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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十四章:ヒンデンブルグ・オーメン

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死の眷属にタカられて

義兄様(にいさま)……気を遣わせてごめんなさい」


 乱れた長い黒髪を手櫛(てぐし)で直し、先程の涼し気な表情を取り戻したオーサが、小さく詫びる。


「それはイイけど……」俺の視線の先には、号泣するネルと姉を必死になだめる様に、よしよしと頭を撫でるトーヴェの姿「アレは一体、全体……どうしたの?」


 「……さぁ」何を言っているのか、分からないわ? とでも言いたげな――そんな小首の傾げ方。


「アンタああぁあぁーーーっ」


 号泣して抱きついてこようとするネルの頭を、片手で押し退()ける「やめろ、寄り付くな。余所行きの服に鼻が付く」


「オーサが! オーサがぁ! ア、アタシに月魄(げっぱく)を……月魄を……けしかけるのよぉ」


(……月魄?)


 すまし顔のオーサの様子から察するに――訊ねても無駄そうなことは理解できた。そばに居たデシレアに視線を向ける。


「……おねーちゃんには善い薬。月魄ってのは、オーサちゃんの眷属でね。視ただけで生き物の寿命を100年~200年単位で吸い取る子たちなんだよ。おにーちゃんも、ルチェッタも、居なくて本当に良かったかも」


(……ほ、ほんとうにね)

 

 日頃、姉に対して溜め込んだものを吐き出すように、説明を口にするデシレア。


 人類であれば、出遭っただけで命を取られる存在にタカられたらしく、泣き止む様子を見せないネル。


 俺は義妹の言う『おねーちゃんには善い薬』と言う言葉に、もっともだと言うものを感じて、オーサに訪れた用向きを伝えることにした。


「ちょっと、見て欲しいものがあるんだけどさ?」

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