144話 君に捧ぐ我が願い
前回のあらすじ
・魔王戦
・魔王がユミルやシスに酷似した結晶の魔物を生み出し、ジルディアスと恩田が戦闘不能
・恩田が、聖剣に魂を譲る
星降る世界の中で、サクラとロアは激戦を繰り広げていた。
ウィル・ブレイバー……勇者ウィルは、とてつもない強敵だった。それもそうだろう、魔王を滅ぼし、原初の聖剣の脅威を打倒し、いくつもの困難を超えた先の彼なのだ。弱いはずがなかった。
両手剣に変形させた聖剣を携えた勇者ウィルは、前衛であるサクラと対面し、片手間で常に魔法を詠唱し、後衛のロアを狙っている。援護魔法の得意なロアも、この時ばかりは魔法の回避に徹することしかできず、なかなかサクラの援護ができなかった。
「杖術一の技【強撃】!」
スキルを行使して、勇者ウィルの攻撃に臨むサクラ。それに対して勇者ウィルは特にスキルを行使することもなく、聖剣で受け流しをして頭蓋を狙った振り下ろしを撃ち逸らす。そして、逆に大ぶりの隙をついてカウンターとばかりに脇腹下から刃を切り返す。
寸前のところで杖を盾にし、サクラは勇者ウィルのカウンターの直撃から逃げ切る。それでも、完全には防ぎきれずに左腕を薄く切り裂かれた。飛び散る鮮血に、後衛で飛んでくる光の槍を回避しているロアは、叫ぶように詠唱した。
「光魔法第一位【ヒール】!」
命削るような状況で詠唱された回復魔法は、サクラの腕の負傷を完璧に癒す。同時に、サクラは察した。明らかに魔力の込め過ぎだ。回避に徹するあまり、魔力の節約にリソースを避けなくなっているのだ。
そして、余裕がないのは、サクラも同様だった。戦いが始まってから、10分もたっていない。にもかかわらず、既に焦りの様な感情が心臓をあぶり、腹底からにじみ出る絶望感が彼女の骨をきしませていた。
圧倒的に、隙が無さすぎる。これがゲームなら、「クソゲーだ!!」と叫んでコントローラーを投げかねない。少なくとも桜なら開始三分で投げていたはずだ。
2対1という圧倒的不利な対面という状況にも関わらず、勇者ウィルは経験と才能を持てして二人を圧倒していた。正常な状態のジルディアス……ルナティックジルディアスに勝つだけの力量を持ち合わせた勇者ウィルが弱いはずがなかったのだ。
流星群の如く降り注ぐ光の槍を全力で回避し続けるロアと、そんなロアを気遣いながらも決定打に欠くサクラ。彼女が育て上げたパラメータですら、目の前の強敵に敵えなかった。
どれだけ杖を振るっても、呪文を紡いでも、命削るロアの援護魔法を受けても、まるで目の前の勇者に敵うビジョンが見えない。
幾度となく振るう杖を聖剣で受け止められ、無造作にふるわれる聖剣をぎりぎりで防御魔法を行使して防ぐ。片手で振るわれた聖剣に砕かれたバリアの光の破片は、ガラスの様な透明な地面に散らばってさらに細かく割れて砕けた。
「ああああああああ!!」
サクラは腹の底から声を出し、己の体に宿った魔力に意識を写す。今のままでは勝てない。今のままでは、負ける。負けるのはダメだ。
振り抜かれる聖剣をさけるように、サクラは勇者ウィルから距離をとり、魔法を発動するために杖を構える。接近戦で隙が無いのなら、隙ができるほど魔法を連打すれば良いと判断したのだ。
「火魔法第5位【ファイアジャベリン】、【ジャッジメント】!!」
勇者ウィルの一太刀から身を守るため無詠唱でバリアを展開し、火の槍と光の雷を呼び起こす。三重の魔法の詠唱に、体からごっそりと魔力が抜け落ちるような感覚を察した。
赤と白の眩い攻撃は、勇者ウィルに容赦なく降り注ぐ。
それでも、この程度の攻撃でひるむほど崩世の勇者は弱くはなかった。
「【ファストバリア】」
