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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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「アレ」!? 「アレ」はどこだ?!

 俺を気遣(きづか)って、食事をさせたいのだろう。

 気遣いが透けて見える優しい脅迫。


 ――が、今はそれどころでは無かった。


 なんせ俺の頭の中に、珍しいことに突如、一筋の光が差し始めていたのだから。


「……アレ」


「あれ? なに?」

 

 ネルが、俺の頭を瞬時に読み取り、家の屋根に目を向ける。


「屋根のアレ……お前、以前……なんて言ってたっけ?」


「スレートのこと?」


 シルウェストリスに やって来たその日。


 ――初めて……いや、生前住んでいた俺の家だったとの話である訳だから、そうでもないのか? まぁ、そんなことは、今はどうでもいい。


 兎に角ネルは、その時点において


 俺が見慣れていなかった。小屋の屋根に()かれていた建材「スレート」について――こう説明してくれていた。

 

『粘板岩とか言って、一定方向に簡単に劈開(へきかい)する石が使われているのよ』


「一定方向に簡単に……劈開する……劈開……割れる?」


 俺は、前に立っていたネルを押しのけ――家に飛び込んでいた。


 突然の俺の反応に、ネルが驚いた声を上げていたが、今は、それに構っているどころではなかった。


「ちょっと! 今度は、いきなりどうしたってのよアンタ! ちょ! なにタンスの中身ひっくり返してんのよ! なにがどうしたの!? ねぇ!」


 ネルの声に構いもせずに――


 家中の物を、ひっくり返して探しまわり……ようやく、それを見つけ出したところで


 背後からネルにグーで力一杯、頭を叩かれた。


「……説明をなさい。説明を。それとコレ」散らかした家の中の物を、ネルは指を指して「ちゃんと片付けるんでしょうね……」憤慨しての仁王立ち。


 そして散らかった物の中から、俺が探していた品を目にするなり――。


「あら? ……妹のペットのおやつに買って来たお土産じゃない?(……これを食う、お前の妹のペットって、一体……なんなんだ)こんな所にあったの?」


 ――いつもの調子で、そんなことを。


 思わずネルを力一杯に抱きしめると――ネルの方も、なんだか分からない様子ながらも、満更でも無さそうにしていた。

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