベーターを降りるとそこには大きなラボが広がっていた。
中央には巨大な機械が設置されている。
「ここであーゆーの作ってるのか…」
「あんたが新しいクリエーションズゥ〜?」
どこからか女性の声がする。
「弱そうねぇ〜」
「え…?どこから…?」
「ここよここ!」
目の前のモニターが起動し、顔が映し出される。
いかにも"パソコン画面が顔のキャラクター"と言った顔だ。
「あなたもAI…?」
「そうよっ!アタシはパトラ。
AI3人衆AI'sのリーダー!」
「AI3人衆?」
「そう。ヒカルに作られたAIよ!
アタシとそこにいるコマチ。あとはボスに着いてるヨーキーの3人でAI's!」
「な、なるほど…」
「で、さっそくだけど本題。アンタは今すぐ逃げてなるべく人目に当たらないように隠れながら生活しなさい。2人の救出はアタシたちだけでやるわ。」
「救出?2人は無事なの!?」
「えぇ。ヨーキーと連絡を取れたから間違いないわ。」
「俺も…」
「調子に乗らないで。
アンタはまだガキ。早かったのよ。」
「でも…俺は…ヒーローに…」
「ヒーロー!?ふざけんな!!!」
パトラの声量が上がった。
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「17歳…?まだ子供じゃない…」
「うん。でもね、彼はこのままじゃあいつらに目をつけられる。その前に救わなきゃ。」
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「アンタのせいで!ヒカルもカイトも捕まった!!!」
パトラは画面の中で涙を流している。
「アンタなんかいなきゃーーー」
飛ばされてる間も、ここに来るまでも、
今も、わかってたけど考えたくなかった。
「俺の…せいだ…」
涙が溢れる。
「わかってる。俺のせいだ…
俺が弱いせいで…自分勝手なせいで…
あの2人が犠牲になった…」
ヒーローになりたかった。小さい頃からの夢だった。
しばらくの間忘れ去っていた夢。
テレビでたまたまトリニティを観た。
忘れていた夢を思い出した。
そんなタイミングでプロメテウスと出会った。
力をくれた。
何で来たのかは知らない。
それでも嬉しかった。
人を助けた。
この小さい島で。
もっと大きなものを助けるために必死だった。
「でも俺は…力不足だった…」
ああ、鼻水まで出てぐしゃぐしゃだ。
「2人を…だずげだい…!」
「はぁ………」
『カケル…』
「レクチャーズを一緒に行かせるわ。準備しなさい。」
「いいの………?」
「ただし、絶対に2人を救出すること。
アンタが死ぬのも無し。」
「……わかった」
「シン!ギンジ!」
「「はい。」」
「ヘリを準備して。この子のサポートを。」
「承知しました。」
後ろを見ると黒スーツの男が2人立っていた。
「2人について行って。」
「ありがとう…!」
俺はヒーローを助けるために今日、
本物のヒーローになる。




