12話 新井ミヤト
ものすごい衝撃の後、砕けた巨人の破片が飛び散った。
ミヤトの創り出した巨大な竜巻も消え去った。
「終わった…のか…?」
「いや…」
『まだだね…』
ガイアが立っていた位置の地面が盛り上がり、中からガイアが現れた。地面の中に逃げたようだった。しかし…
「いってえぇぇぇぇなぁぁぁぁぁ…くそがぁぁぁっ」
ガイアの右腕は無くなっていた。
「てめぇのせいだぞミヤトォ…俺の巨人を砕きやがるから…!」
瓦礫のせいなのか竜巻のせいなのかはわからないが、何故片腕を失った状態でも立ち上がれるのか。それほどの執念に駆られているのだろうか…。
「お前を殺せないなら…最大限苦しませてやるよ…!」
"大地の槍"
次の瞬間僕に向けて槍が飛んでくる。
『チョーショッ』
「くっ…」
足が痛い。頭がフラフラする。うまく力を使えない。
『何でもいいからぶっ放せ!早く!』
「う、うぉぉ…!」
手のひらを構えるがもうすでに槍は目の前だった。
(くっそ………!全然役に立ててないじゃないか…!!)
僕はわかっている。
ミヤトがいなければこいつは倒せない。
僕じゃこいつには勝てない。
僕は足手まといだ。
わかっているんだ。わかっていたんだ。
「なんでなんだよ………ミヤト………」
『マジか…』
「なんで僕なんか…」
土煙がすさまじい。
ミヤトは槍の攻撃を受けた。
僕を庇って。
「俺は元々長くなかった。
さっきあいつの攻撃腹に食らっちまってたんだ。
チョーショ…死んでもお前のせいじゃ無い。」
「なんでなんだよミヤト…
僕なんか助けなくたって……
どうして…………」
(どうして…か…)
「助けなきゃって思ったんだ。
もう目の前で失うのはうんざりだ。」
「ミヤト……」
「お前なら勝てるって言いたいところだけどあいつは強すぎる…。
2人なら勝てたかもしれないんだけどな…」
『だったら1つ案がある。』
ルドラの声だ。
『ミヤトが持っている俺の力をチョーショに授ければいい。2つの力を持った者の前例は無いが。』
ミヤトから…僕に……?
「そんなことできるのか。」
『あぁ裏技だ。』
『創造者は死んでから10年後、創造神に昇格できる。それを捨てる代わりに力を渡せる。』
『でもチョーショの精神に宿れるのはルドラだけだよ。ミヤトくんは昇格も出来ないしここで終わりだ。』
「よし。渡そう。」
目の前でどんどん話が進んでいく。
「ちょっとまってミヤト…今重大なことさらっと言われてるし渡さなければミヤトが次のルドラになれるってことでしょ!?」
『そーゆーこと』
「じゃあ渡さなければミヤトは…」
「チョーショ。」
ミヤトが続ける。
「大事なのは今だ。10年後俺が誰かに力を授けられるとしてもこの時間を救えなくなる。
力はお前に渡すべきだ。」
「僕…1人で…」
あいつを倒すしかない。
「大丈夫だ。チョーショなら大丈夫。
あとは頼んだ。」
僕は力を振り絞って立ち上がる。
そして僕は泣かない。それは後でだ。
変身はいつの間にか解けていた。
「行け…チョーショ……!」
ミヤトの命が尽きるのと同時に、僕は2つの名を叫んだ。
世界を救うため。




