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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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再戦

 続けて、オークたちの傷を癒すようボトルに『頼んだ』


 細いボトルの首から白い光が滲み出すと、大きな玉のように溢れ始め――それが宙で いくつもの小さな光の粒に分かれると、集められたオークたちの身体に目掛けて、吸い込まれるように飛んで……瞬く内に、あらゆる傷を癒し終える。


 こんな光景、思い当たるものは 人生の中で――たったひとつ以外に、思い当たるものは存在しない。


 傷が癒えて意識を取り戻したオークたちが、狐につままれたような顔をしながら、起き上がり始める。


 ここに残ったオークたちの中には、身体に欠損を抱える者たちも少なく無かったにもかかわらず――どうやら、それらの傷なども、まとめて癒されてしまっているかのよう。


 過去に失った自分の指や、動かなくなっていた、足の自由を取り戻したオークたちは、なにが起こったのか分からない様子で、中には自身が「戦いの末に果てた」のだと笑って、解釈する者まで出る始末。


「――立ち上がって動ける間は、戦い続けるのが、オークだって聞いてたんだけどさ……。俺は、またツォンカパに化かされたのか?」


 皆に、底意地の悪いことを口にしたものだった。互いの顔を見合わせるオークたち。そして手に、近くに転がっていた家屋の柱材、地面に突き刺さったままの流れ矢、転がっていた大ぶりな石を手に取って――戦う気力を取り戻し始める。


 周囲を白い光で満たした、手の中のボトルは次第にその光を弱め、辺りには また元の――炎に包まれた、村の光景が。


 なにが起こったのか、理解もできず呆然と佇むワーグたち。積み上げられた武器に目掛けて走り出す者。自らを鼓舞するように雄叫びを上げる者。武具も持たずワーグに組み付く者。


「仕切り直しダァーーーーーーッ!!」

 

 空気を震わす怒号を誰かが上げると同時に、戦いが再開。勝鬨まで上げていたワーグたちは、状況の把握が追いつかず完全にパニックに陥っていた。

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