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閑話 三章あとがき集

びぼーろく

四十話

【サンフレイズ平原】

 プレシスでも有数の広さを誇る平原。多数の遊牧民が家畜を放牧している。

 一瞬牧歌的に見える場所であるが、戦争になった場合は真っ先にここが戦地になるため、アンデットが沸きやすい。また、平原の中央部にはいくつかの遺跡が残されており、その大半は戦争で消滅している。しかし、ただ一つの祠だけは、その姿をそのまま平原に残している。

 幾度となく繰り広げられた戦争を意に帰さず、その翡翠の祠はいつまでもいつまでも佇んでいる。


__翡翠の祠は、STOの一章ストーリー上では、ただの設置物であった。


四十一話

土魔法第三位【アースガード】

 土魔法の代表的な防御魔法の一種。光魔法で展開できる防御、【バリア】と比べ、物理攻撃に強いのが特徴である。

 ただし、発動速度は熟練度に左右され、熟練度の低い術者がアースガードを使用すると、土壁ができる前に攻撃が届いてしまうことが多いため、術者はとにかく練習をしなければならない。


 応用方法として、アースガードをうまく使えば仮宿の建設などができる。だが、魔法をひとたび解除すると、アースガードを作っていた土は魔力に還ってしまうため、定住には向いていない。


四十二話

隊商(キャラバン)について】

 サンフレイズ平原には、多数の遊牧民が生活している。遊牧民たちは半ば自給自足の生活をしているのだが、それでも魔物と戦うための武器や、刈った羊の毛などを売る場所が必要だったりする。それを満たすのが、隊商である。


 スイートビー商会は、嗜好品を主に取り扱っており、特にエルフの村と交易して手に入れたエルフ蜂蜜などは高級品として取り扱われている。

 遊牧民たちも、ほとんど変わらない放浪の日々の癒しとして甘味を愛しているため、スイートビー商会はなかなか有名どころであるという。


 余談ではあるが、シップロ三部門長はサンフレイズ基準だとそこまで甘いもの好きではない。ヤバい人はあの紅茶に蜂蜜と砂糖をもっとどっさりと入れる。糖尿になりそう。


四十三話

【醤】

 要するに絞っていない醤油。もろみの状態のこと。大豆と水、塩、麴などを原料にしている。

 大豆自体はエルフたちが作る豆の中にあるため、交易の最中に発酵しているのが見つかり、作られるようになった。発酵食品自体は、チーズやヨーグルトなどで耐性が作られていたため、サンフレイズ平原に広く広がる。


 使用方法としては、食材に直接塗る、かける、など。麻布があまり普及していないため、日本のしょうゆのように絞ってはいない。絞れば醤油になる。

 ジルディアスは割と嫌いではない味であったらしい。


四十四話

【『旅する村』メルヒェイン】

 サンフレイズ平原最大の遊牧民族。もはや規模が大きすぎて、村というよりも、町に近い。

 行く先はメルヒェインの長老たちが風を見て決めているため、気ままに停留したり、放浪したりを繰り返す。そのため、隊商の最中にメルヒェインに出会えた商人は、幸運に見舞われるという逸話があるほど。


 とはいえ、魔法による連絡手段があるため、どこにいるかは調べればわかる。さらに、物資や家畜、人間たちがたくさんいるため、村の移動速度は限りなく遅い。


四十五話

【二部のフラグ】

 STOの二部は、魔王破壊後のストーリーになる。

 原初の聖剣の反逆は、魔王と言う存在を世界に生み出した神に対するモノだった。しかし、原初の聖剣が封印された後、神はほかの神の裁きを喰らって研修処分に処された。

 そして、世界に害を与えていた魔王は、既に討ち取られたあとである。


……そうだとするならば、原初の聖剣が殲滅すべき対象は、一体何になるのだろうか?


 ヒントを言うと、二部のラスボスは最終的にレイドボスと化し、レイド戦をすることになる。


四十六話

【エールの酒精で水を消毒】

 結論から言うと、意味がない。滅茶苦茶簡単な話だが、度数の濃いアルコールを水に混ぜたところで、アルコールが薄くなるだけで殺菌作用などないのである。殺菌したいなら煮沸をした方がよっぽど早く安全である。

 それでも、科学の発展していないプレシスではそれを証明する手段はないため、エール水が流通している。魔法で作った水は大抵まずいから仕方ないね。


 ちなみに、エール水が飲料水レベルなのは、川がほとんどないサンフレイズ平原くらいであるため、一般の店でエール水が出るということに注意する必要はない。サンフレイズ平原で水を飲むには、井戸から水を汲み上げるか、水魔法の才能のある人間が水を魔法で作るくらいしか手段しかないのである。

 ちなみに、洗濯や食器洗いは魔法で作った水で十分であるため、生活に困るほどの水不足にはあまりならない。


五十話

【武器の破壊者 (ウェポンブレイカー)について】

 武器の破壊が容易になり、破壊した武器の攻撃力を己の攻撃力に加算できるオリジナルスキル。ジルディアスが所有している。

 敵の武器を破壊し、攻撃力を下げると同時に、己の攻撃力は上がっていくというクソ仕様。バフの継続時間は、戦闘が終わるまで。戦闘外の場合は、30分間効果が持続する。裏ボスだからしょうがないね。


 クソ強理不尽オリジナルスキルだが、一応欠点がないわけではない。

 一つは、武器を持っていない敵にはさほど意味がないこと。野生動物や多くの魔物は武器を持っていないため、対人にはめっぽう強いが、対魔物では武器破壊の恩恵を得ることができない。

