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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十四章:ヒンデンブルグ・オーメン

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絶賛、大掃除中

 自分でも、何を薄っぺらい博愛主義者じみた行動を取っているのかと、思わないでも無かったし、ネルからも――


「事無かれ主義のアンタにしてみれば……珍しく、行動的なのは良い事だけど……どーすんのよ? 我が家のお金は?」


 呆れた風な文句も口にされたものだったけれど……。人様の自由を奪って、金に換える奴隷ビジネスと言うものに……良く分からない嫌悪感も催したし、それになにより


「俺の平穏な暮らしの前には、金とかだな……」


 人の尊厳や、自由よりも――自身の静かな暮らしが何より最優先な俺に、


「やっぱ……アタシのつがいだけあって、アンタも相当……分からない奴だわ」


 ネルは呆れたと言うような、溜息を吐いていた。




 * * *




 ――さて。そんな、こんなで。


 近隣の犯罪者の皆さんが大量流入する、闇ビジネスの()()()と化した、大人気の我が領内――。


 ネルの「お腹一杯宣言」によって潤った近隣一帯に関しては、例年ほどでは無いらしいものの、寒くなるにつれ、この手の人身売買や、アングラな取引は横行する傾向にあるらしい。


 胡乱(うろん)なモノ(商品は)、こちらで吐き出して頂き、そして綺麗な身体(?)になった上で、仮初(かりそめ)の成功体験を携えて、ホクホク顔で帰って頂くと言う図式は、驚くことに安定しつつあった。


 それもこれも、こちらの世界唯一のキャバクラLA()LA()PALOOZA(パルーザ)の夢魔の連中の働きは大きかった。


 おまけに彼女たちは彼女たちで、商売で上手く行った気になって、気が大きくなった連中から、好き放題に精気を得ることができると言う、無駄の無さ。


 暫くすると、商品も資金も尽きて、仕入れもままならない闇商人の噂も、風に乗って耳に届くようにはなったが――そう言った連中は、俺に対して気を利かせてくれた夢魔たちが「自責の念に駆られて」と言う(てい)を成す様に『弄って』衛兵詰所に駆け込ませた。

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