聖剣を握り、短く詠唱する。紡がれた魔法の言葉は黄金の盾を展開し、炎と雷光を防ぐ。
かすかな地響きと、はじけるような爆発音。流石の威力に、あたりに白煙がまき散らされ、ガラスの地面を薄く焦がす。
勇者ウィルはバリアの呪文にひびが入るほどの火力の魔法に、かすかに眉を上げるも、一切負傷してはいない。勇者ウィルは明らかにがっかりした、という表情を浮かべて聖剣をぐっと握る。あまりにも稚拙だと思ったのだ。
手っ取り早く倒して、神の演算機を守護してしまおう。そう判断した勇者はつかつかと固いガラスの地面を歩き、白煙の向こうのサクラにとどめを刺そうと剣を振りかぶる。
その時だった。
「全属性混合魔法第3位【テレポート】!」
短い詠唱とともに、サクラが勇者ウィルの張った結界の内部__もっと具体的に言えば、勇者ウィルの背後の空中に、転移する。そして、振りかぶった杖をスキル付きで行使する。
「杖術一の技【強撃】!!」
とてつもない不意打ちに、流石の勇者も完全に対処しきることはできなかった。致命傷になる後頭部への一撃だけかろうじて避けたものの、杖での強打は脊椎のあたりを強かにとらえ、肉と骨をうつ酷い音が響いた。
「ぐっ……!」
小さくうめいた勇者は、そのまま前に倒れ込むようにして前転をすることで、サクラの追撃を回避する。今度こそ勇者の側頭部を捉えるはずだった杖は、残念なことに空を切り裂く音を立てただけだった。
魔力を一気に使ったサクラは、即座にストレージからMPポーションを取り出して飲み干す。ガラスの地面に転がったコルクの蓋。数秒遅れて中身が数ミリリットルだけ残ったガラス瓶も、コルクの蓋と同じ末路をたどる。
対する勇者ウィルも、光魔法の【ヒール】を使い、肉体への損傷を回復させる。
杖を持った挑戦者は酷い味のする液体を無理やり胃に収め、口端に付着した液体を手でぬぐう。大胆不敵な勇者は首を動かして動きに支障がないかを確認する。そして、二人は戦いを再開した。
「【ジャッジメント】!!」
「【ジャッジメント】」
強烈な雷の一閃。対する勇者もまた、サクラと同じく雷の魔法を詠唱する。白い雷と雷がぶつかり合い、あたりの空気を激しく焼き焦がす。直接カミナリに触れていないにもかかわらず空気越しに皮膚の下がひくひくと引きつるような高圧電流の奔流に飛び込み、サクラは杖を振り下ろす。
ガキン!
杖と剣がぶつかり合う、鈍い音が響く。強く、強く、杖を振るサクラに対し、勇者ウィルは的確に与えられる致命を狙うため、力は最小限だ。
勇者ウィルの魔法のリソースはほとんどがロアに対して割り振られているため、安易にサクラに対しては行使できない。風の精霊の愛し子であるロアもまた、放置できない脅威なのだ。
それでも、異常な熟練度をもってして肉体強化の魔法だけは途切れることなく使用し、ただでさえ高いステータスにバフをかけ続ける。
勇者ウィルの状況に気が付いたのは、後方で命からがらサクラの援護をしていたロアだった。雨あられの如く降り注ぐ光の槍を回避しながら、小さく息を飲む。
この状況を、一転させることができるかもしれない呪文を、ロアは知っていた。闇魔法三位の【ディスペル】。相手の魔力の流れを乱し、強化魔法を強制的にはがす魔法だ。格上には比較的通りにくい魔法ではあるが、勇者ウィルは現状、ロアを屠るための呪文と並列しながら強化魔法とバリアを行使している。その隙を突けば、一気に優勢になれるかもしれない。
そう考えたロアは、小さく息を飲む。
風の妖精の愛し子であるロアは、風魔法と光魔法ならばかなり得意な方ではあるが、闇魔法はそこまで得意ではないのだ。もちろん、闇魔法の中には精神を癒す魔法もあるため、行使できないというわけではない。しかし、苦手な魔法を魔法として成立するだけの出力を出すには、必然的に大量の魔力を使うことになる。