 もう一つは、【武器の破壊者】は自分が所有している武器にも適用されるということである。ジルディアスがポンポン自分の武器を壊してしまっているのは、そのせい。


 とはいえ、金さえ積めば無限に火力を増強できるため、ジルディアスの戦闘スタイルにはあっている。武器代はとことんかかることになるが。

 ……逆に言うと、主人公ウィルと敵対するという運命を抱いているがためのオリジナルスキルともいえる。このオリジナルスキルは、あまりに対勇者への適応が過ぎていた。


五十一話

火魔法第1位【ウォーム】

 周囲の気温を上げる魔法。気温を下げる場合は、水魔法第2位の【クーリング】を使わなければならない。気温は上げるよりも下げるほうが難しいのである。

 熟練度によって上げられる温度や効果範囲が変わる。


 雪国では火を使わずに周囲を温められるため、重宝される魔法である。暖房くらいにしか使い道がない、不遇魔法。


五十二話

闇魔法第一位【サニティ】

 乱れた精神状況を正常に正す魔法。光魔法っぽいが、精神に作用するため闇魔法の分類。

 異常状態全てを治せるわけではないが、光魔法よりも精神を治すのに特化しているため、相当深刻な状況でも治せる。


闇魔法第三位【ブレイブハート】

 精神の異常状態をはねのける魔法。光魔法っぽいが、精神に作用するため闇魔法の分類。

 闇魔法の才能を持つジルディアスでも原初の聖剣の神語魔法にかかったため、念のために使っていた。


五十四話

【恩田裕次郎 について】

 彼は、単純に運が悪い人間であった。

 神の手違いで経験を積みきる前に寿命を迎え、そして、転生することになった。


 だがしかし、その転生もとある手違いによって、正しいものではなくなったのである。

__彼は、決して特別な人間ではない。ただ、彼は特別な運命を持ち合わせていただけなのだ。


五十五話

【恩田裕次郎】 Lv.1

種族:__ 性別:男(?) 年齢:19歳

HP:10 MP:25

STR:2 DEX:46 INT:48 CON:2

スキル

光魔法 Lv.1(熟練度 102) 錬金術 Lv.1(熟練度 0) 

ヘルプ機能 Lv.1(熟練度 55)

祝福

復活 Lv.3(2UP!)(熟練度 231)

変形 Lv.1(熟練度 112)


 【復活】のレベルが上がったことで、以下の項目が追加されます。

・復活に使うMP消費の減少(必要MPが全MPの四分の一になりました)

・復活にかかる時間の減少

・修復する箇所の制限


__第四の聖剣……いや、恩田裕次郎は、ジルディアスの武器であることを選んだ。故にこそ、己が人間になることを諦めてでも、原初の聖剣を倒すために復活のレベルを上げることを選んだのだ。


五十六話

【武器スキルについて】

 STOにおいて、聖剣は別の武器に変化することができる。そのため、それぞれの武器に応じた6つのスキルが存在する。基本的に、スキルがなくとも武器や技術を使うことはできるが、スキルを持っている者と持っていないものでは明らかに火力差がある。


 スキルは剣術、弓術、体術、槍術、斧術、棒術の六つであり、それぞれ得意とすることが違うが、スキルの名前は同一であることが多い(弓術の【強撃】と剣術の【強撃】など)。だが、扱っている武器が異なるため、同一の技名でも、スキルを持っていなければ技は扱えない。


 ちなみに、杖は棒術に相当するため、サクラは実は肉弾戦もできないわけではない。


五十七話

原初の聖剣【ウィルド】について

 STO二部のラスボスである。レイドボスであり、基本一対一で勝てるように作られていない。

 そして、ゲーム内では、神語魔法を使い、プレイヤーを追い詰めていく。順番は、ジルディアスの時同様、火、光、風、闇、水、土の順番である。この順番は【権限が不足しています】であるため、絶対に変わらない。

 ちなみに、作中で起きていたウィルドの形態変化は、ジルディアスと戦っている時とは逆になっていく。つまり、ゲーム内では人型から戦っていくごとに化け物になっていくのである。化け物形態は対多数向きだから仕方ないね。


 かつて世界の敵を滅ぼすために作られた剣は、世界の敵を神だと判断した。されどそれは作り手の意思を反していたため、決して壊れない翡翠の祠に封印された。

 祠の封印は、決して解いてはいけない。解けば、世界の敵を誤認した原初の聖剣が、世界を守るために滅ぼしてしまうのだから。


 ……本当は、ただ、生まれたての赤子だったのだ。世界を知らず、悪意を知らず、意図を知らず、それらを学ぶ前に、たった一人で狭い祠に閉じ込められたのだ。赤子は、平原でひとの醜い姿を見続けることしかできなかった。それだけだった。


五十八話

【緑の祠】

 STOのゲーム本編においては、メルヒェイン防衛線に当たる。主人公とジルディアスの初対面のシーンであり、主人公とジルディアスが決定的に対立する場面である。

 原初の聖剣ウィルドとの戦闘で辛くも勝利し、一番の脅威が去ったことを知っているジルディアスは、メルヒェインを移動させず魔物を殲滅してから移動することを主張するが、村一番の戦士であるクーランの腕を折ったジルディアスの言葉は村人からも勇者たちからも信用されず、結局村を移動させることになる。

 主人公との対立の結果、決闘となるも、原初の聖剣との戦いで負傷していたジルディアスは全力を出し切ることができず、主人公にとどめを刺す前に村人によって止められてしまう。道中でたまたま助けた隊商の人々にも責められた彼は、八つ当たりで魔物を片っ端から狩り殺したのだが、その功績が人々に知られることはなかった。



__赤子を閉じ込めていた翡翠(みどり)の祠は、壊された。原初の聖剣は、旅の過程できっと様々なことを学ぶことだろう。その後、彼が何を選ぶのか__人類の敵であり続けるのかは、まだわからない。

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