2話 始まりの日②
眩しい。
自分が光に包まれたようだった。
「すっげ…」
ミヤトの方を見ると高校の制服ではなく、ぴったりとした黄緑を基調としたヒーロースーツとマントを身につけていた。
僕の方は色違いで黄色。マントが無く、腕の周りに雷っぽい装飾が施されている。
「うわぁ……」
まさに子供の頃憧れたヒーローって感じ。
コスプレをしている気分だ。友達には絶対見られたくない。
『恥ずかしいって失礼な。ボクの普段着だぞ。」
(これ普段着なんだ)
『ってそんなことはどうでもいいのよ。あっちの彼には「風の神ルドラ」が付いてる。』
(風神と雷神ってことか…)
『そして今から戦わなきゃいけないのは
「地の神ガイア」から力を授かった人間さ。
ガイアは土とか地面を操れる。地震も地割れも起こせちゃう。』
(マジすか…)
『キミにはそんな彼を倒して欲しいんだ。
気絶とかさせてくれればいいよ。そしたら
ボク達の力で封印するからさ。』
「頑張ります…!」
『じゃあ行こうか。案内するね。』
僕達は走り出した。
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『キミは頼りなさそうだなぁ。やるって言ったのにもびっくりしたよ。』
「ハァ…ハァ…僕だって助けたかった。
僕に力がなかっただけなんだ…。」
『ほう?』
「こうやって出来ることが増えたんだ。
もう誰にも死んでほしくない。」
『カッコいいねぇ。キミが死なないことを祈るよ。ほら、あいつさ。』
僕達は広い道路に出た。
20メートルくらい離れたところに地面が高く盛り上がった山が出来ていて、その上に人がいる。
そいつは仮面のようなもので顔が隠れていて
フードを深々と被っていた。
「ん?」
どうやら男のようだ。
「お前がこれをやったのか?」
ミヤトが叫ぶ。
こちらをじっと見つめるとそいつは地面に手をついた。
その瞬間、無数の地面の槍がこちらに向かってくる。
(うわまって死ぬやつじゃん…!)
『大丈夫だから落ち着いて。右手に力を溜め込むイメージだ。あれが来るタイミングで前方に放つんだ。』
(溜める…溜める…!!)
右手に青白い電気が現れ始めた。
『今だ!』
ブゥン…………ゴロゴロドォォォォンッ!!
目の前一直線、赤黒く焦げた道が出来ていた。