現状のロアのMPは、控えめに言ってもかなりかつかつだ。それこそ、定期的に使っているMPポーションでも回復が間に合っていないほどに。
魔力不足で動けなくなってしまえば、その瞬間、無慈悲な魔法の雨あられによってロアの死は確定することだろう。
ロアの感情に呼応して、長い耳がへたりと垂れる。
死ぬのは嫌だ。世界樹を守る神官として生きてきた彼は、ずっと狭い世界で生きてきた。樹上に登ることも、森の外に出ることもなく、地に足をつけて、ただ風の精霊の愛し子である義務を果たし続けてきた。
外の世界へのあこがれがないかと問われれば、あったともいえる。
ロアには、己の両親の記憶がない。赤子のころに、ユグドラシアの木の下においていかれたのをエルフの村の人間に拾われたため、どんな人が親なのか、知らなかったのだ。
排他的な性格のエルフたちは、村の外に出ることを好まない。だからこそ、父か母かはわからないものの、村の外に出たエルフが親であるはずなのだ。
村の中では、肉こそ手に入りにくいものの、安心して長い長いエルフの寿命を終えるだけの安寧と安全がある。にもかかわらず、外に出た親が何に出会って、どうして我が子である己を手放す選択をしたのか。気にならないわけがなかった。
旅の過程で様々な町を訪れた。この世界で一番広い平原のサンフレイズ平原。エルフの村で見たことがないほど多くの人々がいた芸術の都アーテリア。美しくも人の業が見え隠れした聖都市イリシュテア。クーデターで荒れてしまった勇者の故郷フロライト。そして、神の演算機につながるダンジョン【if】。
そんな旅路を続けても、己のルーツはわからなかった。
父はどんな人だったのだろうか。母は優しい人だったのだろうか。この疑問に、精霊は答えてはくれない。生きているのかどうかすらわからない。
だから、まだ旅を続けたかった。肉を食べなければ生きていけないハーフエルフだからこそ、自分を確立するために広い世界を見たかった。そして、神官として果たすべき役割を果たしたいと、思っていた。
光の槍が頭の上をかすめる。バリアを展開する間もなく降り注ぐ魔法の雨を避けながら、上がった息を乱さぬように無理やり大きく息を吸う。
一秒でも気を抜けば、0.5秒後には死が確定する。勇者ウィルが魔法に少しでも多くのリソースを割くようになれば、五秒と持たずに死ぬ。諦めて足を止めれば、その瞬間に死ぬ。
まだ死ぬ気はない。まだ死ぬわけにはいかない。神官としての役割も、己の正体もまだわかっていないのだから。
それでも__
ロアはサクラの方を見る。
魔法を交えて勇者ウィルと近接戦を行っている彼女は、きっとこの戦いこそがこの世界で生きる理由なのだと分かっているはずだ。彼女は言っていた。『私がこの世界に来た理由は、勇者ウィルを止めるためだ』と。未来を失ったプレシスを救うために世界に産み落とされた勇者なのだと。あの言葉は間違いようもなく真実だった。
そして、彼女単独の力量ではまだ、勇者ウィルには勝ちえない。当然ながら、ロア一人ならまず勇者には勝てない。こちらが攻撃魔法を展開するよりも先に、首と胴体が泣き別れをしてしまっていることだろう。
まだ生きて旅を続けたいという欲求と、神官としてサクラを応援したいという気持ちが、せめぎ合う。
ポケットの中からMPポーションを取り出し、一息で飲み干しながらロアはぐっと奥歯を噛みしめる。
その時、勇者ウィルが、サクラに問うた。
「安藤桜! 君はなぜ、神の意志に従う?! 君は本来、君の国で安寧な日々を享受すべき人間だっただろう?! 何故、僕たちの戦いに首を突っ込もうと思った?!」
