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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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迷惑にも程がある

「まぁ……なんだかんだで。あんたには、世話になったし、良いんじゃね?」


「……迷惑がっていたのだろう?」


「分かってたのか!?」


闘諍(とうじゃう)の相手と成り得る……見込み無しとして、諦めようかとも思ったが……貴様の様に色も白い、痩せっぽちを見捨てることもできなかったものでな……まぁ、赦せ」


「……め、迷惑にも……程があるぞ……つ、ツォンカパ……」


 今日までツォンカパと過ごした、命の危険を感じる稽古の数々を思い出し――俺の声は、震えに震える。


「だが、こうして貴様と知り合えたお陰で……逃がしたメスと子たちが、ワーグ共から落ちのびる見込みも、(わず)かではあるが……高くなった」


「なに言ってんだよ? 何日も前に、他のオークは逃がしたんだろ? 心配要らんだろ?」

 

 だが、ツォンカパの顔から察するに見通しは、絶望的な様子。


「出来る限り、水を渡り逃げるように指示はしたが……。奴等の鼻は鋭い。遠吠えで連絡を取り合い、その足は一晩に十の山を越える……。メスと子たちの全てが、逃げ切れるとは思ってはおらん」

「……そう言うことは、早く言ってくれれば……なんとでもなったのに」


 あいも変わらない、このオークの言葉の足りなさに頭が痛くなりーー俺は、その場にしゃがみ込んでいた。




 * * *




 その土堤は、額に汗して作ったっきり。当初の目的通りに使われることも無かったそれは、初めて言葉の意味通りに、見事に矢が突き立った。


 ……が、斧や短剣などを投げる的に丁度良いといわれ、俺が苦労して(のこ)で輪切りにした丸太の的は――この薄い鏃の矢の的には、まるで不向きであったことから、丁重に堤から剥がされていた。


(つ、ツォンカパめぇ……)


 次いで実験として村から持って来た、猪の皮を重ねた物を的に矢を射てみたが、これも問題無く貫くことに成功。

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