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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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四方八方から毒矢の雨

 夜の空気を切り裂いて、四方から矢が放たれ、次々に、ワーグたちの身体に突き刺さっていく。

 オークに伝わる毒を、その身に受けたワーグは――すぐに、沼田打(ぬたう)ちだす。


「ひっ!?」 


 俺の足元にも、毒に(ひた)された流れ矢が飛んで来た。

 その薄い鏃が、硬質な音を立てて砕け散る。


「ちょ……ちょっ! 待てぇ! 周囲からバンバン、矢が飛んで来るじゃねぇか!」


 俺はあまりの恐怖から裏返った声を上げていた。


 今、村を取り囲むように樹に登ったオークたちが、ひとり30本ずつ分配された毒矢を放ち続けている。


 車座(くるまざ)になって、ワーグが集まった村の中央に目掛けて、集中させて矢を浴びせるように指示してある。矢を射るオークたちから、身を隠す場所なんて、屋内くらいしかない。


 つまり篝火に照らされた餌役の、俺たちの周りに矢が降り注ぐのは、自明。


 ワーグの長は、最初の矢が仲間の身体に突き刺さった瞬間、近くの小屋に飛び込み、難を逃れていた。


「ツォンカパ! 俺たちも早く建物に逃げ込むぞ! 死ぬ! 死んじまうから!」


 背中をカバーするつもりで、背負っていた円盾を手に持ち直し、掲げて――みっともなく叫ぶ。


「ハッハッハッ♪ なにを慌てたフリをしているツモイよ! これを指示した、お前が慌てふためいてみせた所で、白々しいばかりだぞ」


 ツォンカパは心底楽しそうな様子で、降り注ぐ毒矢の雨の中、腕を組んで立っていた。


 現代日本で――それまでフツーに暮らしていた学生の俺に、水も漏らさない作戦の立案が、できると思うなよ?。


 俺に出来ることと言えばコンパの場、居酒屋の白魚の踊り食いで……偶然、会得した。


 3回に2回は失敗して、そのまま消化しちゃう……人間ポンプと――

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