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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十四章:ヒンデンブルグ・オーメン

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謎過ぎる事物

 鑑定結果の記録は、オーサに陶片を握って貰いトキノに丸投げ。俺たちは(あるじ)のお許しを戴いて、勝手知ったるとばかりに、ホールにテーブルを運んでのおやつの時間。


 それもあらかた片付くと、暇を持て余したデシレアとトーヴェは仲良く、オーサのピアノで、愉し気な曲調の連弾に興じ始めた(仲良いなぁ……あの2人)。


「……これ……は」


 鑑定を頼んだ山を眺めて回る義妹(いもうと)が足を止めた。


 先程の様子もあって気になった俺は、お茶を注いだカップを手渡すついでに席を立つ。


 彼女が視線を注ぐ先に在った物は、高さ1メートルほどのブロンズのオブジェ。モチーフにしたものはなんの変哲もない、てんとう虫数匹が、木の棒に群れて――その内の一匹が、棒の先で羽根を広げて、今まさに飛び立とうとする躍動感溢れる瞬間を切り取ったもの。


「……在る……訳が……無い」

「……?」


 オーサの言葉の意味が、良く分からない。カップを手渡し、御説明が戴けるのを期待して、傍で静かに待つ。


 俺とオーサが、見入るナニかに興味を持ったのか――ルチェッタさんも席を立って、こちらへとやって来た。


 そして、そのオブジェを見るなり彼女は、恐怖に顔をゆがめて、城中に悲鳴を響き渡らせた。


 腰を抜かして、半狂乱と言った感じの彼女に


 ――いつか俺も嗅いだ、甘い香りの気体をデシレアが嗅がせて、何事か分からない内に眠りに就かせる。


「……この子、一体どうしちゃったのかしらね?」


 興味でも湧いたのか、俺とオーサが前にする、緑青(ろくしょう)の浮いたオブジェを見にやってくるネル。


「あら♪ 可愛い。てんとう虫さんたちじゃない。近代芸術って感じで洒落てるし、なんだか素敵♬」

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