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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十四章:ヒンデンブルグ・オーメン

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サプリみたいなモンだから、多分

「人間の俺がアレを持ってても……なんか役に立つとでも思う? あっちで聞いたんだけど、ドーピング・アイテムみたいに考えて、アレを人間が飲み干したら……即、下級な悪魔に変わるって話聞いたぞ……。あいつ、そんなこと一言も言いやしなかった!」


 その話を知った時の驚きを思い出して、ふつふつと怒りがこみ上げる。


 とは言え。アンティグアに赴いた際に、有栖川さん経由で鑑定を依頼して、その結果は聞いていた訳だから――それを忘れて、頭の片隅にも覚えて居なかった俺が、なにをか云わんや、と言った所か。


「……あっち(あたし)は……その方が……イイ……かな」


 あまり耳にする機会の無かったマーヴの声に驚く。顔を赤くして、手を後ろ手に組み、洗濯板を張って見せる彼女。


「人間やめる気無いでーす。じゃあ、後は……任せたぞ? みんなにも宜しく伝えて、そこにある奴は配ってくれな?」


 扉の取っ手に手をかける俺に、コルメラの声。


「旦那様? どちらへ?」


「んー? 聞いた話をね? ちょっとね」




 * * *




「火ノ呪術師シャマ……一族、総テ揃イ……マシタ」


 庭のベンチに掛けて。アルパゴンを呼びにやり、蛆谷の皆を集めると、封を切った魔素の小瓶を手渡す。


「ド、毒ヲ! 賜レ……マスカ」


「いや、……違うからね?」


 そのやり取りを見て、呆然とするアルパゴン。


「人間に価値が分からないのは、致し方ありませんが……勿体無い」


 顔を見合わせる蛆谷のゴブリンたち。


「お前たちにとっては、薬らしいわ。ンゴグギー? 心配なら誰か一人選んでさ? ちょっと嘗めて、時間を置いてみ? 毒じゃないことは直ぐに分かるよ。と言うか、このネルの領域では、毒を飲んだからって、死ぬ事は無いから。多分……残りの分で、お前たちが一口ずつ嘗める分には……足りるんじゃないか?」


 それでもゴブリンたちは疑わしい視線を変えなかった。が、ンゴグギーが、腹を決めた様子で、恐る恐る小瓶の細い首に舌を伸ばし始める。

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