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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十三章:咎の神像

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会敵

 社会的に死にかけていた俺が――シルシラの連れて来た夢魔の娘たちのお陰で、なんとか社会復帰できるかも知れない、糸口の様なものが掴めた、この機会。


 トーヴェが実体を顕わにして、その伝え聞く超戦闘能力を発揮して「アレ」を打ち砕けば――話は早いのかも知れないが、そうなれば、それを目にした人々の口を伝って、広まる俺に対する悪評は、修正不可能なものになってしまうことも……あり得るかも知れない。


 いや、きっとそうなる。なにせ虫歯の痛みで、のた打ち回ったと言うだけで、大陸ひとつを海の底に沈める龍の姉妹の中にあって、事実上の序列2位と言う、トーヴェが出て行くと言うのだ。どんな被害が起るのかは予想もできない。


 それこそ先にデシレアが挙げた、榴散弾の効力半径とやらの方が、よほどささやかで、そよ風の様に思えるものになりかねない……。


 部屋の一同が、俺に視線を集める。


「……なんとか、してみ……ますよぉう」


 その視線に応える俺の声は――我ながら、どこまでも しょぼくれた響きで……。

(面倒くさぁい……)


「とりあえず……メルトゥイユに、プレァリアのヴァシレフ氏との繋ぎを頼もうか……」




 * * *




「RPGぃーーーっ!!」


 良くある戦争映画の「間違った」掛け声のもと、元気良くトリガーを引く。


 映画と異なる目にも止まらぬ速度で発射された弾頭が、一直線に騎士を模した、ナニか目掛けて飛翔する。


 着弾。そして、続けての二重(ふたえ)に、こもって聞こえる爆発音。


 アルパゴンにオマケしてくれた死の商人のおっちゃん……有難う。今度、気が向いたら、世のためにはならない、あなたたちに義妹をけしかけて……追い込みをかけます。


 感謝だか嫌悪だか分からないことを、ウダウダ考えていると、耳に嵌めたハンズ・フリーからトキノの声。


「ぱぱぁ! 効いて無い! 逃げて!」


 矢継ぎ早のセコンドの声。跨ったバイクのアクセルを右手で吹かす。

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