閑話 一章あとがき集
九話
【変形】
レベルや熟練度に応じて、様々な形に変形することができるスキル。聖剣は基本子のスキルを所有しており、勇者は神殿に申請することで武器の形を変えることができる。
聖剣には意思はないため、レベルアップの概念はない。そのため、武器以外に変化することはまずない。また、変形のスキルは、基本人族が取得することはないため、人間に変形できるかはわからない。
__できない、とは、言い切れないが。
十一話
『ゴブリンについて』
STOにおいて、ゴブリンとは最下級の魔物に位置する。
分類的には魔物化したサルが進化したものだと判断されており、知性はあるものの、子供の悪時柄程度の知能があるのみで、識字能力は見られない。雑食で、人間も食べる。
つわものぞろいの魔物の中では有象無象と判断されるものの、人類にとっては十分に脅威な魔物であることには変わりがない。
十二話
『勇者の不可侵』に関して
勇者は、神が認めればどんな身分の人間でも、どんな性別の人間でも、どんな民族でも変わりなく誕生する。そのため、人族の住まう国は魔王討伐のために協定を結んだ。それが、勇者不可侵である。
具体的な内容は、魔王及び魔物を討伐するための入出国の不要、身分違いの人間と会話する場合においての不敬罪の撤廃、支援金の支給などである。
しかし、魔王討伐が長期化している今、強力な力を持つ勇者の立場を悪用するモノや、逆に、勇者を利用しようとするものが相次いでいる。
十三話
【魔導士について】
魔導士とは、魔術を研究する研究職のようなものであり、業務体系的には大学の教授に近い。
具体的には、自分の得意分野の魔術を研究し、論文を提出したり、その傍らで魔術を学びたいものに自らの技術を教えたりする。
ただし、大学と異なる点は、魔導士は偏屈なものが多く、国には所属すれども、まとまった公社などで研究を行っていることが少ないため、一部の例外を除いて、大学のような校舎がない、という点である。
唯一の例外は、【英雄生産校】、【人類の英知】の二つ名のつく、ソフィリア魔術大学である。学園そのものが国の役割を果たしており、まさしく学園都市国家と言えるその学園では、有力な魔導士が教鞭を振るい、己の技術を高めるための研究などを日夜行っている。
十五話
【竜の生態】
ドラゴンは、様々な種族をまとめた名称である。
生態は多種多様であり、人族の竜種リルドラケンや、魔族の竜鬼、東洋に住まうという伝説の龍もドラゴンの一種と分類される。
しかし、中には知恵のないドラゴンも存在し、それらはいわゆる魔喰いの竜、もしくは、人喰いの竜などと呼ばれる。それらは害獣に分類されるため、リルドラケンもそれらのドラゴンを討伐することに忌諱感はない。
中には、後天的に魔喰い、人喰いに堕落してしまう竜も存在しているという噂があるが、真偽は不明である。
十七話
【魔力強化について】
魔力強化とは、幻獣、魔物などが用いる固有の技術である。体内に存在する魔力を全身に回すことにより、身体機能を強化するのを主な目的としている。
しかし、魔力強化は基本、人族にはできない。
理由としては、魔力の少なさ、濃度の希薄さなどがあげられるが、最も大きな理由は、体がもろいためである。
魔力とは命であり、生命力である。そんな塊が体を少しでも移動したらどうなるだろうか。下手をしなくとも、魔力は一瞬で体を焼き焦がし、その命を無為に散らすことになるだろう。
そもそも、魔力強化を行わずとも、強化魔法の類は多く、人族が魔力強化を行うメリットは皆無である。
十八話
【精霊の愛し子】
先述しておくと、人族は精霊に愛されていることが多い。具体的には、エルフは水や風の精霊に、ドワーフは火や土の精霊に愛されやすい。
そして、魔法を使えるものの中には、精霊の愛し子と呼ばれる存在がいる。精霊の愛し子となった者は、基本的にその精霊の属性の魔法が特出して得意になる。
わかりやすく言うと、ジルディアスは闇の精霊の愛し子である。
また、ごくまれに、精霊を感じ取れるほど繋がりをもつ精霊の愛し子も存在するが、数例しか発見されたことはない。
二十一話
【魔法の発動体に関する研究】
魔法の発動体には、様々な種類がある。杖、本、魔法陣、指輪など、それぞれ魔法の詠唱を助けたり、魔力をうまく調整したり、物によっては魔力を増幅させる作用すらもある。
そして、発動体にはおおよそ二種類の区別がある。
一つは、永続型。杖や本、指輪などがそれらに値する。目的は、詠唱の補助や魔力調節などで、武器として破損することはあれども、発動体のおおもとさえ残っていれば、修復することができるものである。
二つ目は、使い捨て型。紙に描いた魔法陣などがそれに値し、安物の杖や粗悪品の指輪もこの使い捨て型にしてあることがままある。魔石を発動体に組み込むことで、瞬間的な魔力の増幅を行い、文字通り魔力の発動体を使い捨てにして一撃を増幅させることに特化したものである。
一応、永続型の杖にも魔力の増幅作用を組み込むことができないわけではない。しかし、使い捨てのものと比べてしまうと、どうしても瞬発的な出力に劣る。
また、永続型の杖も、行使する魔力が膨大であるなど、魔力の出力に対して杖の耐久が足りない場合、使い捨て型と同様破損することがある。永続型の杖が破損する場合の多くの理由は、杖が劣化品であるなど、杖の方に問題がある場合が多い。
二十二話
【紅き竜】
STOゲーム本編において、第一のボス。その名も、【紅き竜】メイス
魔王の呪いによって狂ってしまった父であるオルスを追い、村から飛び出したレッドドラゴンであり、その後、自身も気づかぬうちに蝕まれていた呪いで完全に発狂する。
その結果竜喰らいに堕ち、ヒルドライン街にほど近い山に巣食うようになった。
呪いに対抗していたため、戦闘力は本来よりも限りなく弱体化し、まだ戦いに不慣れであった主人公一同にも負けてしまうほどの強さになってしまっていた。
しかし、紅き竜はとある勇者と聖剣のおかげで既に本来の力を取り戻した。おそらく、親子の竜は罪滅ぼしのタメ、翼を持ったその体で【魔王の呪い】についてを広く伝えに行くことになるだろう。
世界は、既に変革している。