「__!」
彼の想定以上に強力な反撃を行い続けるサクラに焦れた勇者が、いら立ち紛れにそう問いかける。その問いかけに動揺したのは、サクラではなくロアの方であった。
そうなのだ。サクラは本来、魔王の居ない平和な国で生きる一市民であったはずなのだ。本当なら、こんな血みどろの戦いに首を突っ込む理由などないはずなのだ。神の演算機を破壊するという目標は、あくまでも無理やり科されたモノに過ぎない。こんな目標を課される運命さえなければ、きっと彼女にはいるはずの両親や家族とともに、穏やかな日常を送っていたはずなのだ。
ロアの心が、小さくきしむ。
勇者ウィルは、報われない世界を救うためという狂った目標を抱えて、プレシスの未来を奪ってきた。__そうなら、きっと、そんな勇者ウィルを救うべきなのは、同じプレシスの住人であるロアたちだったはずなのだ。
にもかかわらず、今はどうだ。
勇者ウィルを強制的に止めるために戦っているのは、本来なら狂った彼に関わる必要がないはずの異界の勇者__サクラなのだ。
彼女にだって家族はいるだろう。彼女にだって大切な人はいるだろう。彼女にだって、帰りたい場所はあるだろう。それらすべてを奪われてもなお、彼女はあの勇者と戦い続けている。
それそのものが、間違いではないのか?
ロアの心にもたげる疑心。それでも、問いかけられた当の本人は、思考することもなく、ただ本心を叫んだ。
「私が従っているのは神の意志じゃない! 私自身の意志だ! バッドエンドになるって言うのがわかってて放置するほど、私はクズじゃない。っていうか、私は、アンタが思ってるより無力じゃない!」
叫びにも近いサクラの声に、ロアはぐっと杖を握る手を強めた。
ロアは、神によって無理やり物語への介入を強いられた少女なのだと、ある種の同情の様な感情を抱いてしまっていた。それは、間違いだったのだ。
彼女は大きな使命感を持って運命を曲げようとしたわけではない。ただの少女は、彼女の良心に従ってハッピーエンドを望んだだけだったのだ。__己の安寧を犠牲にしたとしても。
「……俺は、彼女を少しばかり、軽んじてしまっていたのかもしれない」
小さくつぶやいた彼は、決心したようにぐっと眉根を寄せ、体内の魔力に意識を向ける。彼女は、『不安』を口にすることはほとんどなかった。『怖い』ということもあまりなかった。その強さは、使命を達成することをよりどころにしているからではない。__ただただ、彼女の良心によるものだったからなのだ。
少女の根底を理解したロアは、そっと微笑んで、サクラに向かって言った。
「サクラ! 君が、勝ってくれ!」
「……?」
突然のロアの言葉に、サクラは少しだけ目を丸くする。それでも、すぐに勇者ウィルの攻撃を防ぐために、ロアの方を見ることなどできはしなかった。
だからこそ、彼の異変に気が付くのに、少しだけ、反応が遅れてしまった。__そうでなければ、きっと彼女はこれからのロアの行動を止めていただろう。
その場で回避の足を止めたロアは、即座にバリアの呪文を唱え、黄金の壁で己の周囲を囲む。そして、大量の魔力を込めて、呪文を詠唱した。
呪文が紡がれる間に、黄金の壁には大量の魔法が集中的に降り注ぐ。ぴしり、と嫌な音がした場所を見てみれば、まだ魔法を展開してから1秒と立っていないにもかかわらず、既にほころびが見え始めていた。
こうなってしまえば、バリアが解けたとたんに回避不可能な量の魔法が降り注ぎ、この幻想的な風景の上に屍を晒すことしかできないだろう。
それでも、ロアは、詠唱を完成させた。
「【効果継続】、【威力増強】、闇魔法第三位【ディスペル】」
