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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十三章:咎の神像

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指先ひとつで

 色めき立つ屋敷の皆。もののぐ(武具)を手に、うきうきとした表情を浮かべるオークの娘たち。既に興味も消え失せた表情を見せる義妹(いもうと)2人。


 抱っこしていたペットの、ぴむぴむくんを妹トーヴェに任せて一人、騎士に向かって、ゆっくりと歩くデシレア。


 トーヴェに預けられ「ぴっ?!」と、驚いた鳴き声を上げた、ぴむぴむくんは――彼女に喰われるとでも思ったのか……。


 デシレアが腕を組んで仁王立ちしたのと同じタイミングで、バリバリと繊維を引き裂く音を立て、騎士は戒めから解放された。


 それを見据え、斜に身体を構えて、可愛いお鼻を親指で「ぴっ」と弾くと、リズム良くステップを取り始める義妹(いもうと)


(ブルース・リーごっこが……してみたかったのかな?)


 相変わらずの狂い様を、見せつけようと騎士がデシレアに、その腕を伸ばした瞬間。


「ほああぁぁぁぁぁぁああぁあ~~~っ♡」


 まるでヴィルマが、好物を茶棚から見つけた時に上げる、感嘆符のようなものを上げて、彼女は巨大な騎士の頭部まで、ひとっ飛びの跳躍をみせた。


「と、跳んだ?!」


 そのお嬢様な外見からは、想像もつかない、有り得ない身体能力に驚いて、見上げる屋敷の住人一同。


 可愛らしいドロワーズ(かぼちゃパンツ)を、仰ぎ見る皆に披露し、彼女は次々と、その小さな お手ての人差し指で


「あったぁ~っ♪ あった♡ あったあったあったぁ~♬ 有ったぁーっ☆彡」


 愉し気にしか聞こえない声に合わせて触れ――そして着地し、騎士に背中を向けた。先程までの威圧感も嘘のように静まる、機械仕掛けの騎士。


 数歩、こちらに向かって歩き、思い出したように騎士に人差し指を向ける彼女。


 ――固唾を呑んで見守る俺たち。


 ゆっくりと、静かな口調で、彼女は騎士に向けて言い放つ。


「部品番号EAー561から、EAー3までのナットを突いたわ。そこは既に……ストレスが、限界に来ている……」

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