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神様業務が嫌になったので神様やめて人間に転生してのんびり暮らしたい!  作者: 秋瀬雷
第一話 祝福《スキル》を授かる日
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祝福《スキル》を授かる日(3)

「神の教示」から数日が経った。


あの日俺の祝福スキルがバレてしまってすぐ神父様は王都にある教会の教皇へ連絡。

それが国王の耳に入ったことにより俺は国王と謁見することとなってしまった。


ということで俺は今、迎えの馬車に乗り王都へ向かっていた。

セギル村から馬車に揺られて1週間経とうとしている。


「アーク様、もう少しで王都へ着きますので辛抱ください」


馬車には俺の他にシャニスという迎えの人が乗っていた。


「はい、大丈夫です。ですけど・・・」


シャニスさんは見た目は眼鏡をかけた優男だがオルギス王国騎士団の一番隊隊長。

実力でいうと団長、副団長の次に強い。

騎士団の中で3番目の実力があるということだ。


「何度も言ってますけど様付けはやめてもらえませんか?」


そう言うとシャニスさんはニッコリ微笑みながら

「いえ、陛下のお客人なのですから丁重にするのは当たり前ですよ」

と言った後、腕を組み顎に手を当てながら

「そうですね。アーク様が騎士団にもし入ったときは考えますかな」

と言って笑った。


ははは、それは絶対ないな。


「それにしてもセギル村から出て一週間って遠いですねぇ」

「そうですねぇ。魔道具ができる前は二、三週間かかってましたしセギル村よりも遠い村はありますから昔から比べれば近くはなりましたよ」

「そっ、そうなんですか?・・・それより魔道具って何ですか?」

「ご存じないですか?数年前に【魔法神の加護】と【道具神の加護】の祝福スキルを持った隣の国の研究者が魔力を帯びた道具を作り暮らしやすい生活を世の中に広めようとしたのが始まりでした」

「へぇ」

「その研究者に賛同したいろいろな技術者たちも参加しその中から生まれたのが手綱と蹄です。それを付ければ馬が疲れることなく走り続けることができるようになりました。この馬車も魔道具の一つですよ」

「えっ?これがですか?」

「二頭の馬が普通にこの大きさの馬車は引っ張れませんよ」


確かに、トイレや台所にソファ。しっかりとした居住する環境がついている。それにこの一週間夜通し走り続けていた。聞きはしなかったが不思議に思ってたんだよな。

まさかそんな道具を作れる人間がいるとは祝福スキルを授けるってのも無駄ではなかったということか・・・あれっ?なんか昔、魔法神と道具神が合同でなんか申請してきたことがあったなそれがこれだったっけかな?

忘れたな、、、


「魔道具ができたおかげで遠くへ行く時間も短くなりましたし冷気を使った箱を作り生ものの保存期間が長くなったりしたので行商人の品物も変わりました。ホント便利な世の中になったものですよ」


そういえば海がない山尾のセルギス村に海魚を売りに来る行商人がいたな。

冷気の箱があったから海魚を腐らずに持ってこれたということか。


「さて、アーク様。王都が見えてきましたよ」

「本当ですか!」


俺は、窓から身を乗り出す。


「おぉ、でっか」


高い壁に囲まれながらも見えるお城。

さすが王都だな・・・って感心してる場合じゃない。

これから、王様に会うってのに。

しかし、呼ばれた理由が分からん、、、訳でもないか。

俺の祝福スキルが【絶対神の加護】だからだろうけど。

神父様が言ってたな【絶対神の加護】はかつて勇者や英雄と呼ばれた人物が持っていたって言ってたな。

俺が絶対神の時【絶対神の加護】を授けたのは何人いたかな?

それが全員勇者や英雄と呼ばれたと言われたら授けたかいがあったと言っていいのか?

いや、俺が迷惑だと思ってるからもしかしたら迷惑と思ってる子たちもいたかもな。

うーん、何か悪いことしたかなぁ。

まぁ、もうこの時代にいるわけじゃないし別にいいか。

しかし、このままだと俺が勇者や英雄と言われるようになるのか?

のんびり過ごしたくて人間になったのにそれだけは何としても阻止したい。

でも、どうすればいいんだよー。


「シャニス様、ご苦労様です」


そうこうしているうちに王都の入り口に着いた。

王都の入口を守る門番がシャニスさんに敬礼をしている。


「ご苦労様、特に異常はないね?」

「はっ、何も問題ありません」

「よろしい。引き続き頼みます」

「はっ」


敬礼をする門番を横を馬車は王都の中に入っていく。

入口からお城まで一直線に道路が続く。

道路の脇にそびえる建物。活気がある露店に行きかう人々。


「おぉ、さすが王都だなぁ」

「アーク様、時間があったら街へ出てもよろしいですから」

「ホントですか。ありがとうございます」


街の探索は面白いだろうな。

ウキウキしつつも馬車はお城へと向かっていった。

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