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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十三章:咎の神像

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白いカエル

 座席に腰掛けたままぐったりしていると、ハッチをノックする音。


 ゆっくりとハッチが開くと、有栖川さんが、お出迎え。

「お疲れ様でした。百千万憶(つもいひがた)様、お嬢様」


 疲れをまるで感じさせない義妹。座席を立つのも辛い俺。タラップの手摺りを、掴んでよろよろと降りる。


 騎士の足元へと降りたところで、デシレアが振り返って騎体を見上げていた。

「如何でした?」ご機嫌な様子を漂わす主人に、お伺いを立てる有栖川さん。


「拾い物だったかも♪ 元にした、このガベルとか言う騎体。余程優秀な設計だったみたい。遺っていた『記憶』によると、これが造られた当時は、拡張性も高かったらしくて、色々なバリエーションもあったみたいだし。わたしが、何から何まで別物になるまで弄ったのに特に問題も無さそう。もう少し、つめてみよう……かな?」


 話し込む2人に、膝をつきそうな俺。早く座りたい……。




 * * *




 そんな俺に、美貌を向ける執事さん。


「それで……この騎体のお名前は、如何なされます?」


(正直……凄く、どうでも良い)


 とは、おくびにも出せなかった。いや、この場に居る2人のこと、それはすぐさま察してしまっていただろうが――俺は、素早く切り返す必要に迫られていた。


「えっと……ゲシュ……パキアド……とか、どう?」

 

 シルウェストリスにおける上位古代語で「白亜の神像」または「白の偶像」――そして、今は見られなくなったと伝えられる「白いカエル」


(生物学の命名則って、ホント適当だもんなぁ……。世界が変わってもこの辺、一緒かよ。なんで突然、「白亜の神像」「白の偶像」と続いて、カエルを置こうと考える? 差し控えろよ。遠慮しろよ)


 と、くたびれた頭で自身の出した名称候補、その語彙の意味する所に呆れていると――。

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