表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/1638

オークのみんなに、なんだか……イラッ♡

「分かったわ」


 ロキシーの尾羽を毟る作業を任せ、俺は、調理用のボールを取りに家に入ると、我が家の新しい住人、雌ヤギのデモピレ母さんの乳搾りに向かうことにした。


「……遺伝情報は、近くなるかも知れないけど。デモピレさんに手を出したりなんかしたら、ぶっ飛ばすからね?」


 作業の手も止めずに、そんなことをネルに言われた気もしたが。もはや、それに返す気力は、残っていなかった――。 




 ――夕刻――



 いつものように稽古場に向かうと、ツォンカパは、何人かのオークを引き連れて、既にやって来ていた。


 俺の姿を目にしたツォンカパは『良い手立ては思い浮かばなかったのだな』と察したようで、口の端をあげる。


 気にする必要は無いと、云わんばかりの表情を浮かべて、連れて来たオークたちの顔を見回すと、他のオークたちの様子にも、悲壮感などはまるで無く、残された日数の間に「なにを食うか」だのと、楽し気に口にしていた。


「……自分の命に、未練のひとつも無いってか」


 その場のオークたちが、顔を見合わせ一斉にこちらを向く。


 日本で好き勝手絶頂にイキがる所謂(いわゆる)、いかつい系のお兄さん方なんて、お話にもならない、恐ろし過ぎるオークたちを相手に――(かん)を逆撫でしかねない言葉が、俺の口から飛び出そうとは……。


「ツォンカパ。矢のアテは出来た。集められるだけのオークを今すぐに集めろ。矢柄を急いで1000束削り出せ。弦を()れ。獣の歯と骨をノコで引き割って、矢筈(やはず)を作れ。矢羽を付けるニカワを煮出せ。あと2日と半日だ。急げ」


 そして俺は、ネルがロキシーから毟りとった、尾羽を包んだ布と――まだ割っていない1000枚の鏃の塊をオーク達に見せ、その場で刃を 拾った小石で挟んで、一片を割ってみせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