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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十四章:ヒンデンブルグ・オーメン

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豆しば 対 アメショ

 しばらくすると今度は、ノックも無しにネルが部屋に入って来た。おまけに扉も閉めやしない。


「ヴィルマが真似をする」


 と、そのことに口を尖らせようかとも思ったが――今更の感もある。そこは目を瞑ることに。


「で? あのエルフさんはどうなのよ?」


 容体を聞いてみると「怪我も無いし、興奮して落ち着かないみたいだったから、アンタが御執心の夢魔の3人が、眠らせたわよ」相変わらずの――含むものがある御様子。


 溜息をついていた。椅子から立ちあがると、ネルに歩み寄る。

 胸の下で腕を組んで、憮然と睨み返すネル。


「……おう、コラ」


「なによコラ」


 俺とネルの背後に――豆シバと、アメリカン・ショートヘアを象る闘争の空気が渦巻いて、雌雄を決しようと鳴き声を上げる。


「人の頭……覗きっ放しで、ヤキモチ焼く余地もねえクセに……ブー垂れてんじゃねぇぞコラ」


「『ソレ』は当然の事でしょ。夢魔の娘をアタシが毛嫌いする理由は、別モノでしょうがコラ」


「調子に乗ってると……チューするぞコラ」


「やれば? こちとら最近、御機嫌斜めなのよコラ」




「なんだか……鬱陶しくなるほど、イチャついて、いらっしゃるところ……申し訳ございませんね? ご主人様、奥様。ちょっと、急ぎなものでして」




 いつの間にやって来たのか、悪魔が珍しい表情。


「夢魔の娘たちが……ですね? 眠るエルフの娘から『見えた』と言うものを……お耳に入れようかと、来た次第なんですけど……どうしましょう? 私、出直しましょうか?」


 その気も無いクセに、気を使っているそぶり。


 ネルの小さな頭を掴んで、その唇に無理矢理、頬を押し付けると――悪魔からの報告を聞くことにした。

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