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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十二章:この砂漠に林檎の木を植えよう

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不機嫌ピロー・トーク

「……で? あの夢魔たちは、どうなったのよ?」


 ベッドに潜り込み、枕に頭を倒れ込ませる様に横になったネルが、少し苛立たし気な様子で訊ねる。


「んー? えっとな……」


 ネルの――忌まわしい怨敵を思い浮かべての腹立たし気な目。


「取り敢えずだけど……『1~11』までの街に移って貰ってさ? それから彼女たちが、必要とする精気については、ヴィルマの故郷アンティグアに『門』で飛んで貰って、極々少量ずつ、必要な分ずつ集めて消費願うことにしたわ。あ、勿論お前が、迷惑を被ったって言う『出生ロンダリング・ゲーム』は、やらかさないように言ってな」


「当たり前よ」ネルが吐き捨てる「でも、なんでヴィルマの故郷なのよ? 教会の奴らが、鬱陶しいのは分かるけど」


「あそこなら、なんでも『洒落』で済むだろ? 日本とかだと、そうは行かないし……いや、一周回って、気にする人も居ない可能性があるのは先日、お前たちのお陰で分かったけども。……それにメトレス・マリアに一言、お願いすれば、あそこなら何とでもなりそうだろ?」


「それこそ『あいつ』の故郷で、面倒見させたら良いのよ。福利厚生くらいなんとかしろ! って言えば解決じゃない」


 アルパゴンにザイツェ・アルカンへと、彼女たちを連れて行かせると言うことは、俺も考えた――が。


「……あそこ、どーも彼女たちが言うには、魔族の住む世界の中でもトップクラスに敷居が高いらしくて……人間は、ほとんど居ないし、彼女たちも行きたがらないだろうし。食いっぱぐれて、結局こっちに来ちまうよ……」


「お優しい……こと……」


 話の途中で、うつらうつらとし始めていたネルは、そこで――静かに寝息を立て始めた。

 

「その寝付きの良さ、正直羨ましいぞ?」

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