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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十四章:ヒンデンブルグ・オーメン

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俺の顔をザクロに変えるエルフ・クロー

 華奢なエルフの女性ではあるけれども。人間一人抱えて、足を取られる森の中。屋敷への道程は1時間近くを要した。


 ネルの領域へと踏み入り、しばらくすると女性は意識を取り戻し、ゆっくりと目を開き始め――そして、俺の腕の中で、気も狂わんばかりの暴れっぷり。


 閉口しながら、必死に大して良くもない頭を回転させる。


(ええっと! エルフ語! エルフ語!? 咄嗟に出てこねぇ?!)


 そして、ようやくの事「敵じゃないから、安心して欲しい」


 と、エルフ語で言葉を紡ぎ出すことに成功するまで――彼女の薄い爪によって、俺の顔に首にと、引っ掻き傷が刻まれ続けた。


 屋敷に足を踏み入れるや、悪魔に大急ぎで部屋の用意をさせると、


 様子から察して、メイドさんたちも駆けずり回り始める。


 腕の中で、女性が小さく悲鳴を上げた。


「き、傷が……」


 どうやら先程、自身が俺に刻み付けた「エルフ・クロー」の傷跡が、領域内の影響で掻き消す様に癒える様子を目にして、怯えたようだったが――


 俺が、そのことに気づいたのは、しばらく経ってからのこと。


 玄関脇に置かれた寝椅子に彼女を降ろして待っていると、早くも部屋の用意が整ったとの声。悪魔が彼女をそちらへと案内するのを見届け、俺はこの事をネルに頼むため、部屋へと向かった。


 連れ帰った彼女は――蛆谷のゴブリンたちが、ネルから貰ったくるみ割り人形の、その動きが彼らにとって、あまりに面白かったらしく、殻を割るくるみを探して、森の中をうろついていた所、見つけ出されたらしい。


 改めて事情を説明にやって来たンゴグギーに礼を言うと、ベルの形をしたガラス製キャンディー・ポットを手渡す。驚いた声で震える両手を差し出すと、恭しくご褒美を受け取り、退室する彼。

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