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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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下処理は丁寧に

 辺りの気配から察するに、ワーグたちの数は、残り6~7頭といったところまで、減らすことに成功したようだった。


 よっぽど腹立たしかったのか、聞き取り(づら)い恨み節は、さらに続く。


「ゴブリン……ドモ……ト、トリヒキ……シタ……ムシ……マデ……ツカウ……ハメニ……ユ、ユルシガタイ……」


(……あ~。察するにこいつら、襲撃の隠し玉に、ゴブリンから蠅を仕入れてた訳だ。首から提げている匂い袋は、大方……虫を近づけないための代物なのか)


 少し離れた場所からオークの呻き声が、聞こえてくる。


 あちこちが腫れあがり、身体を動かすことはできなかったが、(わず)かに首を動かし、目だけでそちらを見る。するとそちらの方では──生き残ったワーグが、火の()いた燃え差しを咥え、オークたちに火を押し当てて、なにかをしているように見えた。


 一瞬、憂さ晴らしのために、火でも当てて回っているのか? とも考え、薄ら寒いものを感じたが──どうやら違う様子。


 現に火を押し付けられるオークは、次々に変更され、その「作業」が終わったオークに対しては、加えて火が当てられることは無かった。


 ワーグの長の恨み節を耳の片隅で聞き流し、その作業を眺め続けていた。そして、しばらくして──ワーグたちが行っていた作業が何なのかを、ようやく理解。


(……あいつら、まさか……止血……しているのか?)


 作業を眺め続けて、その結論に辿り着く。


 ワーグの長の言う通り、俺たちは全員、こいつらの餌でしか無いらしい。


 わざわざ外傷を焼いて止血を施しているのは……恐らく、少しでも長く生かしておいて──餌である俺たちを日持ちさせる、保存のための措置に違いない。

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