得意魔法ではない故に、長い詠唱と、寿命を削るような大量な魔力を捧げ、完成した強化解除の魔法。その魔法は、サクラとの戦闘に集中しきっていた勇者ウィルの肉体強化の魔法を解き、そして、しばらくの間強化魔法が使えなくなるまでに凶悪な魔法へと変貌していた。
目を丸くする勇者ウィル。そして、憎々しそうな表情を浮かべた彼は、肉体強化に使っていた分の魔法を、ロアを抹殺するために行使した。
サクラは、声を出すことすらできなかった。
夜空の中にいるようなこの空間の中で、一瞬、空間そのものが明るくなったようにすら感じられた。それほどまでに濃密な魔法が、魔力の使い過ぎで一歩たりとも動けないロアに向かって降り注いだのだ。
すさまじい轟音と、目を開けることすら難しいほどの光の中、ロアはそっと微笑んで、己の運命を受け入れた。
まばゆい魔法の雨が、殺意の込められた光の槍が、黄金の盾を打ち砕いてハーフエルフの青年の体を貫く。殺到した魔法を回避することもできず、彼の体は無数の魔法に貫かれ、焦がされ、ちぎられ、崩れ落ちる。
「あ、」
少女の口から、小さな声が漏れる。
同時に、心の中で何かが砕け散る音が聞こえた。聞いてしまった。
口元に、笑みが浮かぶ。それに反比例して、彼女の両目から、透明な雫が零れ落ちる。
__サクラなら、こんな地獄でも、きっと笑って戦える。
「はは、は」
乾いた笑い声が、こぼれる。手に力が籠められ、聖剣であるはずの杖から、ぴしりと嫌な音が響き、砕け散る。
__彼女が精神の限界を超えてサクラであり続けたのは、ただ、ロアという心の支えがいたからだった。本音を話せる彼がいたからこそ、限界だった精神をかろうじてつなぎとめて、彼女であり続けることができたのだ。
強力な支援者を失った今こそが好機だと判断した勇者ウィルは、無手のサクラの首めがけて、容赦なく聖剣を振りかぶった。__しかし、その聖剣が彼女の首を撥ね飛ばすことはなかった。
星を溶かして固めたような、美しく機能美に溢れた一振りの杖。聖剣の杖を握り、ウィルの一撃を受け止めた彼女は、淡々と呪文を詠唱する。
「光魔法第五位【ライトジャベリン】」
突然詠唱された魔法に、勇者ウィルはかすかに目を見開く。そして、その背筋にぴり、と、何か予感じみたものを感じて、即座にその場から飛びのいた。
その瞬間、先ほどまで勇者ウィルが立っていたその場所に、光の槍が突き刺さっていた。あれだけ硬質で、先ほどまでの激しい戦闘でも傷一つなかったガラスの地面に、突き刺さっていたのだ。
__背後からの狙撃……!
とてつもない火力と、一歩間違えれば自分にも攻撃の余波があるかもしれないにも拘らず選択された狙い方に、勇者ウィルは額に冷や汗が滲むのを感じた。
「……いきなりどうしたんだ、安藤桜」
茶化すような、それでもどこか緊迫を感じさせる勇者ウィルの問いかけ。
その問いに、サクラは顔を上げて、答える。
「__アンドウサクラ? 私は、サクラよ?」
その顔は、余裕溢れる笑顔だった。
全属性混合魔法第三位【テレポート】
ごく短距離を転移する魔法。魔力を込める量に比例して距離を伸ばすことができるが、基本的に必要魔力量がケタ違いであり、町と町を移動するくらいが人類の保有できる魔力量での限界。国間を移動したかったら、おとなしくテレポーターを使ったほうが人体に悪影響がない。
ちなみに、全属性混合魔法は使いたい位までの全属性魔法を履修している必要がる。つまり、サクラは第三位までなら全属性の魔法が使えることが証明されている。ジルディアスのように光魔法の習得が不可能である場合は、全属性混合魔法を行使することができない。
なお、ヒルドラインでアルガダが使っていた【セーブザワールド】は第6位。アルガダ君、地味に有能なんだよね。