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宮霰虹宝  作者: 池ちゃん
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プロローグ 始まり

暗雲が続く、まだ朝も来てないかのような、そんな風景。

ここは、そんな、閉ざされた世界。

光を失って、もう何年もたつ。

彼らにとって、闇が生死の場所であった。


だが…ある日、ある一人の男によって、それは解き放たれた。


「お前たち全員が、本当の世界を見る資格があるんだ!さあ、立て!今こそ、本当の世界を、その眼に焼き付けるのだ!」


その男の名は、智岸ともみね公太郎こうたろう

その男は、己が見た、ここにない光がここにいる人すべてに受け継がれるべきと、そう体で感じ取れたのだ。


だが、彼についていくものなど、誰一人としていなかった。

それは、皆がここ、闇の世界の住民が光の世界に行けば、それは、故郷を離れるということになるのだ。


「…」


彼は、悩んだ…、深く…、早く、この闇から出してやりたいと、そう思った…。

そして、彼は、数年を経て、やっとたちがると、何も言わず、木の一部となり、今もそれがここに残っているという…。




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