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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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さばへなす

 けれども、燃える村から、飛び出して逃げた、ワーグたちを見て安堵したのは、俺一人だけの様。


 他のオークたちは、ツォンカパはいわずもがな――臨戦態勢のまま、警戒を怠る者は、一人も居ない。


(こいつらの戦闘民族っぷりが、本気で怖い)


 ワーグたちの事もそうだったが――今は、ごうごうと燃え上がる、この村も今や脅威と化しつつあった。


「ツォンカパ……。この火……」

「心配無い」


 ツォンカパは短く、断言。正直――心強いこと、この上ない。


「村の周囲の下草には、定期的に火入れを行っている。この程度で森に燃え広がることはない。日が昇った昼過ぎには、恐らく雨も降る」

 

 ツォンカパの言葉に、空を見上げる。空には大して、雲が立ち込めている訳では無かったが……。このオークが言うことだ。この手の知識に関してだけは、信頼できた。


「……追い払えたと思うか?」


「分からん。それなりの数は()ったが……。引き際が良すぎたようにも、感じられなくも無い。先に逃がしたメスと子の方に、狙いを変えたとも考えられる」


「それ、マズいんじゃ……」

 

 その場合、例えワーグの群れを追い払えたとしても――それは、ツォンカパの(しょう)の部族が、滅んでしまうことに他ならない。


 突如、森の奥深くから、獣の遠吠え。ワーグの遠吠えで、間違い無い。

 

 あれほど恐ろしかったワーグが、まだ諦めていないのだと知った途端、先ほど頭をよぎった最悪のイメージが払拭され――少しだけ安堵。


「ツォンカパ。さっさと片付けちまおう。森に燃え移る心配が無いのは分かったけど、やっぱり火は、早く消した方がいい」


「……そうするとしよう」

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