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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十三章:咎の神像

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その狂い様、騎士に非ず

「白竜のつがいが、なにかしたのか?!」


 外壁の上で、俺と騎士の様子を観察していた衛兵たちが、どよめく。

 騎士がクレーターに飛び降りた衝撃で、さらに辺りの地面が脆く崩れる。


 そんなこと、お構いなしにチーズへと向かって、狂った様に辺りの土砂と一緒に蹴りを放ち、バランスを崩して、転倒して、起き上がって――今度は狂ったように、蹴り上げた土砂に埋もれたチーズの場所へ騎士が拳を打ち込み続ける。


(ダブル・アックスハンマーとか……プロレスでも中々、()んぞ)


 外壁の上の衛兵たちは呆然と、女神から遣わされた使徒と形容した――騎士の狂気じみた振る舞いを言葉も無く、眺め続けていた。


 状況が終了したことを確認すると――俺は、トキノに連絡を入れさせる。


「ゲルダたちに出番だって、伝えてくれるか? ……終わった」


 陶片を切って暫く。うろくづの森の方角から――とむとむ・てあー・とむとむ・てあー・ぽちょぽちょ・さらさら月光号……と言う、アレな名称であるらしい大釜が飛んで来た。


 それを目にして、怯えて弓に矢を番える数人の衛兵。

 

 矢が放たれるより早く、指輪から呼び出した「おちんちんシリーズ」で、弓の弦が掛けられる上弭(うわはず)額木(ひたいぎ)付近を撃ち抜く。


 ()ぜる弦の音。


「邪魔すると、死にまーす! すいませーん!」


 なにが起こったのか理解できない衛兵たちが、怯えて弓を引っ込めるのを確認すると、大釜に向かって、俺は作業の開始を伝えた。




 * * *




 魔女の大釜をゆっくりと操縦し、スコラスチカを降ろすゲルダ。


 形も残らないほどに叩き潰して撒き散らしたチーズによって、辺り一面に拡がったネルの――龍の気配とも言うべきものに、混乱をきたしているのか、周囲の索敵を開始したのか、騎士は沈黙。

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