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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十四章:ヒンデンブルグ・オーメン

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価値なんて分からないしなぁ

「おっ♪ 流石わ。ンゴグギー」


 俺の御囃子も耳に届いていたのか、届いていなかったのか。それは分からなかったが――、一口嘗めるなり、拍子抜けした顔と、美味なものを口にした時に上げる驚きの声。


「独り占めはするなよ?」


 俺が、ベンチを立つと。既にゴブリンたちは、先程まで、怯えた視線を向けていた小瓶に興味を注いでいた。 




 * * *




 魔素の効果は翌日には現れた。ンゴグギー率いる蛆谷の部族の連中の体色は、(しょう)の部族の連中と同様に濃くなったように見える。さしずめ黒ゴブリンと言ったところか。


 現れた変化は、体色だけでは無かった。ンゴグギーから伝播する様に、彼らの共通語に対する理解が進み、活舌が良くなって来た――様に思える。


 そして、それから暫くとしない内に、彼らの体格は背丈に関しては、俺の膝上……と言った所であったものが、見違えるほど逞しいものへと変化した。


 屋敷の外で、はしゃぐゴブリンたちを一瞥して悪魔が溜息をつく。


「ゴブリンなんて獣と変わらないじゃないですか……そこいら歩いて回れば、山と居るって言うのに……」


「あいつら、食うに困ってたせいだろうけど、体格は標準以下だったんだろ? 丁度良かったんだって」


 ザイツェ・アルカンの図書館で仕入れた知識ではあるけれど……。かつて、ゴブリンたちが妖精たちの住む世界で暮らしていた頃の名残からか――魔素は彼らにも、妖精たちや、悪魔同様に作用を及ぼすらしい。


「……と言うか、あいつら。この後、悪魔に成ったりはしないだろうな?」


 怖ろしい考えに、アルパゴンを尋ねると。バカバカしいと言った表情を ひとつ浮かべて見せて


「そうだったらですね? 喜んでゴブリンたちに魔素を振るまって、まわりますって。手駒の頭数が増える訳ですしね。実に効率がイイ。……いや、そうでも無いですね。やはり、魔素の方が、惜しいかも……知れません」


 魔素とゴブリンの価値を量ろうと、首を傾げて悩む悪魔を置いて、俺は部屋を後にした。

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